日本美術のほっぺが好き!お気に入りのほっぺたち【勝手美術館】【東博/国立近代美術館】
なすにきびは日本の絵を見るときに、人物画だとほっぺをよく見る。
なんなら人物の頬がどれほど上手に描かれているかで、その絵/画家の好きレベルが決まってくることも多い。
笑っている人のほっぺ、頑張っている人のほっぺ、疲れている人のほっぺ、悲しいほっぺ、決意のほっぺ、、、
ほっぺにこそ人の心模様が現れるものです。
なんだかあったかい気がするなあ
ずっと見ていたくなる、色々なお気に入りのほっぺ。
◯むかしのほっぺ

「好きだなー」となるほっぺは大体が近代以降日本画のものですが、平安から江戸までの絵巻などに描かれたほっぺもやっぱり見たくなる。こちらはサントリー美術館「まだまだざわつく日本美術」展で見た《袋法師絵巻》(部分)。本来布団の下からのぞく顔が怖くも面白い場面ですが、ほっぺ的には↓この手前の女性の後ろから見るほっぺの膨らみがとても良い。

◯横顔のほっぺ
近代日本の美術においてほっぺが一番見応えがあるのは、人物の横顔。だいたい少し膨らみを見せる輪郭と、一点を見つめる細い目がかなり好き。先ほどのほっぺみたいに、横顔というよりは少し斜め後ろからの視点で見えるほっぺの膨らみが一番嬉しい!
・横山大観《五柳先生》

東博にある大観の代表作の屏風。絵画にしても彫刻にしても、重力を受けた生物の描写は本当に見応えがあります。左下に垂れるほっぺが素晴らしい作品、なんでこの童子は俯きポーズなのか。しっかりと体重の流れにリンクする垂れ落ちほっぺと、はみ出しまつ毛が好き、髪型も可愛いし。なすにきびほっぺ選手権ではかなり上位に来る作品です。


・前田青邨《洞窟の頼朝》
大倉集古館にある青邨の代表作で重要文化財、こちらもかなり良い横顔ほっぺを見ることができます。石橋山の戦いで大敗し、洞窟に身を潜める源頼朝一行を描いたこの絵。甲冑の鮮やかな朱色の中に、平安末期の武士の力強いほっぺが光りまくっています。頼朝の自信があるような表情も好きだけれど個人的に好きなのは、一番右手前、頼朝の方に体をむけ左下に俯く人物(誰なんだろう)。もはや伝統芸と言っていい、この後ろからのほっぺの膨らみ。大好き。じとっとした目も好きなポイント。
・小林古径 《弥勒》、《観音》
昨日ご紹介した作品部分図。答えは…下村観山《老松白藤》、同《不動明王》、菱田春草《月下牧童》、小林古径《弥勒》(すべて山種美術館)。 pic.twitter.com/V8i57Tdbw7
— 山種美術館 (@yamatanemuseum) August 26, 2015
↑こちらの4枚目、山種美術館にある古形の掛け軸。結構ニッチですが、この小さい人物の「ぽっ」と赤くなっている横顔が大好き。古径が描く人物はどれも赤めた頬がすごくて、あったかい。
↓こちらの《観音》も真横から見た頬があたたかく赤くなっている。観音様を、こんなに身近で親しみやすい優しさの捉え方で描くことが出来るのは、古径だけなのではないでしょうか!!
小林古径《観音》(霊友会妙一記念館)。十一面観音を女性的な曲線で真横から描く構図は、従来にないスタイルで発表当時、人々を大いに驚かせたそうです。古径の作品では珍しい強烈な色彩表現にもご注目ください!(山崎) pic.twitter.com/EXHyJzZgY8
— 山種美術館 (@yamatanemuseum) November 8, 2013
○ずっしりとしたほっぺ
横顔のほっぺはただただそのあたたかさや、もちもち・プルプルしていそうな形が好きですが、生命力、その感情がこもっているのはやはり前方から見るほっぺでしょう。力強いほっぺをまとめてみたら全て子供のほっぺになりました。
・岸田劉生《麗子坐像》

ほっぺといえば子供。日本で一番有名な子供の絵といえばの麗子。一番有名な麗子はおそらく微笑のものだと思いますが、写真はポーラ美術館が持っている麗子像。この肉感ほっぺが結構好き。眠いのかな?というポーズと表情もお気に入り。ほっぺという意味では5歳の時の麗子像もかなり好きです。
・関根正二 《子供》《三星》

こちらも無垢な子供ほっぺ。力強い頬肉が赤くなっているこの子供、髪型含め可愛い。この子は正二の子供なの?目線は虚な感じで、手をくむポーズも謎だけれど不思議な力強さもある。
↓そして自分と姉と恋人を描いたと言われる《三星》も赤らめほっぺが特徴的。耳きりゴッホに憧れた説があるらしく、独学の正二の筆の力強さが伝わってくる良いほっぺ絵でお気に入りです。
・渡辺幽香《幼児図》

横浜美術館にある、虫を潰しちゃう幼少期の福島正則を描いた渡辺幽香の《幼児図》。ゴツゴツとした流石の力強さ、、、目も含め、赤子とは思えないほどの迫力がありズームするとほぼおじさんに見える。いろいろな玩具が描かれた額も楽しい絵。

こうしてまとめてみると、そもそも考えるとすぐわかることだったのですが、日本画のほっぺはあたたかく優しいほっぺが多く、洋画のほっぺは生命力あふれるずっしりほっぺが多いです。なすにきび的には、日本画を見るときは、やっぱりすぐにほっぺに目がいっちゃう。
◯おまけのほっぺ
もし日本のほっぺを特集する美術展を開くとしたら、、、上に載せたお気に入りのほっぺの他に参考ほっぺも色々展示しておきたい。彫刻だったら独特の力強さと優しさが混在する円空仏がいいかな。

さらに現代アート代表ほっぺは奈良美智の作品とかどうでしょう。子供ほっぺの系譜の最前線、到達点と言える顔なのではないでしょうか。

そして西洋美術参考ほっぺ代表は、国内唯一のボッティチェリである丸紅ギャラリーのシモネッタ!堂々たる横顔、日本とはまた違ったほっぺの美しさで、比べてみるのも面白いかもしれない。

ということで勝手妄想美術展「ほっぺ展 ー頬に宿るみんなの心ー」をいつか開催したいなという、お気に入りほっぺの話でした。皆さんのおすすめのほっぺもぜひ教えてください。
おわり
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