「その人が休むと止まる仕事」を、最初の90分で見える化する
〜9月1日 20:30
引き継ぎ資料が機能しない会社のための、作業・判断・例外の棚卸し実務【Excelワークブック付き】
業務一覧はある。
操作マニュアルもある。
共有フォルダにも保存されている。
それでも、担当者が休むと仕事が止まる。
後任者や副担当者は、手順書を見ながら通常の操作までは進められます。
しかし、少し条件の違う案件が出た瞬間に、元の担当者へ連絡します。
「この場合は、どちらで処理しますか」
「どこまで自分で判断してよいですか」
「誰に確認すればよいですか」
「ここまで終われば、完了という理解で合っていますか」
こうした状態になるのは、引き継ぎ資料が存在しないからとは限りません。
むしろ、資料自体はきちんと作られていることもあります。
それでも仕事が止まるのは、資料に書かれているのが、主に画面の操作方法や通常時の手順だからです。
一方で、担当者が日常的に行っていた、
何を見て正しいと判断しているか
どの案件を例外として扱うか
自分で決めてよい範囲はどこまでか
どの段階で上司や関係部署へ相談するか
何を記録として残すか
どの状態になれば業務完了なのか
といった情報は、担当者の頭の中に残っています。
引き継がれているのは「作業」であり、仕事を最後まで回すために必要な「判断」と「例外対応」が引き継がれていないのです。
「担当業務をすべて書いてください」では、属人化は見つからない
属人化を解消しようとすると、最初に担当者へ業務一覧の作成を依頼することがあります。
しかし、
担当している業務を、すべて書き出してください。
と伝えるだけでは、十分な棚卸しになりません。
人は、自分が行っている仕事を一度ですべて思い出せるわけではないからです。
毎日行っている仕事は書けても、月末だけの処理、年に一度の更新、トラブルが発生したときの対応は漏れます。
また、経験を積んだ担当者ほど、日常的に行っている判断を「業務」だと思っていないことがあります。
「見れば分かります」
「この顧客だけは別です」
「念のため、先に上司へ伝えています」
「通常はこの方法ですが、急ぎの場合は変えています」
このような言葉の中に、属人化の原因が隠れています。
必要なのは、業務名を並べることではありません。
一つの仕事を、次の3つに分けて整理することです。
決められた方法で進められる「作業」
条件によって対応を変える「判断」
通常の手順では処理できない「例外」
操作方法だけではなく、判断基準と例外時の動きまで整理して、初めて「別の人でも完了できる仕事」になります。
まず、5つだけ確認してください
次のうち、一つでも当てはまるものがあるでしょうか。
担当者が休むと、復帰するまで保留になる仕事がある
マニュアルを読んでも、どの条件で対応を変えるか分からない
例外案件が、いつも同じ担当者へ集まる
副担当者は決まっているが、実際にその仕事をしたことがない
業務がどの状態になれば完了なのか、関係者の認識が違う
一つでも当てはまる場合、問題は単なるマニュアル不足ではありません。
業務の入口、判断、例外、出口が、会社の仕組みとして十分に定義されていない可能性があります。
本記事で完成させるもの
本記事では、最初の90分で、次の状態まで進めます。
担当者が不在になると止まる業務を一覧化する
業務を作業・判断・例外に分ける
属人化リスクを点数化し、優先順位を付ける
最初に対応する3業務を決める
主担当・副担当・相談先を整理する
引き継ぎテストの日程を決める
今後30日間の改善計画を作る
会社全体の属人化を、90分で完全に解消するものではありません。
90分で行うのは、危険な仕事を見えるようにして、何から手を付けるかを決めることです。
「何となく、あの人が休むと危ない」という状態から、
この3業務について、誰が、いつまでに、何を確認する。
という状態へ進めます。
このような方に向いています
部下や担当者の退職・異動・休職に備えたい管理職
総務、人事、経理、情報システム、事業管理などの責任者
業務棚卸しや引き継ぎを任された実務担当者
特定の社員へ問い合わせや判断が集中している会社の経営者
業務の標準化・自動化・AI活用を進めたい方
反対に、すでにすべての業務について、責任者、判断基準、例外対応、代替者が定義され、定期的な引き継ぎテストまで実施できている会社には、必要性が低い内容です。
私がこのテーマを扱う理由
私は、数百人規模の組織における管理業務、社内システム、申請フローの再設計と、地方企業の経営・現場運営の双方に関わってきました。
そこで繰り返し見てきたのは、マニュアルがないことだけが属人化の原因ではない、ということです。
担当者不在で処理が止まる。
判断や例外対応が、一人へ集中する。
引き継ぎ資料を作っても、後任者が一人では完了できない。
日常業務は引き継げても、月末・年次・トラブル時の仕事が漏れる。
こうした問題は、企業規模や業種が違っても発生します。
本記事で扱う事例は、実在の会社や個人を特定できないよう、複数の経験を組み合わせて一般化しています。
本記事で重視しているのは、きれいな業務一覧や長いマニュアルを作ることではありません。
主担当者が手を出さなくても、別の人が仕事を最後まで完了できる状態を作ることです。
そのため、業務の洗い出しだけで終わらず、作業・判断・例外の分解、リスクの優先順位付け、引き継ぎテスト、30日間の改善計画までを、一つの流れとして整理しています。
机上の業務整理ではなく、実際に現場で回る状態まで進めることを目的としています。
付属するExcelワークブック
購入者向けに、次の6つの作業シートを収録したExcelワークブックを用意しました。
90分の進め方
業務棚卸し
属人化リスク診断
作業・判断・例外の分解
引き継ぎテスト
30日改善計画
このほかに、入力候補を管理する「設定」シートがあります。
設定シートは通常非表示・保護済みのため、普段の利用時に操作する必要はありません。
ワークブックには、次の機能を設定しています。
入力候補のプルダウン
入力ミスを防ぐ入力規則
属人化リスクの自動計算
高・中・低リスクの色分け
引き継ぎテスト結果の自動判定
期限超過の警告表示
数式セルの誤上書き防止
見出し固定とフィルター
空欄版に加えて、次の3業務を題材にした記入例版も付属します。
月次請求の確定・請求書発行
入社者のアカウント・端末準備
店舗設備の故障時一次対応
記入例の日付と期限は、ファイルを開いた日を基準に表示されます。
記事を読みながら該当シートへ入力すれば、自社の業務を実際に整理できる構成です。


記事とワークブックをセットで使えます
本記事は、文章を読んで終わるだけの解説記事ではありません。
購入後すぐに使える空欄版と、入力方法が分かる記入例版のExcelワークブックが付属します。
記事の手順とExcelの入力項目を対応させているため、別途フォーマットを作る必要はありません。
まずは一人の担当者、または一つの部署を対象に、10~30件の業務から始めます。
「何となく、あの人が休むと危ない」という状態から、優先して改善する3業務と、今後30日間の対応が決まっている状態へ進めます。
ここから先では、付属ワークブックを使いながら、最初の90分をどのように進めるかを具体的に解説します。
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8月2日 20:30 〜 9月1日 20:30
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