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鳥の声

三つ上の兄も私も鳥が大好きだ。
兄は小学生のころ、神社で弱っていたヒヨドリを家で養生したり、屋根から落ちた雀のヒナを元気になるまで世話したりよくしていた。

5歳くらいのころか、ある日家に祖父がやってきた。
器用な人だったので家の小さな修理をしに来ていたのだと思う。

ちなみに祖父は彦根の人で、代々お城に仕えた家らしく、男子の名前は皆〇〇太郎とつけられていた。祖父は松太郎、祖父の兄弟は、久太郎(きゅうたろう)、喜太郎(きたろう)、と昭和の人気漫画をずいぶん前から予測していたかのような名前である。

母が不在の時があり、祖父松太郎、兄、私でこたつテーブルに座り、みんなでなんでもない話をして留守番をしていた。

突然兄が神妙な顔をして、小さな声だが強く言った。

「静かにして!鳥の声がするよ。」

松太郎も私もすぐに息をひそめ、三人で耳をすました。

すると、ちいさな「ぴぃぃ。」という声がする。

確かに音は聞こえる。何度も。一定のリズムで。
どこにいるのだろう、なんの鳥かしらとワクワクする私。

しばらくして賢い兄は気がついた。

それは祖父の鼻からもれる空気の音だった。

三人で大爆笑した。

顔を見合わせて真剣に聞いた鼻ぴぃ。
子供のころの思い出。




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