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節分の半分は優しさでできています

節分特別措置法に基づき、
鬼因子反応者には調停前置が義務付けられている。
つまり、審判になる前に“調停”を経なければならない。
私は家庭裁判所から出向し、節分調停委員会の技術補佐を務めていた。
排除ではなく保護を目的とする――それが制度の建前ではある。

今年配布された新型豆の資料には、広報用の標語が添えられていた。
「節分の半分は優しさでできています」
調停委員長は「手続の印象を和らげるためだ」と説明した。

節分当日“反応者”の多くは豆を《積極的に投げた》市民だった。
調停では申立人全員が同じ供述を繰り返す。
「法に従っただけです」
私もその一人だ。

調停はやはり不調に終わり、事件は審判に移行した。
「当該申立人の、豆まきという高圧的手段により
他者を制度的に排除しようとする行為は、
是認し難い心理的適性を有すると認められる」

節分の半分は、確かに国民への優しさでできている
――建前上は。
しかし法は返す刀で、法に最も従順な遂行者を鬼因子として切捨てた。
計略なのか、それとも導きなのか。
                     431字

初投稿です。
イメージが沸いたのでSFショートショートにしてみました。


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