5人目の孫が誕生|昨夜から家族LINEは100件、私の出番はゼロだった
家族LINEが騒がしい夜
昨夜12時ちかくになって、家族LINEに次女から一通のメッセージが届いた。
「これから入院します。」
いよいよ5人目の孫が生まれる。そこから家族LINEは、一気に慌ただしくなった。
「子宮口3cm。」
「5cmになった。」
「もう少しみたい。」
「陣痛が強くなってきた。」
次々とメッセージが届き、気がつけば100件を超えていた。
ところが、男の私には入り込む余地がない。
「がんばれ!」と送ろうかと思ったが、そんな空気でもない。
結局、既読を付けて静かに見守る係である。
我が家は娘が3人。妻も娘たちも、出産の話になると結束力がすごい。こういうときだけは、「女系家族」を実感する。私は完全に蚊帳の外。
「無事、生まれました」
翌朝、いつものように会社へ向かう電車に乗っていると、LINEが鳴った。
「無事、生まれました。」
その一文を見た瞬間、思わず胸をなで下ろした。
「おめでとう」の文字の入ったLINEスタンプを送った。
実は私は、毎回一番気になることがある。赤ちゃんよりも、母親が無事だったかどうかだ。出産は命がけ。医学が進歩した今でも、その思いだけは変わらない。だから「母子ともに元気です」という言葉を見ると、本当に安心する。
40年前、廊下で過ごした1時間
そのLINEを見ているうちに、40年前のことを思い出した。長女が生まれた日のことである。
当時は立ち会い出産などなかった。妻が分娩室へ入ると、私は廊下の長椅子に一人ぽつんと座って、待つしかなかった。時計ばかり見ていた。まだ30分。ようやく1時間。人生であれほど長く感じた1時間は、後にも先にもない。
そして「生まれました」と知らせを受けた瞬間、涙が出た。五体満足で生まれてくれれば、それだけでいい。あのときは、本当にそう思った。
病室で妻に「ご苦労様」と声をかけたことを、今でも覚えている。
一人取り残された気分で病院へ
そんなことを思い出しながら仕事をしていたが、さすがに今日は落ち着かない。定時になると、そのまま病院へ向かった。
実は昼間に、すでに妻と長女、それに三女が揃って病院へ行っていたらしい。
私だけ仕事。
なんとなく、一人取り残された気分である。でも、女系家族にそんなことを言っても始まらない。
「お父さんは仕事だったでしょ。」
その一言できっと終わりである。
母は強し
病室に入ると、次女が笑顔で迎えてくれた。
「お父さん、来たの?」
その顔を見て、思わず笑ってしまった。
「お前、本当に今日出産したのか?」
そう言いたくなるくらい元気だったのである。出産からまだ12時間ほどしか経っていない。もっとぐったりしているのかと思っていた。ところが、普通にしゃべり、普通に笑っている。いや、もしかすると私のほうが仕事帰りで疲れていたかもしれない。
母は強し。昔から言われる言葉だが、本当にその通りだと思った。
そして、新生児室に向かって孫の顔を見る。小さな赤ちゃんがすやすや眠っていた。小さな手。小さな足。何度見ても、新しい命というのは不思議なものだ。
それだけで、とてもいい一日
これで我が家の孫は5人になった。そして3人の娘は、全員がお母さんになった。
子育て真っ最中だった頃は、毎日が慌ただしく、「早く手が離れないかな」と思ったこともある。それが今では、孫が増えるたびに家族がさらににぎやかになっていく。人生とは面白いものだ。
家族LINEは、これからもっとにぎやかになるだろう。私は相変わらず読む専門かもしれない。でも、それで十分だ。
「じいじ。」
そう呼んでくれる子が、また一人増えた。
それだけで今日は、とてもいい一日だった。
