久々に勤めた病院は奇妙な職場だった〜‼️終わり良ければ全てよし!と言うことに致しましょう😉
最終話 アミコの目に焼き付いたもの
「9年間、お疲れ様でした!」
朝から、顔を合わせるスタッフたちが、思い思いの言葉で私に別れの挨拶をしてくれた。
昼休み、セッカチさんに呼ばれ診察室に入ると、受付と看護のメンバーが勢揃いしていた。
私のために、最後の挨拶をしようと集まってくれていたのだ。
思いがけない出来事に、胸がいっぱいになる。
「アミコさんが辞めたら、私を守ってくれる人がいなくなっちゃいます……」
不安そうに肩を震わせるノンビリさん。その姿を見て、彼女を受付に誘った日を思い出し、切なさがこみ上げる。
「アミコさんがいなきゃ、私……やっていけない……」
涙で顔を歪めるヤンキーさん。
彼女に退職のことを伝えた時、「一緒に辞める」と興奮していたのを、私は説得して引き留めたのだった。
「お疲れ様でした」
休みの日にも関わらず、わざわざ私のために駆けつけてくれたキニシヤさん。
彼女は私が受付とリハ助手を兼任していた時からの仲間で、サワヤカさんとの一件など、色々な場面が脳裏に浮かぶ。
彼女がいち早く、土日の出勤を快く引き受けてくれたおかげで、他のメンバーも続きやすくなった。
その行動が、退職の道をスムーズにしてくれたのだ。
「アミコさんから、もっといろいろ教わりたかった」
そう甘えるように言う彼女の姿が、今はとても愛おしい。
ふと視線を移すと、壁際にぽつんと立つシズカさんが目に入った。
私はそっと近づき、声をかけた。
「色々ありがとうね。シズカさんには本当に感謝してる」
「私、アミコさんの頑張りをずっと見てきたから……尊重します。
でも、本当は辞めてほしくない。止めたい気持ちはあるのよ」
そう言って笑顔で見せたシズカさん。
彼女が、かつて興奮して「辞めないで」と言ってくれたあの言葉が胸に残る。
今日は、自分が見送られる番。
これまでの9年間が、走馬灯のように思い出される。
「9年間、本当にお疲れ様でした」
色紙とプレゼントを受け取った瞬間、堪えていた涙があふれ出た。
業務が終わり、片づけをしていると、セッカチさんがそっと私に手紙とお揃いのコーヒーカップを差し出した。
「私からの気持ちです」
誰もいないところで、そっと渡されたその手紙には、こう書かれていた。
「アミコさんと一緒に仕事ができた5年間、私は毎日がとても楽しかったです。ありがとうございました。」
……セッカチさんには辛い思いもさせられたけれど、彼女なりに、私との関係を大切に思ってくれていたのかもしれない。
そして、私の前を何も言わずに素通りしようとする人がいた。
—— 院長だ。
ちょっと待った!
さすがにそれはないでしょう。
この1か月ずっと避けられていたことには気づいていたけれど、最後までその態度?
私は急いで追いかけた。
「本日まで、大変お世話になりました」
深々と頭を下げて、お礼の菓子折りを差し出す。
「……あっ、今日が最後だったっけ?」
鼻で笑いながら去っていく院長。
あまりにも冷たく、あまりにも情けない背中。
でも、もういい。
これで本当にお別れだ。
冷たく去っていくその後ろ姿だけが、私の脳裏に焼き付き、きっとずっと残るのだろう。
でも——
私は自由になった。
そして、ようやく、自分の道を歩き始めることができる。
家族が待つ家へと向かう道は、思った以上にあたたかかった。
あとがき
この体験談を書き始めたきっかけは、「自分の9年間の記録を残したい」という素朴な気持ちでした。
けれど書き進めるうちに、
「これ、病院に限らず、他の職場でも“あるある”なんじゃないか」
「誰かにとって共感や励ましになるかもしれない」
そんなふうに思うようになりました。
少しでも誰かの背中を押せたなら、これ以上の喜びはありません。
※なお、この物語はあくまで私の記憶を辿ったものであり、すべてが正確とは限りません。
“こんな職場もあるんだなぁ”と、笑って読み流していただけたら幸いです。
そして最後に。
アコガレクリニックには、穏やかで素敵なスタッフがたくさんいました。
人間関係に恵まれていたからこそ、私は9年間もこの職場に勤めることができたのです。
そんなスタッフたちに甘えきっていた院長。
……さて、今後どうなるのかは、私の知るところではありません。
最後の独り言
「江戸の敵を長崎で討つ」-人の行いは、いつか必ず自分に返ってくる。
言葉や行動には、ちゃんと責任を持ちたいものです。
そして私は思うのです。
いつか人生の最終章を迎えるとき、胸を張ってこう言えるように。
「私、後悔なんてひとつもないよ」
完
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ここまで読んで笑ってくれたあなたに、心からありがとう!
「続きも書けよ〜!」と思っていただけたら、チップでツッコミを飛ばしてもらえると、ますます元気にキーボード叩けます(笑)