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tarohanamana
「子供の受験って、そんなに他人が気になるもの?」/#55
息子の私立受験の日。
本来は休みだったけれど、人手が足りないから出勤できないかと頼まれた。
送迎があるので遅れることを伝えると、それでもいいから来てほしいと言われた。
事情を説明する必要があって、受験日であることを職場には伝えた。
ただ、それだけの話だった。
しばらくして、あまり関わりのない人に聞かれた。
「どこの高校受けるの?」
正直、答えたくなかった。
「言いたくないので言いません」そう返した。
すると、
「大丈夫だよ、私立は」
と、すぐに言われた。
何が“大丈夫”なのか、よくわからなかった。
心配していると思われたのか、それとも別の意味なのか。
さらに、
「勉強はしておいた方がいいよ」
とも言われた。
その言葉に、少しだけ引っかかった。
これまで、勉強と無縁で生きてきたわけじゃない。
でも、そういうことじゃなくて。
なぜそこまで踏み込んでくるんだろう、と思った。
子供の受験は、その家庭の中の話だと思っている。
どこを受けるかも、どこに進むかも、外から評価されるものではない。
その子に合う場所が、その子にとっての
「いい学校」だから。
職場では、必要以上に家族の話をしなくていいし、聞かなくてもいい。
相手が話した分だけ受け取るくらいが、ちょうどいい距離感なんだと思う。
あの日は少しだけ、「ほっといてほしい」と感じた出来事だった。
人の背景なんて、外からはわからない。
子供の受験って、
そんなに他人が気になるものなんだろうか。
