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急変対応を加速させる薬剤師の連携力 ― 病棟薬剤師×MET薬剤師

院内で突発的に患者さんの容体が悪化したとき、Rapid Response System (RRS) の存在は欠かせません。私の勤務先ではコールが鳴ると同時に、医師・看護師・薬剤師が Medical Emergency Team (MET) を編成し、即座に現場へ駆けつけます。

現場ではまず患者さんのバイタルサインを評価しつつ、病棟スタッフから経過や既往歴を収集します。また、薬歴・化学療法歴 に関する情報収集も必要です。薬剤関連の有害事象は頻度こそ高くないものの、急変の原因として考慮する必要があります。


病棟薬剤師――薬剤師が病棟に常駐している強み

いまや多くの病院で、各病棟に専任の薬剤師が配置されています。
病棟薬剤師は、

  • 服薬指導

  • 処方監査

  • 薬物治療モニタリング

などを日常的に行い、担当患者さんの薬物治療を詳細に把握しています。だからこそ、「急変時に薬の情報をいかに素早く集めるか」 という場面で、このネットワークが威力を発揮します。


実際の急変対応――あるワンシーン

病棟看護師
「今朝から血圧が下がっています」
担当医
「食思不振で入院し、脱水を疑って補液しましたが反応なしです」
MET医師
「エコーを当てます。心機能はやや低下していますが、心電図異常はありません。感染症も否定的ですね」
MET薬剤師
「病棟薬剤師Aさん、この方の薬歴と化学療法歴を教えてください」
病棟薬剤師A
「内服は下剤のみで、点滴は外液を使用中です。1か月前に化学療法〇〇を導入しました」
MET薬剤師
「〇〇は導入初期に心筋炎を起こしやすいと報告があります。循環器にコンサルトしましょうか?」
MET医師
「その可能性は否定できませんね。CCUをコールします」
病棟薬剤師が“その場”で情報を提供することで、鑑別診断の幅が広がり、治療判断を加速できます。


なぜ“今”薬剤師の連携が欠かせないのか

  1. 医療の高度化と多剤併用
    免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など、新規治療の副作用は複雑で多岐にわたります。

  2. 単科対応の限界
    一つの診療科だけで全てをカバーするのはもはや困難。薬剤のプロフェッショナルを含む多職種チームこそ最適解です。

  3. 患者安全への直結
    薬歴情報の即時共有は、有害事象の早期発見・重症化防止につながります。


まとめ

院内急変は一刻を争います。病棟で患者さんと向き合う病棟薬剤師 と、METの一員として駆けつける薬剤師 がネットワークを組めば、診断と治療のスピードは飛躍的に向上します。
薬剤師が“ジェネラリスト”として薬学的視点を共有することは、複雑化する医療現場においてますます重要です。今日もコールが鳴った瞬間、私たちはチームとして患者さんのもとへ走ります。


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