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猫缶/ [レシートに]シロクマ文芸部

レシートにない商品がある。
夫と息子にお使いを頼んだらなぜか中に猫缶。
我が家には猫はいない。
「これ、どうしたの?」
夫に聞くとソファから顔をこっちに向ける。
「ああ、試供品だって」
「猫いないのに試供品もらってきてどうするの」
私はため息をつきながら買ってきてもらった物をしまっていく。
テーブルに残された猫缶。
「もったいないよね」
猫缶を見ながら息子が言う。
私の口癖がうつってしまっている。
猫を飼っている人にでもあげるか。
「もったいなくなくなればいいよね」
いつの間にかリビングの外に出ていた夫が箱を抱えてきて私の前に置く。
「ミャー」
中には子猫。
さわりたい、抱きたい。でもそうすれば後戻りできなくなる。
夫が箱から出し私の前に。
かわいい!!
私は猫が大好きだ。いろいろ理由をつけては飼うのを諦めていた。
猫のお世話にかかるお金。
「この子をかえば猫缶もったいなくないね」
息子が言う。
どうやら夫と息子がたてた猫を飼うための作戦にまんまとはまってしまった。



もう一話できたのでもう少しお付き合いいただけると嬉しいです。



〈レジのお姉さん〉

レシートに赤い線が入った。
私はレジの下の引き出しを確認する。
かえの新しいレシート用紙がない。
隣のレジを見ると、私の意思を悟ったのか彼女も引き出しを確認して首を左右にふった。
「とってくるわ」
そういう私の肩をサポートで入っていた高橋さんがそっと叩く。
「今のレジ担当はあなたよ、あなたがレジを離れるわけには行かないわ」
高橋さんは走らないように、しかしできるだけ早足でレシートを取りに行った。
いつもならそんなにお客のいない時間なのに今日に限ってお客が続く。
あとどのくらいだろう。
かご二ついっぱいのお客さんが来た。
打ち終わる前に高橋さんが引き出しにレシート用紙をいれる。
高橋さんは
「ほかのレジにおまわりください」
の札をおきながら丁寧にお断りを入れている。
私はすぐにレシート用紙を取り替えた。
札を外しお客さんをとおす。
高橋さんはほかのレジの人に用紙を渡しに行った。
普段ならちゃんと予備があるのになんでこんな日に限って。
でも、まにあってよかった。



こちらの企画に
参加させていただきました。
小牧幸助さん
ありがとうございます。


 見出しイラストはぽてさんに描いていただきました

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#シロクマ文芸部
#レシートに
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