きっと帰ってくる/ [ 勘当ガイドブック]毎週ショートショートnote
「本気なんですか!」
リビングのテーブルの向かいに義両親が座っている。テーブルの上には「勘当ガイドブック」と書かれた冊子。
義父母はうなだれている。
「ハヤトを勘当する。」
か細い父の声。
勘当という制度が成立したのはつい先日。子どもを勘当して届けをすれば絶縁できる。戸籍からも排除されるというもの。
財産の相続人からももちろん外されるのだが、その人物がもらうはずだった遺産は残った者で分配されるのではなく、国に払うことになる。
義両親は夫を勘当するつもりでこのガイドブックを取り寄せたのだ。
「これから先、勘当制度を使って子どもがいなくなれば遺産になるはずのお金で国が老後を保障してくれる。
君らは遺産こそ手に入らないが私らの介護を気にすることなく暮らせるんだ」
義父はそういった。義母はうつむいて手を握りしめている。
私は勘当ガイドブックをつかむとゴミ箱に放り投げた。
「ハヤトさんの受け取る遺産は他の誰にも渡しません。
お父さんお母さんもです」
こちらの企画に参加させて
いただきました。
田原にかさん
ありがとうございます。
見出しイラストはぽてさんに描いていただきました
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