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【28】 会えない日 | どうしようもなく、どっぷり浸かった恋の話

その日、彼氏とやりとりをしていた。
次に会う日の約束。

その人から通知が来た。
『ごめん、今日連絡少なめでお願い』

スマホを持つ手が止まった。

『なんで?』
打ちかけて、やめる。

そのあと、もう一つ届いた。
『彼女が来る』
それだけだった。

一瞬だけ、画面を見たまま止まる。

動揺した。
1人なのになんともないふりをした。

『そっか』
それだけ返す。

既読がつく。

『また連絡する』
それで終わった。

携帯を閉じる。

さっきまで普通やったはずやのに、
音が少ない部屋がやけに気になった。

別に驚いたわけじゃない。

でも、
"ちゃんと分かってなかったこと"が
今になって追いかけてくる感じがした。


少し時間が経って、
何もすることがないまま、スマホをまた開く。

何も来てない。

当たり前やのに、
それが少しだけ引っかかった。

家にいるのが落ち着かなくて、なんとなく外に出た。

気づいたら、
タワーレコードに入っていた。

特に目的があったわけじゃないけど、なんとなく来ていた。

棚を眺める。
どのアルバムを見ても、どこかであの人と繋がってる気がした。

さっきのやり取りも、昨日のことも、
全部が勝手に重なってくる。

ふと、視線を上げた瞬間、
ーもし、ここで会ったらどうしよう
そんな考えが急にリアルになって、胸の奥が少しだけざわついた。

気づいたら、何も選ばずに早足で店を出ていた。

外に出た瞬間、
少しだけ息が軽くなる。

歩きながら、
さっきの自分を笑いそうになった。


🎵 さすらい / 奥田民生


次回

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