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【座談会レポート】竹あかり演出家・池田親生 世界を照らす「バカになる勇気」とワクワクの作り方

2026年2月18日(水)福島県双葉郡楢葉町にて
竹あかりを「文化」へと昇華させ、これからエベレストという地球の頂点を目指す池田親生さん。福島に移住し、震災後の「地域の人づくり」に奔走する堺 亮裕が社会をワクワクで変えていくための「バカになる勇気」の正体について伺いました。
写真撮影:Dory 誠

オープニング:和歌山での出会いから、福島での再会

堺亮裕(以下、堺):本日は車座トークイベントにお集まりいただき、ありがとうございます!遠くは北の南相馬や大熊町、そして南はいわき市と、色々なところから皆さんに来ていただいています。今日は1時間という短い時間ですが、食べ飲み自由ですので、liebe tableさんの美味しいケータリングをどんどん食べながらリラックスして聞いてください。

早速ですが、今日のゲストは竹あかり演出家の池田親生(ちかお)さんです。実は、僕とちかおさんが初めて出会ったのは2018年。和歌山県の高野山で開催された全国から300人くらい集まる「地方創生会議」というイベントでした。当時、地方創生がすごく盛り上がっていた時期で、その後僕が携わっていた福島県葛尾村(かつらおむら)の竹あかりイベントなどでも一緒にお仕事をさせていただくようになりました。

今日は、情熱大陸にも出演されるなど全国で活躍するちかおさんに、色々と深掘りして聞いていきたいと思います。よろしくお願いします!

池田親生(以下、池田):よろしくお願いします!

竹あかりの原点〜消滅可能性都市を照らした大分県臼杵市の「竹宵」〜

:まず最初のテーマですが、ちかおさんの「竹あかり」はどうして、どういう流れの中で生まれてきたんでしょうか?

池田:もう20年以上前になりますが、僕は熊本の崇城大学というところの建築学科で学んでいました。大学4年で入った研究室が「まちづくり活動」をやっていたんです。当時、大分県の臼杵(うすき)市というところで『竹宵(たけよい)』という、竹あかりのお祭りの日本で初めての成功例がありました。そこのデザインに、僕のいた研究室の先生が従事していたのが竹あかりとの出会いのきっかけです。

:当時の臼杵はどんな場所だったんですか?

池田:臼杵は石畳が残り、江戸時代から道幅が変わっていないような美しい町並みなんですが、普段使いするには道も狭くてめちゃめちゃ使いづらい町でした。いわゆる消滅可能性都市みたいなところの1つだったんです。

でも、お祭りの時になると2日間で7〜8万人の人が訪れていました。普段は暗くて使い勝手の悪い白壁や石畳の道なんですが、夜になってローソクの明かりが灯ると、そこに反射して息を呑むほど美しい景色が広がったんです。

それを見た時に、「効率的に作られた風景だけが生活を豊かにするわけじゃないな」と気づきました。社会問題になっていた増えすぎた竹を使って、地域の人たちの力で作り上げるお祭りに感銘を受けて、「熊本でも竹あかりをやろう!」と大人たちを巻き込んでやり始めました。それが、僕と相方の三城賢士(みしろ・けんし)で立ち上げた「ちかけん」の始まりです。

災害支援の原点と「祭り型まちづくり」の強さ

:ちかおさんは熊本をはじめ、全国で災害支援もやられていますよね。宮城県東松島市や富岡町、大川小学校などにも行かれていますが、竹あかりの活動と災害支援はどう繋がっていったんでしょうか?

池田:最初の始まりはシンプルで、「困っている人がいるからやる」という感じで、福島県の相馬にも来させてもらって半年ほど活動していました。当時は相馬の子どもたちの健康が心配されていた時期で、熊本に一時的に預かる「保養キャンプ」なんかを10年くらい続けていたんです。

その後、熊本で地震や水害が起こりました。その時にハッと気づいたのは、「あ、俺はこの時のために福島で学ばせてもらってたんだな」という感覚です。みんながパニックになって先が見えない状況の中で、どう動けばいいかが分かっていたんですよね。

:「お祭り」を作ってきた経験が、災害時に活きたということですか?

池田:そうなんです。改めて考えてみると、僕は「祭り型まちづくり」をやっていたんだなと。竹あかりを通して、人と人をつなぐ、人と場所をつなぐ、人と文化をつなぐっていうことをずっとやってきました。

お祭りって、本当の意味での「無礼講」があるんです。お金とか肩書きとか関係なく、その町のために本気になれる奴が一番カッコいいとされる非日常の空間です。僕らが大学生の時から熱量を持って熊本を盛り上げようと活動していると、いろんな会社の社長さんや政治家の方々も認めてくれて、一緒に祭りを作る仲間になってくれました。

その結果、災害が起こった時に僕の周りには「困っている人の知り合い」もいるし、「助けたい人の知り合い」もいるという状態になっていたんです。その無礼講で築き上げたネットワークがマッチングして、素早い支援活動に繋がっていきました。僕らがやっていることって、突き詰めれば「竹に穴を開けて、美しいものを作って、火を灯す」。ただそれだけなんですが、美しい風景に人が集まり、活気が生まれ、町が盛り上がる。理屈じゃなく、それが真理だと思っています。

熊本クリスマスマーケットと、赤字を乗り越えるチームの掟

:ちかおさんはG7の装飾や、熊本で巨大なクリスマスマーケットを主催するなど、途方もない規模のプロジェクトをされていますよね。

池田:クリスマスマーケットは今年で8年目になりますが、1ヶ月の開催で109万人を集めるイベントになりました。熊本では一番集客するイベントで、売上規模も2億5000万円くらいになります。アルバイトの応募も数百人来るような場所になりました。

:それだけ大きいと、ご苦労も多いんじゃないですか?

池田:イベントって本当に水物で、ヤバいこともいっぱいありますよ(笑)。例えば、1ヶ月のイベントで土日に雨が降ると、売上が10分の1になっちゃうんです。前回は土日に3回も雨が降って大滑りして、結果的に2000万円の赤字が出ました。それを主催メンバーの5人で割って被る、みたいなヒリヒリしたことも起こります。

でも、僕ら5人の中には明確なルールがあるんです。「ルールを決めない」ということと、「多数決で決めない」ということ。

:多数決で決めない? ではどうやって物事を決めるんですか?

池田:その時、一番「熱量」が高いやつの意見を採用するんです。多数決にすると、どうしても「なんでできないお前のために、俺がやらなきゃいけないんだ」っていう不満が出がちになります。でも熱量で決めれば、全員が納得して「あいつがやりたいって言ってるんだから、とことん乗っかろう」となれる。この組織のあり方が、大きなイベントを乗り越える秘訣かもしれません。

資金集めの極意と「もやい」の文化

:やりたいことはあるけどお金がない、という時はどうしていますか? 過去にはクラウドファンディングで累計2億円くらい集めていると聞きましたが。

「バカになる勇気」本出版の際のクラウドファンディング

池田:クラファンで2億集めたって言うと「すごい集められる人」に見えるかもしれませんが、全然違います。毎回大ピンチです(笑)。

例えば、台湾のアーティストのワンさんという方を呼んで、日本で一番でかい竹の作品を作るとなった時。最初に「呼ぶのに1500万円かかる」と言われたんです。でも、世界トップのアートを肌で感じたかったから、とりあえず「やる!俺が払う!」って言っちゃった。結果的に竹の調達やスタッフの費用で5000万円かかっちゃったんですけどね(笑)。

:5000万! それはどうやって集めたんですか?

池田:もう必死ですよ。クラファンもやったし、協賛も集めました。クラファンを成功させる秘訣を聞かれることがありますが、答えは一つです。「1人ずつに泥臭く連絡してお願いすること」。これしかありません。

SNSで広く「お願いします!」って書いてもダメなんです。リストを作って、1人ずつに「俺はこれをやるんだ。お前も乗ってくれ!」と直接連絡する。それをやらないと絶対にお金は集まりません。

それと、日本には古くから「もやい」という文化があります。寄付(ギブ)ではなく、みんなで少しずつ出し合って何かを成し遂げる文化です。香川県の三豊市なんかはそれがすごく上手で、月5000円ずつ出し合って困っている人を助けたり、プロジェクトを動かしたりしている。自分の利益(リターン)を求めず、ただ面白そうだから乗っかる。そういう「もやい」のカルチャーを作っていくことが、これからの時代すごく大事だと思っています。

ウェルビーイング(幸せの4因子)を体現する

:ちかおさんは活動の中で「ウェルビーイング(幸せであること)」という言葉も大切にされていますね。

セリグマン博士の提唱するウェルビーイングの5大要素「PERMA」モデル
(https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/323/より引用)

池田:そうですね。僕自身が「日本ウェルビーイング推進協議会」という法人の理事をやらせてもらっているんですが、慶應義塾大学の前野隆司教授の研究によると、人間の幸せには4つの因子があるそうです。

  1. 「ありがとう」因子(感謝・繋がり)

  2. 「やってみよう」因子(自己実現・成長)

  3. 「あるがまま」因子(独立とマイペース・自己受容)

  4. 「なんとかなるさ」因子(前向きと楽観)

竹あかりの活動って、まさにこれらが詰まっているんです。みんなで協力して「ありがとう」と言い合い、やったことない装飾に「やってみよう」と挑戦し、泥臭い自分を「あるがまま」受け入れ、トラブルが起きても「なんとかなるさ」と笑い飛ばす。僕らがやっているお祭りづくりは、このウェルビーイングを地域に実装する装置なんだと思っています。

次なる舞台は「エベレスト」〜竹あかりで宇宙から世界平和を祈る〜

:常に挑戦を続けていますが、次なる目標はエベレストですね。

池田:はい、4月4日に日本を出発して、地球で一番高い場所に行ってきます。

僕の今世での使命は、「竹あかりを通して世界平和の一翼を担うこと」なんです。世界平和って抽象的で何か分からない。だからこそ、みんなが振り向くほど圧倒的に美しい作品を作らなければならないと思っています。

じゃあ、どこで灯せば一番世界に届くのか。「エベレストのてっぺん行こうかな」と(笑)。宇宙に一番近い場所で、竹あかりを灯して世界平和を祈りたい。もしかしたら宇宙人にも見えるかもしれないしね(笑)。

莫大なお金もかかるし、本当に命懸けのバカバカしい挑戦に見えるかもしれません。でも、自分の「ワクワク」をごまかさず、本気でバカをやる大人の姿を見せたいんです。それが、周りの人の心に火を灯す一番の方法だと信じています。

:ちかおさんの熱量に、今日会場にいる僕たちも完全に火をつけられました。エベレストへの挑戦、心から応援しています! 本日は本当にありがとうございました!

池田:ありがとうございました!

ご参加いただいたみなさんありがとうございました!

3月31日クラウドファンディング最終日!

この記事を上げるのが遅くなってしまい、クラウドファンディング最終日になんとか間に合わせようと急ぎ記事を作成しました。現在ネクストゴールの1400万円に向けてラストスパートの応援も集まっています!

4月4日エベレストに向けて出発するちかおさんがまず無事に帰ってこれるように祈りつつ、応援したいと思います!帰ってきたらまた福島に来てくれることも言質取ってるので報告会実施したいです。
ぜひ皆さんもクラファンページ覗いていただき応援していただると嬉しいです!

📍クラファンページはこちらから!👇️

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堺 亮裕|ロン 最後まで僕のnoteをお読みいただきありがとうございました。もし応援いただける方はスキやコメント、Twitterのフォローなどお願いします。