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​🌸『カレンブーケドールは、あの日見た雲に恋をする』🌸 第16話

​🌸 第16話:『禁断の事実!私たち、お父様が一緒……? ―血脈の罠、悶える黄金の花束―』 🌸

​「……ふふ、ふふふふふ! 泥まみれの激闘(京都記念)は終わったわスタッフさん。今の私は、次なる決戦に向けて知性を研ぎ澄ます『図書室の麗しき賢者』なのよ!🌹✨」

​京都の泥濘を洗い流し、再び一筋の曇りもない黄金の毛並みを取り戻した私は、学園の奥深くにある聖域――資料図書室にいました。

目的はただ一つ。王子様(コントレイル様)の輝かしい家系図を隅々まで解読し、私との「将来の完璧なる配合シミュレーション」を勝手に作成して、独りでエヘエヘと笑うためです。

​「(……王子様のお父様は、伝説の三冠馬、空を飛ぶ英雄ディープインパクト様。そして、その血を継ぐ私との間に生まれるのは……きゃっ! あまりにも尊すぎて、私の心拍数がレコードタイムを叩き出しそうだわ!)」

​私は震える蹄で、学園に一冊しかない重厚な革張りの書物『世界競馬・至高の血脈大鑑』を開きました。

そこには、日本の競馬史を塗り替え、今や世界の至宝となった偉大なる父、ディープインパクト様の功績が、金文字で刻まれていました。

​「(……あら? 王子様のお名前はここにあるわね。……ええと、次は私のページを……)」

​ページをめくる音が、静まり返った室内でやけに大きく響きます。

自分の父、そして母ソラリアの系譜を誇らしげに確認しようとした、その時でした。

私の視界が、ある一行のインクに吸い込まれるようにして凍りつきました。

父:ディープインパクト(Deep Impact)

娘:カレンブーケドール(Curren Bouquet d'Or)

​「………………え?」

​時が、物理的に止まりました。

窓から差し込む午後の光の中で踊る埃(ほこり)すら、今の私には止まった弾丸のように見えます。

私は何度も、何度も目を擦りました。本を一度閉じ、深呼吸をしてから、祈るような気持ちでもう一度開き直しました。

けれど、そこに刻まれた漆黒の文字は、無情にも、残酷なまでに変わることはありません。

​「……う、……嘘よ。嘘だわ。これはきっと、学園の印刷ミスか何かに決まってるわぁぁぁぁぁ!!😱💦」

(――BGMが、穏やかな図書室の環境音から、一瞬で昼ドラのクライマックスのような激しいストリングスの旋律へ!) 🎻🌪️💔

​「ど、どういうことなの!? 王子様のお父様はディープ様……私の、私のお父様もディープ様……。っていうことは……っていうことは……!!」

​私はガタガタと震え、膝から床に崩れ落ちながら、人類史上最も残酷な「禁断の結論」を絶叫しました。

​「……私たち……お父様が一緒の……**異母兄妹(いぼきょうだい)**じゃないのぉぉぉぉぉぉ!!😭😭💔」

​衝撃。まさに、全宇宙の論理がひっくり返るような絶望。

愛してやまない、私の王子様。黄金の馬車に乗って私を迎えに来てくれるはずの、唯一無二の運命の人。

その人と私は、同じ「英雄の血」を分かち合った、決して結ばれてはならない、近すぎる存在だった……。

​「……ああ、神様! なんて過酷な悪戯をなさるの! 愛しているのに、あんなに焦がれているのに、私たちは同じ血脈という逃げられない鎖で、がんじがらめに縛られていたなんて……! これじゃあ、まるでお芝居の『ロミオとジュリエット』……いえ、それ以上の悲劇だわぁぁぁ!!😭🌹」

​私が図書室の絨毯を涙で濡らし、悲劇のヒロインになりきって悶絶していると、背後から氷山のように冷ややかな、突き放すような声が届きました。

​「……カレン。貴女、何を変なところで、芋虫みたいにのたうち回っているの? 本の角に鼻先でもぶつけた?」

​そこには、最新のトレーニング理論書を脇に抱えたクロノジェネシスが立っていました。❄️📖

その瞳は、凍った湖のように静かで、私の狂態を「観測」することすら拒否しているようです。

​「……クロノさん! 聞いて、聞いてよぉぉ! 私と王子様は、決して結ばれない、呪われた運命だったの! 私たち、お父様が一緒なのよ! この血の呪縛が、私の清らかな乙女の恋路を阻むのぉぉぉ!!😭💦」

​クロノさんは、私が指差したページを、目から光線を放つかのような鋭さで一瞥(いちべつ)すると、溜息すらつかずに鼻で冷たく笑いました。

​「……馬鹿ね。貴女、ここがどこだと思っているの? トレセン学園よ。ディープインパクト様の血を引く子が、この校舎に何百人いると思っているの? 貴女の理屈が通るなら、学園の半分以上が貴女の兄妹よ。食堂(学食)は毎日親族会議ね。」

​「……えっ? そう……なの? でも、でもっ! 私と王子様は特別なのよぉぉ! 他の子たちとは愛の密度が……!」

​「……それに。」

クロノさんは、自分の持っていた血統書を私の目の前に「ダンッ!」と突き出しました。

「私の父はバゴ。貴女とは、全く違う血だわ。……でも、私は貴女と走る時、いつも同じ『熱』を感じる。血がどうこうより、貴女のその『重すぎる自意識』の方が、よっぽど禁断の域に達していると思うけれど。」

​「……っ。……お、おのれ、クロノジェネシス……。愛のロマンチシズムが1ミリも分からないなんて、相変わらず血も涙も凍りついているのね!💢🦁」

​「……勝手にして。……私は、その『同じ血』を持つ無敵の王子を、次のレースで叩き潰すための、物理的な計算をするだけよ。」

​クロノさんは、首を横に振りながら、呆れ果てたように背を向けて去っていきました。

​「(……ふんっ、あんなクールぶってるけど、実力は認めてくれてるみたいね。……って、それどころじゃないわ!)」

​私は再び血統表を見つめました。

「父:ディープインパクト」。

同じ血が、私の体の中にも流れている。王子様と同じビートを刻む、英雄の心臓。

この「禁断の事実」は、いつの間にか私の中で、絶望から**「王子様と私は、細胞レベルで、魂の奥底で共鳴している」**という、最強のポジティブ・エネルギーへと変換されていきました!✨💎

​「……見ていてください、お父様! 私、貴方の血を限界まで燃やして、王子様の背中をどこまでも、地獄の果てまで追いかけますわ! 私たちの『禁断の恋』という名のデスレース、ここからが本番よぉぉぉぉ!!🏁💖🦁」

​図書室の片隅で、一人変な方向に覚醒し、窓の外の飛行機雲に向かってガッツポーズを決めるカレンブーケドール。

彼女の愛は、血統の壁すらも踏み台にし、いよいよ正気と狂気の境界線を越えた情熱へと、加速していくのでした。🌸🧬🔥

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