優しさは残酷だ
優しさって、平等で残酷だ。
傷ついたのは、きっと私の弱さ。
触れられそうで触れられない、
その距離感があまりにも優しくて、
ときどき、ひどく寂しくなる。
誰かの「1番」になれない私が、
それでも歩いていく話。
何色にも染まらない
手のひらをすり抜ける君に
カメラのピントは合わない
黄昏の風のような気配だけが
私の背中を置き去りにしていく
私に意味を向けない無邪気さが
痛み止めのように
輪郭をぼかしていった
だからこそ
私の瞳に映る君が
形を結んでしまう前に
君がいない未来を
まっすぐ歩けるようになりたかった
それだけだったのに
言葉が追いつかないまま
君の名前を喉の奥で何度も噛みつぶして
それでも どうしても 聲になってしまう
そんな私を
私だけは 嫌いになりたくなかった
もし君の優しさが光なら
私はずっとまぶしすぎて
まっすぐ見られなかった
目を細めて笑っていたのは
まぶしさのせいだったかもしれない
そしてほんとは
君を正面から見られない自分が
少しだけきらいだった
「みんな仲良く」なんて
聞き飽きたけど
君にとっての「1番」になりたい
そう思ってしまう
弱いこの私を
どうか責めないでほしい
私にだけじゃない優しさが
どうしてこんなにも寂しいんだろう
君の優しさは
誰かをもう傷つけたことのある人の
優しさだったのかもしれない
それでもいつか
この痛みごと
優しさに変えていけたらいい
歩き出す未来に
きっと ちゃんと連れていく
