詩 | 仄暗い海
きめ細かい泡が立ち昇って
眼をつむった僕は
いつしか温かく仄暗い海に
満ち足りた一人だった
暗がりに
小さな魚のように生まれ
胸には動きはじめる種が
静かに育まれる
いくども変わる
潮の流れに身を任せ
頭上には繰り返す波音
いつからか
優しい声が呼びかける
僕はまだぎこちない
微笑でそっと応える
伸びた手足で
小さなくなった海の果てを
広げてみる
返ってきた
手のひらの温もりを
おひさまのように感じる
だんだんと狭くなる
僕の温かく仄暗い
慣れ親しんだ海よ
さようなら
その全き抱擁よ
世界は光にあふれ眩し過ぎた
一声 大きく泣いて
そっと目を開けた
──── ❋ ────
May gentle days find you.
