(創作大賞作品感想)三條凛花さん「すくい」
三條凛花さんのお名前は、Xのたくさんの熱い呟きで、noteの皆さんのおすすめで、ずっと拝見していました。
気になっていたけど自分のことに心も手も一杯で読めていませんでした。
そうして創作大賞の応援期間も過ぎたのに、感想を書いていいよと言ってくださいました!
優しい……!
三條凛花さんの応募作の中から真っ先に選んだ小説は、上記の「すくい」です。
これまで私がXの文体などから受け止めてイメージしていた三條さんは「可愛い方」。
ささやかに優しく笑って、パステルカラーのオーラを纏い、でも凛としている女性。
そういう方の書く、お仕事小説を読みたくてしかたなくなったのです。
お仕事小説を書くには、キリリと微笑み、原色のオーラを放つ、冴えた空気が必要なんだと思い込んでいました。
何事にも動じない、強い人が作者でなければ、そういう主人公を登場させなければお仕事小説じゃないなんて思い込んでいたのです。
でも、そんなわけ無いのです。
生きていれば仕事は皆がしています。
労働も、経営も仕事。アーティストなら創作が仕事。
家事も仕事だし、子どもは学業が仕事だと私は思っているし、闘病中の人も使命に応えているから仕事だと思ってる。
人の役に立っていれば、それは仕事。対価があるかどうかが違うだけで。
なのに、私はステレオタイプの「はたらく主人公」しか見えていなかった。
「すくい」の登場人物達は、創作者や労働者だったり経営陣だったり、家事の担い手だったり、闘病中だったりします。
どのステージにいる時も、キャラクター達は一生懸命で、そこにスポットを当てている今作は確かにお仕事小説なのです。
でも、生きているから過去に苦しむし、恋愛もする。人間としての側面を繊細に多面的に書かれていて、それが後々の伏線になっていることが多々あって、気が抜けない。
気が抜けないはずなのに、優しくて柔らかくて可愛さ溢れる文章に和みながら読んでしまうのです。
そして、伏線に「あっ!」と言う。
その繰り返しです。本当にすごい構成!
怒涛の執筆スケジュールの中で生まれているのに、とても緻密なのも脅威的です。
ブログの日付やいいねと共有の表示が細かくて、しかも同じブログが後半にも出てきたりするので、きちんとした管理が必要な作品です。
創作大賞全部門に応募しながらこんなことされるのは、本当にすごい!
すごい頭脳と高い仕事の能力のある方なんだなぁ……!
と思いました。
そのブログだって、1人のキャラだけが書いているわけではないのに、書き分けがすごいのです!
とある人物のブログは、一見チャキチャキした女性の可愛いブログなのですが、見落としそうなるほど微細な悪意が込められている。
かと思えば他のキャラクターの、悪意の欠片もないのに、だからこそ「その正しさが凶器」と言われてしまうブログも出てくる。
可愛さは全編保ったまま、すごく多層的で骨太な小説です。
本当に凄かったです。
これがプロの業(わざ)かとひれ伏しました!
このままではネタバレしそうなので、ここで終わりますが、本当に凄いので(2回目)読んでください!
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