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彼/ [未練配達員 ]毎週ショートショートnote

未練配達員と名乗った男性は私に段ボールを渡して言った。
「中を確認してください。」
 箱に書かれた彼の名前。
箱を開けると大量の私の写真が入っていた。私はぺたんと床に座り込む。
「もう、私はいらないってこと?わたしへの未練がなくなったから、不要になった私の写真を送ってきたってこと。次の女でもみつけたのかしら」 
 笑いがこみ上げる。写真をバッと巻き散らかす。まるで紙吹雪のよう。
「私は名乗ったはずですよ」
 配達人は言った。
「<未練>配達人ですと」
 紺色のユニフォームと帽子に金の色でされた<未練配達人>の刺繍。
 背中がぞっとする。
「う、そ」
 そう彼に私の住所はばれないようにしていたはず。
「彼はあなたへの思いを忘れることができないから、その未練を伝えたくてこれを届けるようにいわれたんです。あなたは愛されているんですよ」
 あの男はどう言ってこの配達を依頼したのだろう。
 送ってきたのはずっと私をストーカーしていた男。やっと逃げ出せたと思っていたのに。


 




こちらの企画に参加させて
いただきました。
田原にかさん
ありがとうございます。


見出しイラストはぽてさんに描いていただきました

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#毎週ショートショートnote
#未練配達員
#小説


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