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13ページ目|家づくりの予算オーバーと気持ちの折り合い


高級輸入家具cassinaのショールーム
家の予算がオーバーして、欲しかった家具が買えなくなるなんてことも…

家づくりの計画は、夢がふくらむ一方で、
予算の壁にぶつかって気持ちが揺れることもあります。
今回は、そんな「予算オーバー」とどう向き合うのか、
インテリアデザイナーとしての経験からお話しします。



家づくりって大変な事ですよね。

チハル
そうなんです。
特に “予算” は、多くの方が
一度は頭を悩ませるところだと思います。

私、何十年と多くの家づくりに携わってきましたが、
「予算が余りました」という方には、
まだ一度も出会ったことがありません。

わかりやすく、住宅メーカーにいた頃の
お話なんかも交えてお話ししてみますね。

ご予算が 5,000 万円の方のご要望を伺って、
営業や設計士がなんとか予算内で叶えようとしても、
どうしても 5,500 万円くらいになってしまって。

お客様は苦渋の削減を重ねて 5,200 万円で契約されます。
そして「あぁ、1億あったら全部叶うのになぁ」とつぶやかれます。

1億の予算の方のお見積もりは1億2千万になり、
「3億円の宝くじが当たったらなぁ」と呟かれます。

そして、3億の予算の方のお見積もりは4億近くになる…。


いくらあっても足りないじゃないですか。

チハル
そうなんです。
でも、理由はなんとなく分かる気がしてます。

人って、
“頑張れば手が届きそうな少し上のグレード” を
求めるんですよね。

それはそうですよね。
家族ともっと豊かに暮らしたいと思うから
家を建てようと思うわけですから…。

マンションリノベにて円形の折上げ天井の実例
手間のかかる施工は費用がかさみます

でもマンションや建売のように
定価があるものは分かりやすいのですが、
注文住宅とか、リノベーションは
普段買い慣れないものなので、
予測が難しいんですよね。


でも、作る人はだいたい分かるんじゃないんですか?

チハル
ざっくりは分かります。
でも、ご要望を丁寧にお伺いした以上、
その夢をなんとか叶えて差し上げたいと思うのが、
作り手の性なんです。

なので、初回見積もりの提示は、
提示する側も受け取る側も、
緊張が走る瞬間です。

そして…もしもお客様が落ち込んだときには、
こうお伝えするようにしていました。

「予算を削る作業は、とてもつらいことです。
私たちにとっても決して楽しい作業ではありません。
でも、誰もが一度は通る道です。
一緒に乗り越えていきましょう。」と…

ただ、つらい気持ちに寄り添いつつも、
私たちは お客様とは違う“視点” でのぞみます。

ご家族は、お風呂は譲れない、
キッチンも譲れない、
しょうがないから素材は下げてもいいけど
それだけじゃ埋め合わせできないし・・・と
蟻の目で一生懸命に見積もりと向き合われます。

考えてもなかなか出せない答えに煮詰まって
精神的に疲れてしまうんです。

そういう時、私たちは、
全体を俯瞰して “優先順位” を整理します。

キッチンの壁にタイルを貼った実例
オリジナリティーが感じられる空間に

例えば、
「ダイニングをカフェのようにしたい、
という当初の夢は、
絶対に叶えましょう。
その代わり、二階の個室はシンプルにしておくので
あとから育てていってくださいね。」とか。

いわゆる “選択と集中” です。

全体を薄く削るより、
一つでも “夢が叶った実感” がある方が、
完成したときの感動は大きいんです。

そして、予算については、
もうひとつ特徴があります。

最初にお客様が決める予算は、
“限界” ではなく、
“このくらいでできたらいいな” という
少し余裕を残した希望的な金額であることが多いんです。

だから、5,000 万と言っていても、
最終的に 5,300 万くらいに落ち着くことは珍しくありません。
もちろん、そこには相当なやりくりも
あったことと思いますが…。
人はやっぱり “少し余裕を持っていたい” ものなんですよね。
それが心の余裕になるからだと思います。

輸入の壁紙を貼った実例
ちょっとしたことで満足度が高まります。

ただ、家づくりに関しては、
余裕があるなら叶えたほうが、
後々の後悔が少ないこともありそうです。

“やればできたのに、やらなかった後悔” です。
それは暮らしの中に意外と長く残るからです。

そして、これもよくあったお話ですが、
普段は冷静にアドバイスしている営業や設計士が、
自分の家を建てるとなると、
途端に迷走することがありました。

「あー、もうどうしたらいいか分からないっ…」
って完全にお客様状態になっちゃうんです。

プロでもそうなるんです。
身内だからこそ意見がまとめにくかったり、
失敗したくないっていう気持ちが
思考をスタックさせてしまうんですよね。


欲が出てしまうってこともありますよね。

チハル
そう、人間ですからね。

皆さんの中にも、
今まさにそんな気持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんなときは、
少し肩の力を抜いて、
こう、ご自分に問いかけてみるといいと思います。

「そもそも、この家を建てる目的は何だったんだろう?」
「自分たちは、どんな暮らしがしたかったんだろう?」って。

そんな原点に戻ると、
「あ、別にこれがなくても、十分いい家になりそうだよね」って、
案外あっさり取捨選択できたりするかもしれません。

おしゃれなクローゼットにも憧れます。
でも日常生活の中で、こんなに綺麗に収納しておくのは難しそうです


その原点とは、
“コンセプト” のことですね。

チハル
はい、そのご家族だけの、暮らしのコンセプトです。

コンセプトと言うと大げさに聞こえますが、
実はとてもシンプルなものです。

• 子どもと一緒に料理を楽しめる家
• バーのような気分で家呑みを楽しめる家
• ペットと快適に過ごせる家

そんな “その家族にとってのささやかな幸せ” こそが、
大切なコンセプトだと思います。

なので、家づくりの初期段階から、
コンセプトを言葉にしたり、紙に書き出してみて、
ご家族や作り手の方々と共有しておくことをお勧めします。
心の折り合いが、つけやすくなると思います。


せっかくの家づくり。
プロセスも楽しんでほしいですしね。

チハル
はい。あとから振り返ると、
その時間も “家族の歴史の1ページ” になるのですから。

あなたの家づくりが、大事なコンセプトからブレることなく、
あなたらしい選択で満たされることを祈っています。


で、次回は?

チハル
インテリアと、環境、そして平和について、
考えてみようかなと思っています。

今回も最後までお付き合いくださり、
ありがとうございました。



※このnoteは、ポッドキャストの会話から
抜粋・編集してお届けしています。
音声では、もう少し詳しくお話ししています。
よろしかったら、合わせてお楽しみください。
下記を押すだけで無料でお聞きいただけます。

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素敵なお庭が作れたなら、おしゃれなガーデンファニチャーも
置きたくなってしまいます(Minottiショールーム)



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