アーティスティック・トースティング
第一回 オリンピック未満選手権
「オリンピックが全てではない。
世界にスポーツはたくさんあるのだから」
そんな理念のもと、世界中の知られざるスポーツが、ここ日本に集結しました。
実況は私、中谷。解説は鈴木メガネさんです。
「よろしくお願いします」
さて、最初の競技が始まります。
「……巨大なトースターが出てきましたね」
はい。第一競技は――
『アーティスティック・トースティング』
この競技は、トースターからトーストが飛び出す瞬間の美しさに魅せられた、故ポント=ト=ヴィデール氏によって考案されたと言われています。
それを息子であるポント=ト=ヴィデータ氏が競技として確立させました。
鈴木さん、これ選手はどこにいるんですか?
「中です。トースターの」
…中?
「パンの代わりに人間が入っているんです」
え~!
「アナウンサーの鏡。100点満点のリアクションです」
さあ、いよいよ『アーティスティック・トースティング』始まりますね。
まずはペアです。
イギリスチームの演技から見ていきましょう。
「さあ、レバーが下がりました」
ここから飛び出してくるわけですね。
「いえ、しばらく待ちます」
待つ?
「焼きあがりがありますから」
どのくらい待つんですか?
「そこに決まりはありません。もしかしたらその辺も点数に影響があるかもしれませんね」
結構、長いですね…
「イギリスはウェルダン狙いでくることが多いですからね」
ウェルダン狙い…
「えぇ」
ポンッ!
2人同時に飛び出してきた!
空中前転しながら上昇! 頂点で開脚!
そこから互いを水平に投げるようにして――トースターからかなり離れた位置に着地!
「決まりましたね。飛び上がりの高さ。同調性。そして焼き色。申し分ないですね」
焼き色も採点対象なんですね
「現状では審査員の好みの焼き色に左右されるんですよね。その辺がマイナースポーツっぽいんですが。イギリスはその辺も踏まえてロビー活動を展開していると思いますよ」
なかなか奥が深いんですね
「さあ、次のトースターが出てきましたよ」
トースターは毎回入れ替えるんですね。
「ええ、中は熱々ですから。冷めるの待ってると日が暮れちゃうでしょ?」
なるほど。
「さあ、全面に星条旗がデザインされたトースターが登場したということは、アメリカチームですね」
ド派手なトースターですね。あ、早速レバーが下がりました!
「展開が早いですね」
ポンッ!
早々に飛び出したー!レアですね!レア狙いですね!
「分かってきましたね。そして見てください。チアガールのコスチュームですよ」
ボンボンを携えて…あ~っと頂点で片方の選手が片方の選手の肩に手をかけて!さらに上へと上昇!漫画みたいだ!
「かなりの高さですよ、これは。無事に着地できるんでしょうか」
先に着地した選手がチア方式で受け止めて着地成功です!
「アメリカは、チアの見た目で勝負にきたと思いきや、高さで勝ちにきましたね」
点数にどう影響するか楽しみですね。
「さて、次はフランスチームの入場です」
地上波でご覧の皆様は、ここで一旦お別れということになります。続きはBS放送に切り替えてご覧ください。

ビンゴエッセイ(8月)に参加中です。
今回のマスは「トースト」でした。
好評なら続くかもしれません 笑
