発達障害の検査(WAIS-IV)を受ける前に知ってほしい「聞こえてるのに聞き取れない」症状の落とし穴~聴覚情報処理障害(APD/LiD)が検査結果に影響するかもしれない話~
「聞こえるけど、聞き取れない」って、どういうこと?
先日、AbemaTV(アベプラ)で「聞こえるけど、聞き取れず『LiD』当事者の生きづらさ」という番組を見ました。
番組の中で紹介されていたのは、音はちゃんと耳に届いているのに「言葉として意味が入ってこない」状態。専門的には 聞き取り困難症(LiD) というそうです。同じ症状を表す言葉として、聴覚情報処理障害(APD)も使われるといわれています。
…もうね、私、そのまんまでした。
「それ私やん!」とテレビに向かってツッコミを入れながら、思わずソファから前のめりになって見ていました。
私が「その症状」に気づいたのは、ずっと後だった
実は私、通院しているクリニックからの紹介で大きな病院を受診し、発達障害(ASD)の診断を受けました。その際に行われたのが「WAIS-IV知能検査」でした。
これが、いろんな能力を見てくれるしっかりした検査で、数時間かけてじっくり測ってもらったのですが……
結果を見て「ん?」となりました。
特に「言語理解」の部分のスコアが、自分で思っていたよりかなり低かったのです。
でも、実際の生活ではそこまで困っていない。
むしろ、文章を読んだり書いたり、論理的に考えることは得意なほうです。(とはいっても文系よりは理系の方が得意ですが…)
WAIS検査、まさかの「耳からの罠」
WAIS-IVの検査には、口頭で質問されて、口頭で答えるパートがあります。で、これがめちゃくちゃ困ったんです。問題自体は難しくない。
でも、
「何を言ってるのか、聞こえてるのにわからない」
問題文が音声としては耳に届いてるのに、言語内容が頭に届かない。
「聞き返すのはダメかな…」とか
「もう一回言ってくれたら答えられるのに…」とか
「これ、紙に書いてあったら余裕なのに…」とか
頭の中でモヤモヤしながら、答えが出ないまま時間が過ぎていきました。
後で知ったんです。
私、この「聴覚情報処理障害(APD / LiD)」の症状を持っていました。でも、そのときは知りませんでした。
「知的障害ですか?」と、私は医師に聞いた
知能検査で、あまりにも簡単な問題さえ答えられなかったので、私はクリニックの主治医にこう聞きました。
私:「私は、知的障害なのでしょうか?」
真面目に、真剣に、心から不安だったからです。
でも先生は、
先生:「あなたが書いてくれたメモや文章、いつもの診察での話し方を見ている限り、その可能性は極めて低いと思います」
と言ってくれました。
そういえば、文字でのやりとりでは私はちゃんと理解できている。
問題は「音」だったんです。
あの「聞こえるけど、聞き取れない」が問題でした。
「音の世界」で評価されることの難しさ
以下の内容は、あくまで私個人の感想ですので、そのつもりでお読みください。
「WAIS-IV知能検査」のような検査を受けるとき、「聞こえるけど、聞き取れない」 という特性を持っている人は、本来の能力よりも低く評価される可能性があります。(※1)
検査自体が悪いわけではありません。
むしろよくできている検査です。
でも、「音声ベース」で進行する部分がある以上、「聴覚処理」に困難を感じている人には不利になる可能性がある。(※1)
これは、当事者として大きな学びでした。
(※1)あくまでも当事者とクリニックの主治医との個人的なやり取りに基づく内容であり、専門的な根拠があるわけではありません。
これからWAIS-IV知能検査を受ける方へ伝えたいこと
もし、これからWAIS-IV知能検査を受ける予定がある方、もしくはお子さんなどが受ける予定がある方がいたら……
ぜひ一度、以下のことを確認してみてください。
✅ 音は聞こえているのに、内容が頭に入ってこないことはないか?
✅ 話し声が重なると、聞き分けが難しくないか?
✅ 集中しても緊張していると、相手の話が入ってこないことは?
もし少しでも思い当たることがあれば、検査前に「聴覚処理に問題がないか」など、調べること をおすすめします。
凹があっても、凸がある
私は、WAIS-IV知能検査の中で 「ものすごく低い項目」と「やたらと高い項目」が混在している、いわゆる「凸凹」タイプでした。
そして結果をどう捉えたらいいのか、とても難しかったです。
でも、主治医はこう言ってくれました。
「凹の部分は凸で補っていける。あなたはそれを自然にやっている」
試験は全文暗記が普通だと思ってた
ちょっと話がそれますが、私の学生時代の勉強法ってかなり偏ってました。試験前には、暗記で対応できる科目であれば、教科書の50ページでも100ページでも全文「丸暗記」
周囲が「まとめノート」なんて洒落たものを作る中、私は教科書そのまんまをインプット。
これ、今考えると私の凸の部分で「記憶優位型の認知特性」だったのかも知れません。これで高得点取れてたので、「聞き取れない自分」がいることに気づきませんでした。
さいごに
検査結果はあくまで「知るためのツール」であり、その人のすべてを決めるものではありません。
自分の得意・不得意や特性を、ひとつずつ丁寧に知っていくこと。
それが、検査よりもずっと大切な「自分らしく生きるための第一歩」だと、私は思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

#発達障害 #ASD #聴覚情報処理障害 #APD #WAIS検査 #知能検査 #発達障害検査 #注意喚起 #凸凹 #二次障害予防 #発達障害当事者 #検査体験談
いいなと思ったら応援しよう!
いただいたチップは、みなさんへのチップや有料記事の購入などで、読者や他のクリエイターさんへの応援に使わせていただきます。