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最低二万マイル

「勇者よ、ここまでだ!」
魔王が強大な魔法を放とうとする。
「まてまて、いきなりこの展開はないだろう」
俺は魔王を手で静止してそう言った。
「たいてい序盤には場面紹介やキャラクター紹介から入るもんだ。
いきなり最終ボス戦でしかも魔王の必殺技はないだろう」
「最近の若者は音楽では前奏を不要といい、ドラマは倍速でみるという。
ちょうどいいのではないか」
俺は考えてしまった。
確かにそうかもしれない。このまま物語が進めば序盤の非力の俺や、いっとき闇落ちしたことなどは知られないで、かっこよく魔王を倒した勇者でいられる。
しかし、それはどうなのだろうか、それを物語と言えるのか。
「勇者最低、二万里を旅してきた苦労を無かったことにしょうというの」
「そうだ、あの日々があったからこそ俺たちは困難を乗り越えることができるんじゃないか」
仲間達がいう。
そうだ、旅してきたことこそが俺たちの物語。
「魔王!最初からやらせてくれ」
魔王が再訂ニンマリ笑った。



こちらの企画に参加させて
いただきました。
たらはかにさん
ありがとうございます。


見出しイラストはぽてさんに描いていただきました

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