見出し画像

旅する文化史#1 Iシアトル観光名所と知られざる歴史①

イチローが所属したマリナーズの本拠地であり、アマゾンやマイクロソフトといった企業があり、スターバックスの発祥の地でもあるシアトル。

だいたいがスタバ一号店に行って写真をとり、ロースタリーでお土産を漁るのが観光の定番コースだと思うのですが、今回久しぶりにシアトルに行ってみて異変が・・・。
おすすめ観光名所を、ガイドブックに書いていない歴史も含めて、ご紹介します


1 パイクプレースマーケットPike Place Market

パイクプレースマーケット

どことなく懐かしさを感じる大きな「pikeplaceマーケット」と整然としたこじんまりとした市場は観光の一番に寄るところだと思います。

シアトル市はそもそも、1851年にイリノイ州からの開拓者たちが上陸したことに始まります。パイクプレースマーケットは1907年から開かれ、現在に至っています。御年もうじき120歳!!

当初、この市場は8件の農家が店を並べるだけだったそうですが、太平洋へのアクセスのよさやアメリカ大陸を横断する鉄道が発展してから、たちまち発展していきます。

時代が進み、1960年代になると、都市開発の波が押し寄せてきました。1)
自動車・電化製品・郊外のスーパーマーケット・高層ビルの時代です。
「老朽化した市場を取り壊して、近代的なビルを建てよう」という計画が立ち上がりました。
日本でいうと、築地市場のように昔からそこで商売していた人を追い出して、ららぽーとをつくるようなもんです。
築地よりも治安が悪く、薬の売買なども行われていたため、クリーン化も目指されました。

それにがんとして反対したのが、市民たちでした。
彼らは“Friends of the Market”を結成し、署名を集め、保存を訴えました。
1966年、移民たちの国アメリカにも、「米国国家歴史保存法」ができます。
署名により、1971年、パイクプレースマーケットは、歴史保存地区として指定されました。そして、現在の外観が守られているのです。
あと少しで、「パイクプレースタワー」になっていたところだったのです。

マーケットは、チェーン店は出店できないようになっており、地元の職人が作った製品が並んでいます。
新鮮な大きな花束も20ドル前後で買えるのがうれしい。

おすすめのお店としては

①マーケットプレイスMarket place

パイクプレース内のマーケットプレイス

有名なスパイスのお店です。中でも、オレンジとシナモンが入ったお茶が人気で、私も知人が帰国するときにいつも頼んでいました。
甘い匂いで、温まるお茶です。お土産にオススメ

②デイリーダズンDaily Dozen

パイクプレース内のドーナツ屋さん

小さな小さなドーナツが甘さ控えめでとても美味しいです。アメリカのドーナツって、"どうだ!"と言うぐらい甘いものが多いし、でかいのですが、これは控えめ。袋にいくつも入れてもらってパクパク食べていると、日本の屋台のベビーカステラを食べてるような気分になります。

2 スターバックス1号店

スターバックス1号店

そのすぐ近くで、1971年にもうひとつの歴史が始まります。それがスターバックス1号店。

当時、アメリカでは苦味の強い“ロブスタ種”のコーヒーが主流でした。
昔、輸入されたMJBのどでかい缶のコーヒーを飲んだけれど、そのあまりのまずさに驚愕しました。
はっきりしたソースが見つからなかったのですが、おそらく、ロブスタ種だったのではないでしょうか。

ヨーロッパで飲まれていたアラビカ種を輸入し始めたのが、アルフレッド・ピートです。
ピートは“アラビカ種”の豆を自家焙煎して販売し、客に、自分の家で淹れる入れ方を丁寧に教えたのです。2)

今までにない深入りの味に虜になったのが、スターバックスの生みの親、ジェリー・ボールドウィンと、ゴードンバウカーです。
彼らは隣人のゼブに声をかけて、3人で1350ドルずつ出し合って(感覚的に15-20万ぐらい?)シアトルにコーヒー店を開いたのがスターバックスです。

深入りコーヒーの品質に徹底的にこだわったこと、シアトル市民が「本物」のコーヒーの味を知るようになってから、スターバックスは爆発的な成長をとげたのは知ってのとおりです。

店内は狭く、どことなくおおらかな雰囲気が漂っています。1971年に歴史地区の認定がなかったら、この店も出せていなかったかもしれません。
1号店ならではのお土産も必見です。

しかし、やはりスターバックスグッズを制覇したいなら、リザーブ/ロースタリーがおすすめです。通常のスタバより高級感をコンセプトとして、日本にも続々と誕生しましたね。まずはダウンタウンを回って、それからキャピトルヒルcapitol hillにあるロースタリーに行くのがおすすめでした。が・・・

3 SAM美術館

SAM美術館


スターバックスが生まれたころ、シアトルは働く人々の町でした。
日本でいうところの富士山のような象徴的な存在であるマウントレーニエの鉱山で掘る人、材木を切る人、港で荷を運ぶ人など、労働者の手が、街を動かしていました。
それを踏まえて、シアトル美術館の前には、巨大な公共アート"ハンマーマン"が立ちそびえています。
今は洒落たイメージのあるシアトルですが、それ以前の歴史へのリスペクトを感じます。

SAMは、アートギャラリーを併設していますが、ここではなんと、絵をレンタルすることができます。
作品のサイズなどにより値段は様々です。
筆者は昔、月6000.7000円ぐらいで、壁一面の大きな絵を借りました。
家に置いて雰囲気を見たい、色々な絵を見たいなどのニーズに応えた素晴らしいサービスだと思います。

シアトルはアートに関しても非常に意識が高い街です。

ミュージアムショップは、地元の作家をはじめ、現代デザインのインテリア小物、子ども用おもちゃ、地元アーティストによるジュエリー・クラフト、アート&デザイン書籍など、見ているだけで楽しくなり、オススメです。
https://shop.seattleartmuseum.org/


4 シアトル図書館


SAMシアトル市立図書館


SAMから数ブロック先にあがると、シアトル図書館につきます。ここも、ぜひ行っていただきたいオススメの図書館です。

シアトル公共図書館(Seattle Public Library)は、オランダ人建築家レン・クールハースが設計したガラス張りの近未来的建築です。世界の美しい図書館にも何度も選ばれています

図書館の中も、実にかっこいい。エレベーターも近未来です。

SAMシアトル図書館

図書館に入ると、観光客ではない、市民の日常の中にそっと潜り込む心持ちがします。
知ること、学ぶことを欲する人間のやさしき良き心が宿っている気がして、日本・世界どこで訪れてもほっとします。
地元のイベントのチラシがあったり、地元作家のコーナーがあったり、wifiもたいてい使えますし、ちょっと静かに息をつきたいときにはうってつけです。

ちなみに、この図書館の、日本語の棚には、たくさんの日本語蔵書と漫画があります!手塚治虫の火の鳥は全巻ありました。
日本語に恋しくなったときは、ぜひお立ち寄りください。

コーヒーの街、シアトルですから、館内にカフェスペースもあります。
こちらも空いているのでオススメです。
ただしカフェより静かに、長居は無用で。

シアトル図書館カフェ


1)ネイバーフッド都市シアトル リベラルな市民と資本が変えた町
2)Pour your heart into it Howard SchultzDori jones Yang,1991/1


いいなと思ったら応援しよう!