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JJFWS「ルーチンをじっくり見てみよう!」結果報告


1.はじめに

岡田:こんにちは.ジャグリングサークルPassage所属の岡田と,

深津:岡田君のサークルの先輩の深津です.

本noteでは,今年のJJFで行ったWS「ルーチンをじっくり見てみよう!」での結果報告をしたいと思います.


2.WSの目的

WSの到達目標として,「じっくりルーチンをみる経験を積む」を設定しました.

ルーチンをじっくり見て分析する機会はあまり多くありません.また,多人数での意見交換などはさらに少ないように思います.
他者と交流することで他人の考えに触れることができ,ジャグラーとして良い刺激になるのではないかと思いWSを行わせていただきました.

我々としても,普段から2人での意見交換などはしていますが,世の中のジャグラーがルーチンを見るときに何を考えているのか,ルーチンのどこに面白さを感じるているのかなどを知りたいと思い,本WSを企画させていただきました.

結果については,さまざまな面白い意見が得られたので,それに対するコメントなども記述しました.


3.WSの流れ

参加人数は20人ほどで,初心者から上級者まで幅広い層の方々にお集まりいただきました.

WSは次の流れで行いました.

1.ビデオによる模擬審査
2.模擬審査で用いた演技についてのディスカッション
3.自分の感じるルーチンの面白さについてのディスカッション

3.1ビデオによる模擬審査

良い点悪い点どちらも書けるように,歴が1年から2年目のジャグラーの演技動画を対象にして模擬審査を行いました.
こちらの模擬審査に使用した動画は,講師の岡田が高校2年の7月ごろに
発表したルーチンです.

なお,実際のWSでは八幡雄士さんのジュニア時代の演技動画も使用させていただきました.
八幡さんには他にもWSの運営のお手伝い等色々とご協力いただきました.
この場を借りてお礼申し上げます.

本noteでは岡田の演技動画に焦点を当てて展開していきます.

審査員のタスクは次の2つです.

①ルーチンの良かったところを書く
②ルーチンの良くなかったところを書く

これらをポストイット(付箋)に書いてもらい,WSの最後に模造紙に纏めました.

3.2模擬審査で用いた演技についてのディスカッション

模擬審査で記入してもらった意見の内容について,3人のグループでディスカッションを行いました.
ディスカッションのタスクは次の2つです.

①模擬審査で気が付いた各ルーチンの良かったところ,良くなかったところをそれぞれグループ内で発表する
②共有した良い点悪い点をもとに,各ルーチンの改善点について話し合う

3.3自分の感じるルーチンの面白さについてのディスカッション

今までは講師が用意したルーチンについて深掘りを進めていましたが,今度はルーチン全体を対象に,ルーチンのどこに面白さを感じるかについてディスカッションを行いました.


4.模擬審査の結果

4.1岡田Goodポイント

結果は以下のようになりました.

表1.岡田Goodポイント

図1.岡田Goodポイントカテゴリ分け

意見をまとめるために我々でカテゴライズし,ソートしたものが表の右側の部分で,表1のカテゴリ分けを円グラフにしたものが図1です.

※一番に目に入るであろう「構成」と「演出」についてですが,これらはいわゆる「演技構成」をミクロスケールとマクロスケール,または芸術性と合理性でおおまかに分けたものです.
なお,演技構成はルーチンにおける芸術性を担保しており,様々な要素が混然一体となったものであると考えています.
したがって,分類分けすることで何かしらの情報が失われている可能性があることにご注意ください.

ここで,我々が用意したカテゴリはあくまで似た意見でまとめるために用意したものであり一般性に欠けるため,実際の競技会での審査基準だとしたらどこに振り分けられるのかを調べます.

ジャグリングの大会における審査基準の代表として,JJFCSの5つの審査基準に再カテゴライズしました.

JJFCS審査要綱:https://www.juggling.jp/jjf/jjfcs_guideline2024.pdf

表2.岡田GoodポイントのCS再カテゴライズ

図2.岡田Goodポイント(CSカテゴライズ)

図2からわかるように,構成に関して言及している意見が半分以上でした
次いで割合が高いのが難易度で,完成度,エンタテインメント性,希少性については低い割合となっています.


岡田:僕の高校の部活が一切演技についての指導がない緩い部活であったのと,そもそも大して演技について考えていなかったので当時の自分には観客意識はほとんどなく,エンタテインメント性の割合が低いのは妥当ですね.

深津:希少性が低いのはジュニアだから当然だとしても,完成度についてはもうちょっとだなって思っている人が多そうだね.


4.2岡田Badポイント

結果は以下のようになりました.

表3.岡田Badポイント

図3.岡田Badポイント

Goodと同様にCS審査要綱で再カテゴライズしました.

表4.岡田BadポイントのCSカテゴライズ

図4.岡田Badポイント(CSカテゴライズ)

岡田:なかなか手厳しい意見が多くて面白いですね.高校生の頃の自分に見せてみたいです.深津さんは何か気になるところありましたか?

深津:Good以上に構成についての意見が多くて,CSカテゴライズでは8割を超えてるのは興味深いね.

岡田:難易度に関しての意見がゼロだったのも個人的に面白いです.その理由として1番に考えられるのは,ジュニアの動画だからでしょう.技について色々と言及してもしょうがないですし.
あと,普段審査員をしている自分としては,難易度は相対的に見るものなので,サンプル数の少なさから言及がゼロだったと考えました.

深津:ぽへぇ


4.3岡田改善案

結果は以下のようになりました.

表5.岡田改善案


深津:ほかのルーチンにも当てはめられそうな意見が見られるね.

岡田:マイナスを0にするためのアドバイスは他のルーチンでも当てはまる部分があると思います.

深津:逆に0からプラスにするためのアドバイスは,アドバイスする人それぞれの目指すところが違うから,提案者によって千差万別になりそう.


5.ルーチンの面白さの結果

結果は以下のようになりました.

表6.ルーチンのどこに面白さを感じるか

複数のカテゴリに跨っている意見が見られたので,頻出順に分類するためにそれらを分割し,ソートしたものが以下の表です.

表7.ルーチンの面白さカテゴリと,CS再カテゴライズ

表7のルーチンの面白さカテゴリの円グラフが以下の図です.なお,数が1つのものはその他として分類してます.

図5.ルーチンのどこに面白さを感じるかのカテゴリ

次に,表7のCS再カテゴライズをソートしたものが以下の表と図です.

表8.ルーチンの面白さについてのCS再カテゴライズ

図6.ルーチンの面白さについてのCS再カテゴライズ


6.ルーチンの面白さについての考察

6.1キャラクター性

深津:キャラクター性ってなに!?

岡田:このカテゴリが一番多かったのにはびっくりしました.図5からわかるように15%を占めています.
表9を見てみると,キャラクター性への意見として,「技の系統・火力,動き方」などの言及があることがわかります.
この意見から推察するに,技の系統・火力=難易度,動き方=体使い=構成と分類でき,「キャラクター性」は複数の要素にまたがった存在とみて間違いなさそうです.

表9.キャラクター性抜粋

深津:他の意見では,「表情管理がうまいといったアイデンティティの部分」などと言及されていて,ジャグリング以外の技術や,いわゆる希少性などにも影響していることがわかるね.

岡田:つまり,「キャラクター性」とはルーチンの良さを語るうえで,複数の要素を一気に凝縮して表現できるものであり,その裾野の広さから,カテゴライズしたときに最も数が多かったのではないかと考察できますね.

深津:ジャグラーの良さを表現するのに便利な言葉だね.


6.2気になった意見

深津:それぞれ気になった意見をいくつかピックアップしていこう.

岡田:僕が気になった意見は「技の一貫性がある→その人の個性を感じられる」というものです.
普段ネット上で一貫性というワードはよく見られます.この技をここに入れることで一貫性が生まれて…みたいな.
僕個人としては,一貫性を付与することでどのようにルーチンが良くなるかまで考えられているとより素敵だなと考えていて,この意見では「その人の個性が感じられる」とあり,面白いなと感じました.

さらに,個性はキャラクター性に繋がっていると考えられ,一貫性を探ることでキャラクター性への理解も深まるのではないかと考えました.

深津:私は「余裕のある演技(表情・安定感)」という意見にとても共感できる.簡単な技を余裕たっぷりに行うことでさえ凄く難しいと思っているし,難しい技を余裕を残しながら行うのはめちゃくちゃカッコいいと思う.


6.3CS要綱について

JJFCS構成
演技の流れ、ステージの演出、⾳楽との調和、⾐装やキャラクター、使う道具やセット、全体的な芸術性などにより総合的に評価する。ジャグリング以外の技術もそれが全体的な演出を引き⽴てるものであれば評価の対象となる。

https://www.juggling.jp/jjf/jjfcs_guideline2024.pdf

構成について,ほとんどの競技会では,上記の通り「などにより総合的に評価する…」と含みを持たせる書き方なはずです.

この節ではCS要綱に書いてある,「構成として評価される要素の例」を抜き出して,WSでのカテゴリがどの要素に分類されるか,CS要綱には記載されていない,省略された新たな要素はないかなどを調べて,「構成」と呼ばれるものを深堀してみます.
CS要綱に記載されている要素を以下のように列挙しました.

演技の流れ
ステージの演出
音楽との調和
衣装やキャラクター
使う道具やセット
全体的な芸術性
ジャグリング以外の技術

上記の要素をもとにWSで使用した構成カテゴリの意見を振り分けたのが以下の表です.

表10.WSで出てきた構成カテゴリのCS要綱再カテゴライズ

上記の表をもとに,CS要綱に記載されている,構成として評価される要素の例以外の新たな意見を下にまとめました.

表11.CS要綱に記載されている構成として評価される要素以外の新たな意見

表11から,要綱には書かれていない構成として評価されうるものがわかりました.


深津:一貫性と多彩性が新要素として挙がったけど,対になっている要素なのは興味深いね.

岡田:新要素として抜き出しましたが,演技の流れの中に分類されるかもしれませんね.
(ちなみに分類しなかった理由は,参加者が一貫性と多彩性について言及している場合,ほとんど技に矛先が向いていたからです.)

7.おわりに

多人数でのルーチンについての意見交換会は初めてだったので,不慣れな部分もありましたが,とても楽しかったです.
参加していただいた皆様本当にありがとうございました.

最後に宣伝です.

2025年5月5日に「ジャグLOVEる」というジャグリングイベントを東京の南大沢にて開催予定です.
このイベントは本WSにご協力いただいた八幡さんが中心となって企画されているイベントであり,岡田や深津も協力しております.ぜひ公式Xをチェックしてください!




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