S氏、芋まみれ。肉じゃがは超お袋の味 【ハーブな日々】
とある土曜の午前。
いつものように、布団の中で惰眠をむさぼっていたS氏。
誰かが鳴らす呼び鈴に目を覚ました。
「何だよ、まったく」
それは宅急便の荷物だった。
眠い目をこすりながら重い荷物を受け取ると
投げやりに印鑑を押し
S氏はまた布団にもぐり、長い二度眠を楽しんだ。
***
夕方、思い出したように箱を開ける。
なかには土がついたままの人参、ゆず、
ジャガイモ、サツマイモ、里芋。

それを見た瞬間、S氏の料理人魂に火がついた。
素材たちの持ち味を最大限に引き出してやらなければ。
しかし、芋のレシピはあまり頭に入っていない。
そこで、レシピを調べたがどうもしっくりとこない。
結局、本屋さんに出かけた。
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とりあえず定番のお袋の味、肉じゃがをチェック。
その他にも、いろいろなレシピがあるものだ。
見たこともない料理の数々に、
「なるほど」「うん、うん」「ほんとに!」「ギャフン!」などなど、
驚きの声を発していたという。
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その中でもS氏の目についたのは
「サツマイモと鶏肉の煮物 by 塩味」
酒と塩で鶏肉とサツマイモを煮るのだ。塩味がいい。
包丁を握るとS氏は一流のシェフへと面構えを変える。
そうして目にもとまらぬ早業で素材を切り分ける。

適当な大きさのサツマイモ、鶏肉。
塩と酒の塩梅。
適当な頃合いで味見。
おいしかったらOK。まずは、自分を褒める。
***
フランスの三ツ星レストランのシェフにも
絶賛されたS氏の料理(と本人が言い張っている)。
その料理の数々は舌にのった瞬間に
頬っぺたを幸せで満たし、笑顔の花を咲かせる。

今回の料理はお袋の味を越え、超お袋の味。
そんなS氏の料理の腕は、ハーブたちも認めてはいるが
ハーブの使い方はまるで分っていない。
「ヨーロッパに行けば、ママンの味未満だね、ははん」
どこか、貴族気取りのハーブたちは
自慢げに葉を揺らしていた。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
あなたに、素敵な毎日が訪れますように。
Wishing you happy days.
