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「技術は学ぶより、真似るほうが早い」説。エンジニアが最速で成長するための「TTP」思考


「新しい技術をキャッチアップしなきゃいけないけれど、参考書を読んでも頭に入ってこない」 「チュートリアル動画を見終わったけれど、いざ自分で書こうとすると手が止まる」

こんにちは!株式会社ロンドソル代表の佐藤です。
IT業界に身を置いていると、こんな悩みに直面することは日常茶飯事です。次から次へと新しいフレームワークやツールが出てくるこの業界で、まじめに「一から勉強」していたら、時間はいくらあっても足りません。

よく聞く話かもしれませんが、「技術は学ぶよりも、真似るほうが圧倒的に早い」というアプローチです。

今回は、なぜIT業界において「真似」が最強の学習法なのか、そして正しい「真似方」についてお話しします。

IT業界における「TTP」の正義

ビジネスの世界には「TTP(徹底的にパクる)」という言葉がありますが、これはエンジニアリングの世界でも真理です。

誤解のないように言っておくと、これは「著作権を侵害してコードを盗め」という意味ではありません。「優れた構造や書き方をトレース(模倣)して、自分の血肉にする」という意味です。

なぜ、真似る方が早いのでしょうか?理由は3つあります。

1. 「車輪の再発明」を防げる

プログラミングの世界には、先人たちが苦労して編み出した「ベストプラクティス(最良の手法)」や「デザインパターン」が既に存在しています。 これらを無視して、真っ白なエディタに自分の頭だけでコードを書こうとするのは、タイヤの形をゼロから考えるようなものです。 まずは動いている完成品(既存のコード)を見て、その構造を真似ることで、標準的な書き方を最短でインストールできます。

2. フィードバックループが回る

本を読んでいるだけの「お勉強」モードでは、エラーは出ません。しかし、記憶にも残りません。 一方で、サンプルコードを真似て(写経して)実行すると、必ずと言っていいほどエラーが出ます。

  • 「スペルミスをした」

  • 「環境変数が違った」

  • 「バージョンの互換性がなかった」

この「動かない → 修正する → 動いた!」という実体験の数こそが、エンジニアの経験値です。真似て動かすことで、強制的にこのループに入ることができます。

3. ゴール(完成形)が見えている安心感

何が正解かわからないまま暗闇を進むのはストレスですが、「真似れば動くものがある」という状態は心理的な安全性が高いです。 「まずはこの通りに作ってみる」というハードルの低さが、挫折を防ぎます。

「守破離(シュハリ)」で考える技術習得

日本の武道や茶道には「守破離」という言葉がありますが、エンジニアの成長プロセスもこれと全く同じです。

  • 【守】(Shu):型を守る

    • まずはチュートリアルや先輩のコードを、一言一句そのまま真似る。コピペではなく、自分の手でタイプする(写経)。ここで「なぜこう書くのか?」を肌で感じます。

  • 【破】(Ha):型を破る

    • 真似て動いたコードの一部を変えてみる。「ここの数値を10から100にしたらどうなる?」「この関数を別の処理に変えたら?」とアレンジを加え、エラーが出たら直す。

  • 【離】(Ri):型から離れる

    • 学んだ構造を元に、全く新しいオリジナルのアプリを作ってみる。

多くの人は、いきなり【離】をやろうとして挫折するか、ずっと【守】の前の「座学」で止まってしまっています。 最速なのは、さっさと【守】(真似)を終わらせて、【破】(アレンジ)へ進むことです。

上手な「真似」のやり方

では、具体的にどうすればいいのか。今日からできるアクションプランは以下の通りです。

  1. GitHubを漁る

    • 作りたい機能があったら、似たようなオープンソースのコードを探して読み込む。どういうディレクトリ構成か、どういう命名規則かを見るだけで勉強になります。

  2. 公式ドキュメントの「Quick Start」をコピペせず手打ちする

    • Ctrl+C Ctrl+V は楽ですが、脳を素通りします。あえて手で打ち込むことで「あ、ここでカッコが閉じるんだな」といった文法のリズムが指に残ります。

  3. 「なぜ動いているのか」をAIに解説させる

    • 真似て動いたコードの意味がわからなければ、GeminiやChatGPTにコードを貼り付けて「この行は何をしているの?」と聞いてみましょう。ここでの理解度は、ただ本を読むより数倍深くなります。

まとめ:プライドを捨てて、巨人の肩に乗ろう

「自分でゼロから書けないと、実力がつかないんじゃないか」という真面目な人ほど、成長が遅くなりがちです。

現代のIT技術は複雑すぎて、すべてをゼロから理解するのは不可能です。 まずは動いているものを真似る。動かして楽しむ。そして、その後に理屈を埋めていく。

「真似る」は「学ぶ(まねぶ)」の語源でもあります。

もし今、学習に行き詰まっているなら、参考書を閉じて、GitHubを開きましょう。そして、優れたコードをどんどん真似てみてください。それが、最強のエンジニアへの近道です。


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