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下の子の初めての寝返りを、戻そうとする上の子を見て


下の子が、初めて寝返りをした。

床にうつ伏せになっている下の子を見つけて、思わず「できた!」と声が出た。ここ最近、何度か惜しいところまでいっていたけれど、今日、ついに成功した瞬間だった。スマホを取りに行って写真を撮ろうとしたそのとき、隣にいた上の子が、先に動いた。

上の子は、うつ伏せになった下の子の体に手を添えて、一生懸命、仰向けに戻そうとしていた。

「危ない、危ない」

そう言いながら、小さな手で下の子の体を押している。下の子を心配して、なんとか元の体勢に戻してあげようとしている姿だった。

その光景を見て、胸がじんとなった。

普段の上の子は、まだまだ甘えたい盛りで、下の子のことを気にかける余裕なんてない場面もたくさんある。下の子ばかり構われていると、拗ねてしまうこともある。それでも、こういう瞬間には、誰に教えられたわけでもなく、ちゃんと下の子を心配して、自分なりに守ろうとしていた。

「うつ伏せは危ない」というのを、上の子がどこまで理解しているのかは分からない。それでも、いつも私が下の子のうつ伏せ寝を心配して声をかけている様子を、しっかり見ていたんだと思う。私の行動を、いつの間にか自分のものとして真似できるようになっていた。

寝返りという、下の子にとって大きな成長の瞬間に、上の子の成長も、同時に見ることができた。

以前の上の子だったら、たぶん下の子が寝返りをしても、特に気にせず自分の遊びを続けていたと思う。それが今は、下の子の様子にちゃんと気づいて、心配して、行動に移せるようになっていた。まだ3歳なのに、こんなふうに誰かを気遣う気持ちを、自然と持てるようになっていることに、驚きと嬉しさがあった。

下の子を仰向けに戻し終えた上の子は、満足そうな顔で私を見て、「戻したよ」と得意げに報告してきた。「ありがとう、優しいね」と伝えると、照れくさそうに、でも嬉しそうに笑っていた。

下の子の成長を喜ぶ気持ちと、上の子の成長に気づいた驚きが、同じ瞬間に重なった。子育てをしていると、こうして思いがけないタイミングで、2人分の成長を同時に見せてもらえることがある。

上の子は、少しずつ、本当にお姉ちゃんになってきているんだなと、その日、改めて実感した。

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