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touminn_suru_6
夜の音
小さい頃から、夜は眠くて起きてられないタイプだった。その分、朝は3時頃から目が覚めた。
3時はまだ真っ暗な夜。
夜は怖い。今日こそ夜は明けないんじゃないかと心底怖いから、がんばって目を閉じて、考えないようにした。空の闇がほんの少し薄まるとホッとして、布団から出たくなった。
カブのギアチェンジの音。
牛乳瓶の擦れる音。
「俺らも起きているよ」の合図だ。
良かった、今日も朝が来た。
あれから50年程経った。
私は今も変わらず夜はさっさと寝てしまう。年のせいか何度も目覚めるようになってしまった。
でも、近頃はもう夜も怖くない。
ゴミ収集車のうなり声。
コンビニの荷下ろしの音。
いつ目覚めても、誰かが私と同じ時間に起きているのを感じられる。
