地方には「何もない」のか?子育てを通じて気づいた、その先にあるもの
「地方には何もないから子育てには向いてない」
鳥取にIターンして数年、地元の人からも県外の友人からも聞こえてくるのは、この言葉です。
わたしが関東のベッドタウンで育ったのは、商業施設も学習塾も、そして同年代の子どもも溢れかえるような環境。「子育てなら都市部が最適」という考え方は、ごく自然なものだと思っていました。
でも、鳥取で子育てをしてみて、「実は地方での子育ても結構いいかも」と思い始めているところです。
ちなみに、我が家の週末の定番スポットは、噴水のある公園。子どもを連れて行くと、大人数の子どもたちが自由に遊んでいます。広さも、雰囲気も、まさに「ちょうどいい」。周りは芝生で、子どもも親もリラックスしている。そして驚くのが、入場料は無料です。
子どもの医療費も無料。出産費用も安い。待機児童なし。田植え体験、泥んこ遊び、畑での収穫体験など、豊かな自然を活用したこども園での充実した活動。そんな「普通の日常」が、実現しています。
子どもの成長に必要な「3つ」
『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』(著者:星 友啓)によれば、人間のやる気の根本にある「心の三大欲求」という考え方があります。
それは、人とのつながり、自分ができるという感覚、そして自分が決めたという感覚。
この3つが満たされると、子どもは自発的に学び、探求し、成長していくとのこと。
現代の子育ては、どうしても「外からの報酬」に頼りがちになります。塾の成績、学習アプリでのポイント、親からの褒め言葉。もちろん全部が悪いわけじゃありません。でも、それに頼り続けると、子どもは「褒められるからやる」という外発的なやる気になってしまう。
一方、地方暮らしではどうか。
子どもが興味を持ったことに、親の都合で「ダメ」と制限することが少なくなります。庭に虫がいたら、そのまま観察できます。川で遊びたいなら、子どもと一緒に計画を立てて行ける。図書館も充実していて、学ぶ環境も整っています。
つまり、地方暮らしは、子どもの「心の三大欲求」を自然に満たせる環境なのではないかと、最近感じています。
大人の心にも届くもの
わたし自身、大学時代はうつ病を経験しました。高校時代も不安が大きかった。敏感な性質なのか、都市部の人混みと刺激の中では、心が休まることがありませんでした。
そんなわたしが鳥取で見つけたのは、五感で感じる自然です。
散歩に出ると、豊かな自然、風の音、川の流れる音、鳥の鳴き声、やさしい太陽の光、土の匂い。これらが、心を洗ってくれるんです。深呼吸しながら歩くと、体の奥から落ち着きが戻ってくる。
親の心が整っていることは、子育ての質にも大きく影響します。親が落ち着いていれば、子どもも落ち着く。親が焦っていなければ、子どもも自分のペースで成長できる。
この好循環が、地方暮らしには自然にある、というのがわたしの実感です。
わたしが見た鳥取の魅力
東京のベッドタウン出身のわたしだからこそ、見えることがあります。
「子育てに必要なもの」は、商業施設でも学習教材でもなく、心と体を育てる環境なのかもしれない。いま現在進行形で進んでいるので、「結論」が出ているわけではありませんが、ただ私は鳥取での子育てにいまのところ「ありがたい環境」だとひしひしと実感しているのです。
都市部での子育ても、もちろん素晴らしいと思います。でも、もし「地方は子育てに不向き」と思っているなら、ぜひ一度、地方での子育てを想像してみてください。
無料で遊べる公園、安心できる人間関係、子どもの医療費が無料の制度、そして自然に触れる毎日。
その先にあるのは、子どもも親も心が満たされる、違う形の豊かさです。
地方暮らしは、決して「足りないこと」ではなく、人とのつながり、自分ができるという感覚、そして自分が決めたという感覚を満たせる暮らし方の一つだと感じています。
なお、当記事で参照した書籍はこちらです↓↓
