ロジケープ──わずか4頭から生まれた、ロジユニヴァースの奇跡【ロマン馬券#49 キーンランドC2026】
第76代日本ダービー馬、ロジユニヴァース。
現3歳世代の種付け数は、わずか4頭。
しかし、その中から、ダービー馬の夢がもう一度走り出そうとしている。
■ダービー馬の悲しい現実
僕は2009年の日本ダービーを、今でも鮮明に覚えている。
雨に濡れ、泥にまみれた東京競馬場。
まるでドロドロの田んぼの中を走っているような、とんでもない不良馬場だった。
その極悪馬場をものともせず、ロジユニヴァースは皐月賞14着から見事に巻き返した。
あの雨の東京で見せた強さは、本物だった。
久米田正明オーナーにとっては、馬主になって最初の世代で手にした日本ダービー制覇。
その後、ロジユニヴァースは種牡馬入りする。
初年度の2014年には57頭の牝馬に種付けされた。
しかし、産駒から大きな活躍馬が出ないまま、種付け頭数は年々減少していった。
2017年は10頭。
2020年には、わずか2頭。
ダービー馬の種付け頭数として考えれば、あまりにも寂しい数字だった。
そして2022年。
ロジユニヴァースに種付けされた牝馬は、たった4頭だった。
その「4頭」の中の1頭が、ロジアイリッシュ。
そして、その牝馬から生まれたのが――
ロジケープだった。
■4頭の中から生まれた、久米田家の血の結晶
母ロジアイリッシュは、ロジユニヴァースのオーナー・久米田正明氏の息子、久米田正平氏の所有馬。
ロジケープは、久米田家が大切につないできた血から生まれた一頭なのだ。
そして、父はロジユニヴァース。
母父はハーツクライ。
どちらも「中長距離で強い馬」というイメージを持つ血統だ。
だからこそ、ロジケープは試行錯誤しながら、その道を歩んできた。
2025年10月、東京芝1800mの新馬戦でデビュー。
その後、1600m、1400mと徐々に距離を短縮。
そして4戦目となった今年2月。
舞台は小倉芝1200mだった。
ここでロジケープは、2着馬に0.6秒差をつけて圧勝する。
「この血統で、1200mなのか」
そう思わせるほどの鮮烈な変身だった。
しかも血統表を見れば、Danzig(ダンジグ)の5×5。
欧州のスピード血脈が、眠っていたのかもしれない。
中長距離のスタミナを思わせる父と母父。
そこに眠っていたスピードの血が、1200mという舞台で一気に花開いた。
血統とは、本当に奥深いものだ。
■北海道の大地が育てた、もうひとつの物語
ロジケープの生まれ故郷は、新冠町のオリエント牧場。
1974年創業の牧場で、家族経営ながら、トーホウシデン、オールアズワン、プラダリアなど、重賞で活躍した馬たちを送り出してきた。
そして、この牧場には「昼夜放牧」という育成の伝統がある。
北海道の厳しい自然の中で、幼い頃からタフに鍛えられる。
ロジケープが見せる、1200mのハイペースを最後まで止まらない末脚。
そこには、父ロジユニヴァースと母父ハーツクライから受け継いだスタミナだけではなく、北海道の大地で育まれた強さもあるのかもしれない。
ロジユニヴァースの血。
ハーツクライの血。
そして、オリエント牧場の大地。
いくつもの物語が重なって、今のロジケープがいる。
■ロマンだけじゃない、「北の大地を知り尽くす男」との黄金コンビ
そして、この馬の才能を開花させた騎手がいる。
小倉の未勝利戦から手綱を握り続ける、丹内祐次騎手だ。
ロジケープと丹内騎手のコンビは、ここまで5戦4勝、3着1回。
前走の3勝クラス・TVh賞は圧巻だった。
舞台は札幌芝1200m。
ロジケープは中団7番手でじっくりと脚をためた。
そして4コーナー、外へ持ち出す。
直線、そこからが、凄かった。
上がり3Fはメンバー最速の33秒3。
2着に2馬身差をつけて突き抜けた。
これで破竹の3連勝、オープン入りを決めた。
丹内騎手は「反応も良く、強かった」と振り返る。
尾形和幸調教師も「強かったです。どんどん馬が良くなっています」と語っている。
僕は、このレースを見て思った。
将来、日本のスプリンター界を背負う存在になるかもしれない。
それくらいの強さだった。
■ロマン実況──札幌の直線、ロジユニヴァースの血が燃える
3コーナー。
少しずつ進出。
4コーナー。
ロジケープ、外へ。
さあ、直線。
前にはまだ何頭もいる。
残り400m。
丹内騎手、追い出した!
ロジケープ、伸びる!
一完歩ごとに、前との差を詰めていく。
残り300m。
来た!
外からロジケープ!
残り200m。
並んだ――
いや、交わした!!
ロジケープ、先頭!
残り100m。
まだ伸びる!
後ろは来ない!
ロジケープ、独走!
強い!
これは強い!
ロジユニヴァースの血が、札幌で輝く!!
ロジケープ、先頭!
そのまま――
ゴールイン!!
ロジケープ、重賞初制覇!!
ダービー馬ロジユニヴァースの血を受け継いだ一頭が、今、北の大地で新たな歴史を刻みました!!
■ダービー馬の血よ、もう一度、輝け
もしロジケープがキーンランドCを勝てば、ロジユニヴァース産駒として中央競馬の重賞初制覇となる。
でも、僕が見たいのは、その先だ。
キーンランドCを勝って、スプリント界の強豪たちと肩を並べる。
そして、いつかGⅠの舞台へ。
ロジユニヴァース産駒、初のGⅠ制覇。
そんな夢を、ロジケープに託したい。
ダービー馬の血は、まだ終わっていない。
■ロマン馬券の買い目
◎ロジケープ 単複1点
競馬は、未来を当てるものじゃない。
未来を信じるものだ。
だから僕は――。
ロジケープに。
今年のキーンランドCのロマン馬券を託したい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
