滑走路を望む絶景レストラン/LDH kitchen THE TOKYO HANEDA
ANA機体工場見学で間近に見る飛行機のスケール感に圧倒された後、第1ターミナル5階にある「LDH kitchen THE TOKYO HANEDA」でランチタイム。大きな窓の向こうに広がるパノラマビュー、離着陸の様子を眺めながら食事ができる特等席です。昼間の解放感はもちろんですが、モダンなインテリアが最も映えるのは、もしかしたら滑走路のライトが点灯する夜間かもしれません。そんな大人の雰囲気のお店です。
「ロケーション重視のお店かな?」と予感を抱きながら運ばれてきたのは、至って平凡なカレーライスとハンバーガー。「ハズレ!」と思いながら、カレーライスを口に運びました。連れも顎が外れんばかりに、ハンバーガーにかぶりつき・・・。ところが、一口食べた瞬間にその評価は一変。「これ、見た目以上に本格的だね!」と、顔を見合わせ笑ってしまいました。良い意味で期待を裏切るクオリティの高さに大満足。
食事が終わって会計の際、善玉コレステロールの様な「LDH」って何か尋ねたところ、このお店、実はEXILEらが所属する事務所LDHが運営しているのだとか。どおりで店内の雰囲気も良く、ライブステージのような設備があったりと、エンターテインメント性が高いわけです。ちなみに、LDHはLove Dream Happinessの頭文字なのだとか。ファンの方にはお勧めです。
ランチの後、開催中のアーカイブ特別企画展「THE HISTORY OF HANEDA」へ。展示の中で印象に残った航空史に残るエピソードを備忘録的に・・・
【幻に終わったコンコルド】
英仏共同開発の超音速旅客機「コンコルド」。半世紀以上前の1972(昭和47)年6月、開発中のデモフライトで羽田に着陸した時の記憶がわずかに甦ります。離着陸時に下がる独特の機首「ドロップ・ノーズ」。超音速で飛ぶため「デルタ翼(三角翼)」という特殊な形の翼が採用されましたが、低速(離着陸時)では機体を大きく上に向けないと揚力が得られないという特性があり、パイロットが滑走路を見られなくなるため、採用されたデザインです。視界を確保するために形を変えるというメカニズムこそ、当時のエンジニアたちが夢を現実にするために生み出した究極の造形美。当時は訳も分からずデザイン的にかっこいいと思っているだけでした。かつては、日本航空(JAL)も導入を予定していましたが、騒音問題やオイルショックの影響で導入は幻に。もし実現していたらと想像するだけでワクワクします。
【パンナムの経営破綻】
「パンナム」の愛称で親しまれたパンアメリカン航空。世界最大の航空会社として君臨し、まさに世界の翼でしたが、1991(平成3)年に経営破綻。時代の流れの速さと、航空ビジネスの厳しさを今に伝える象徴的な出来事です。
展示を巡りながら感じたのは、飛行機は単なる移動手段ではないということ。世界各国には、歴史を彩った名機たちが美しい状態で保存されています。ワシントンのスミソニアン国立航空宇宙博物館には、ライト兄弟やリンドバーグなど人類の歴史を変えた実機が、パリ近郊のル・ブルジェ航空宇宙博物館にはコンコルドが展示されています。歴史を知ることは、未来を創造すること。かつて空に憧れた先人たちの情熱を、次世代に繋いでいく「空の殿堂」が日本にもあればなと。戦時中、技術の粋を集めて空を駆けた国産戦闘機たちや、戦後、日本の空を再び切り開いた不朽の名機「YS-11」。そして、実用化一歩手前で潰えた、三菱重工の悲運の翼「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」は記憶に新しいです。成功の証はもちろんですが、たとえ夢半ばで終わった挑戦であっても、そこに関わった人々の知恵や苦闘は国の財産。特に、型式証明取得に難航したMRJ、その最期の名称「MSJ(Mitsubishi Space Jet)」は、日本の技術力の結晶として是非遺して欲しいものです。

















2025.11
