歴史という名の小説を読み解く
今大学で建築を学ぶ学生さんに教えるお手伝いをしていますが、今年も卒業設計のスタート時期がやってきました。今はまだ敷地やテーマを決めていく段階なんですが、学生さんが出してくるテーマや敷地の場所などを調べていくと、本当に色々な発見があります。
今日は福智山ダムの話です。福智山は北九州市と直方市、それに福智町の丁度境目にある山で、九州百名山にも選ばれる人気の山です。今までに何度となく登ってきました。その直方方面の麓に福智山ダムはあるんですが、グーグルマップで見てみると内ヶ磯窯跡というのがあります。何かと思って調べてみると、元祖高取焼の登り窯が湖底に沈んでいるんだそうです。
福智山の横には鷹取山というのがあって、以前福智山と縦走したこともありますが、この山の名前が高取焼の語源だとは全く知りませんでした。高取焼の始祖である
朝鮮出身の陶工・八山(パルサン)が藩主・黒田長政からこの山にちなんだ「高取」の姓をもらったんだそうです。福智山と言えば上野焼がある事は知っていましたが、高取焼のルーツでもある事は知りませんでした。
なぜ高取焼に注目しているのかと言えば、小石原焼が好きだからです。毎年春と秋の二回、民陶むら祭というイベントがありますが、欠かさず行っているくらいです。小石原焼で有名な東峰村には元々、高取焼の窯元がありました。そこに伊万里焼の技術が融合して小石原焼が出来上がりました。
高取焼は御用窯だったので高級なイメージ、対して小石原焼は庶民の道具としての陶器です。そこがまた好きなんです。いまだにそれほど高価でお高くとまっているというイメージはありません。実用の美というものが根底に流れているのが、使っていても分かります。そうです。鑑賞するのではなく使う陶器なのです。
最近は東京なんかでも人気があるようで、段々と値段も上がってきているような気がしますが、むら祭りに行けばアウトレットも売っています。気に入らないものは陶工が割ったりするのを映画などでは見かけますが、せっかく作ったのだから安く売ってしまおうというのもまた、根底にある庶民派としての発想なんだろうなと思っています。
しかし凄いですね。全く別の事が、調べてみると歴史の中で繋がっていたりします。歴史小説というジャンルはありますが、歴史そのものが既に小説ですね。
『歴史という名の小説を読み解く』なんかかっこいいコピーを思いついたので書いておきます。なんのコピーなのかはよく分かりません。
