見出し画像

卒園式の前日に思うこと。丁寧な暮らしへのあがき #12 いつか息子に伝えたい

卒園式の前日。

なんとなく落ち着かなくて、
これまでの時間を思い返している。

0歳だったあなたを保育園に預けた日から、
もう5年以上が経った。

あの頃の私は、余裕なんてなかった。

毎日を回すことで精一杯だった。

でも、忘れられない時期がある。

私が手術の後遺症で苦しんでいた頃、
あなたの心も大きく揺れていた。

お友達に手を出してしまう。

言うことが聞けない。

落ち着きがなくて、トラブルも増えていった。

家でも保育園でも、
「問題のある子」と見られることもあった。

でも今ならわかる。

あのときのあなたは、
ただ不安だったんだよね。

そのことに気づくまで、
私は時間がかかってしまった。

本当は、
もっと早く気づいてあげたかった。

もっとゆっくり、
ただそばにいてあげればよかった。

その後悔は、きっとこれからも消えない。

でも――
一緒に過ごす時間を少しずつ増やして、
ただそばにいることを続けていった。

するとあなたは、
少しずつ変わっていった。

優しくなって、強くなって、
人の気持ちがわかる子になっていった。

そうすると、
周りの反応も少しずつ変わっていった。

家族や友達、保育園の先生たちが、
あなたを見る目がやわらかくなっていった。

思いどおりにいかないときに声を荒げることも、いつの間にかなくなっていた。

代わりに、
「自分でやってみる」と挑戦する姿が増えていった。

友達には遊び方を教えてあげたり、
転んだ子に手を差しのべたり。

「ありがとうボード」が一枚では収まらないほどになっていたと聞いたときは、本当に嬉しかった。

担任の先生だけでなく、他の先生方からも

「いつもニコニコしていて可愛いですね」と声をかけてもらえるようになった。

小さな子が親と離れて泣いているときには、そっと近づいて

「大丈夫だよ」と抱きしめてあげていたことも、先生から教えてもらった。

子どもにとって「安心できること」がどれだけ大切か。

不安がどれだけ心と行動に影響するのか。

私はあなたに、教えてもらった。

きっと保育園での時間は、
楽しいことばかりじゃなかったと思う。

つらいことも、悔しいことも、たくさんあったよね。

それでも全部乗り越えて、ここまで来た。

そして――
この保育園でいちばん長く過ごしてきたあなたは、明日、クラス代表として卒園式に立つ。

あんなに揺れていた日々を知っているからこそ、その姿が、ただただ誇らしい。

そして今は、不思議と安心している。

普段はお調子者で、
よくふざけているのに、

こういう大切なときにはちゃんとやり遂げるところも、あなたのすごいところだから。

卒園おめでとう。
本当によく頑張ったね。

人の気持ちに寄り添えるあなたを、
心から誇りに思う。

そして、もしこの文章をいつか読む日が来たら、覚えていてほしい。

あなたはずっと、大切で、愛されている存在だということを。

ありがとう。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集