見出し画像

私をもう、隠さない。― 食卓で堂々と食べる

忘れたくない、楽しかった思い出ってさ、同じ物食べて、美味しいねって言い合える瞬間だったりしない?
だから、最初はマジかーって、悲しくなったよ。
でも、何とか歩み寄ってさ、海産物は食べられるようになってくれたから、だいぶ、楽になった。
家の食卓も、店選びも、自分の気持ちもね。
旅先で泊まる所はちょっと変わったよね。以前は、料理がデーン!と出てくる温泉宿だったのが、ビュッフェの方が好きな物を選べるから気が楽だなんて。
それに、あれほど楽しんでたキャンプやバーベキューだって、誘われた途端に、表情が曇るようになったよね。
でもね、いいこともあったと思ってる。
料理なんてしたことなかったけど、何とか美味しい肉料理だって食べたいし、あ、そりゃ、貴女は肉料理も作ってくれるけど、何たって、「味見してないけどね」だもんね(笑)。
あと、別々の料理だとさ、僕ちゃんも気にするだろうから、なるべく見た目は同じ物を3人で食べたいしね。
だから、例えば、「麻婆豆腐なら、甘口は肉入り、辛口は海鮮ね」、なんて二人で手分けして作ったりね。おかげで腕も上がったよ。
でも、やっぱり、栄養足りてないんじゃないかなって、貴女の健康が心配。


申し訳ないなって気持ちもある。
例えば、出された料理を残さず食べなくちゃっていうシチュエーションで、貴男は二人分の肉や魚をせっせと食べてくれて、その代わり、野菜の小鉢なんかを私に回してくれてたよね。
食後、破裂しそうなお腹を抱えて、「魚くらいは食べてくれないと、俺、死んじゃうよ!」って、珍しく大きな声で言われて。
困ったな、外食しなくてもいいんだけどな、なんて。
でも、そんな生活が続いたせいか、貴男が激痛にのたうち回って胆石で入院した時には、私のせいだって責任感じた。ごめんね。
バーベキューは、正直、辛い。
自分でも段々、テンション下がっていくのがわかる。何で、みんなあんなに肉ばっかり食べるのかなって。
だから、パエリヤとか、ピザとか、おでんとか、ちょっと手間がかかる料理を隅っこでせっせと作って、みんなに振る舞いつつ、炭のそばに行かなくてもいいようにしてるよね。我ながら、グッドアイデア。
最近よく、貴男は「タンパク質!タンパク質!」って言うけど、お肉以外でもタンパク質って摂れるのよ。お魚もたまに食べるようにしてるし、だから、そんなに心配しないで大丈夫。


最初は遠慮してるのかなって思ったんだ。
ママは、いつも自分のことは後回しで、遠慮ばっかりしてるから。
お弁当も、パパや僕に作ってくれるのは豪華だけど、ママのはご飯の上にゴマと海苔と、、、みたいな。
「お母さん、ゴマはおかずじゃありません」って、川柳つくってみたよ。
バーベキューの時も、忍者みたいに、途中でいなくなっちゃうしね。
東京に行った時もさ、美味しい焼き鳥屋さんで晩御飯食べようって楽しみにしてたのに、仕事だとか何だとか言って、ママだけ遅い飛行機で来て、一人でコンビニのおにぎり食べてたり。
でもね、ママがお肉を食べてないってこと、僕に気づかれないようにしてるんだろうけど、わかってるからね。
ちゃんと見てるもん。
僕があっちを向いた隙に、パパのお皿にお肉をホイホイ!って入れてたり。
僕はね、ママがお肉を食べないからって、じゃあ、僕もニンジン食べない!なんて言うような子じゃないよ。もっと小さい頃だったら、わかんないけど。
僕が嫌なのは、何より、ママが嘘をついている、僕を、みんなを、ごまかしてるってこと。


小さい頃、僕ちゃんもお肉が嫌いって言ってたから、これ幸い!って思った。わざわざ言わなくても良さそう、なんてね。
あなたは、お肉を見て、「どうやって、お肉にしちゃうの?弓矢で刺すの?」なんて言ってたっけ。
でも、身体が大きくなるにつれて、大豆ミートはもう嫌だって、「本物のお肉がいい!」てね。それはそれでもちろん、いいんだよ。
だけど、そうなると、ママとあなたの食べる物がいつの間にか別の物に。
好き嫌いなく食べましょうって言われてる中で、ママがお肉を食べてないってことで、あなたを混乱させたくなかったし。
あぁ、でも、これは、もはや完全に言い訳だね。
何事においても周囲を気にして、小さな嘘を重ねる、ママの悪い癖。

ちゃんと、言うわ。


「私、肉、食べたくないねん!でも栄養足りてるから大丈夫やで!皆、好きなように食べたらえーねん!私は野菜とか豆が好きやねん!私のこと、気にせんでえーよ!でも、お店にはもっと、選べるメニューも置いてやー!」


ありがとう、関西弁。あースッキリした。

10代の数年間に続き、40代半ばから、また、お肉を食べられなくなり、何か、、、夫以外には言い出せないで、ここまで来てしまいました。
きっかけは、子どもの手前だったかもしれないけれど、何かと周囲の目を気にしすぎる傾向ゆえか。
きっと、言ってしまえば、何てことない。誰も気にしないことなのかもしれないけれど。
カミングアウトして、私が工夫してる精進料理ふうの料理(笑)なんかも、たまに振る舞ってみようかと思っています。
自分をごまかすのは、食だけにあらず。
まずは、コソコソしないで、食卓で堂々と食べます!というnoteでした。

私以外のパートは、妄想です。今回、創作大賞に応募してみよう!と思って、いつもより「創作」してみたくて、こんな感じで書いてみました!
(. ❛ ᴗ ❛.) ウフフ!

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
あなたの心に届いたなら、スキしていただけると嬉しいです。
かつての私のように、アカウントのない方も、ぜひ♪ 励みになります!
これからも、どうぞよろしくお願いします。

発光婦人


この記事が参加している募集