【あがり症】トラウマに効いたのは“言葉”ではなく“姿勢”でした
大阪で
「あがっていい!お話練習会」を主宰している、
ロン毛です。
今回は久しぶりに私自身の
トラウマ治療について書こうと思います。
私は、ある状況がトリガーとなって、
胸(心臓)かギュッと痛む症状に
ずっーと悩まされてきました。
これはいわゆる「身体化したトラウマ反応」。
喉のつかえや肩こりなど、
心の傷が身体の症状として出ることがありますが、
私の場合は、
それが胸の痛みとして現れていました。
この症状を改善するために、
これまでセルフケアを続け、
少しずつ良くなっている実感もありました。
そんな中、最近になって
目に見えるレベルで
胸の痛みが軽くなった出来事があったので、
備忘録も兼ねて書き残しておきます。
一冊の本がヒントに
暇な時は図書館に行って
本を飲み散らかすのが私のルーティーンです。
三週間ほど前、
図書館でたまたまこの本を見つけ、
気になったので読んでみました。
『“パワーポーズ”が最高の自分を創る』は、
社会心理学者エイミー・カディさんの本です。
テーマは、
「自信は外ではなく、内側から作られる」
というもの。
背筋を伸ばし、胸を開く。
そんな力強い姿勢(パワーポーズ)を取るだけで、
不安が静まり、
自分らしさを発揮しやすくなると書いています。
本書には、トラウマ研究の第一人者である
ヴァン・デア・コークの考えにも触れられていて、
私としては大いに興味を惹かれました。
ちなみに、パワーポーズとはこんな姿勢です。

パワーポーズに興味を持った私は、
「やってみよう!」と思いました。
というのも、私は子どもの頃から
「猫背」とか、「姿勢が悪い」とか
言われ続けてきたから。
(なお、私が猫背になった背景には、
“外傷的育ち”や
“いじめられた経験”にあると思っています)
姿勢を変えることで、
「なにか良い変化があればいいなぁ〜」という
期待もありました。
実際にやってみた効果
前述のとおり、
私はある状況に置かれると胸の痛みに襲われます。
その状況で、
あえてパワーポーズを試してみることにしました。
すると、、、
「あれっ!?いつもより胸の痛みが軽い…」
今までの痛みが10だとすれば、
6とか7くらいに感じられました。
背筋を伸ばして胸を開いただけで、です。
この体験をしたことで私は、
「パワーポーズいいんじゃね??」
と思い、続けてみることにしました。
そして三週間ほど経った今、
胸の痛みは2〜3くらいまで改善しています。
(このまま続けたら、
痛み自体が消えそうな気がしています)
なぜ、パワーポーズが効いたのか?
なぜ、背筋を伸ばして胸を張るだけで
身体化したトラウマ反応が改善したのか?
「姿勢」と「トラウマ」にどんな関係があるのか?
めちゃくちゃ不思議です。
その謎を解明すべく、
手持ちの本を漁って調べてみました。
すると一冊の本に
まさに答えとなりそうな記述を発見!!
その本はこれ。
そこには、こう書いていました。
もしクライエントが胸をそらし背すじを伸ばすことで、自分はできるのだという感覚を体験するのであれば、 この感覚運動体験に注意を向けてもらうことで彼女が自分の身体に対して抱いていた否定的連想の影響が弱まり、自分はできるという感覚がはっきりし、確信をもつ助けとなるでしょう。
同僚が親切心から注意をしたときに、ミーガンは無意識に萎縮しました。彼女はこのふるまいが幼少時の虐待の遺物だとは気づいていませんでした。
〜中略〜
縮こまった姿勢では現在の状況を適切に解釈したり対応したりすることはできずに、統合能力は損なわれていました。もう危険ではないのだと自分に言い聞かせても駄目でした。過去と現在が不適切に混ざり合い、ゆがみをもたらしていることに打ち勝つために、ミー ガンは、トラウマ関連の刺激(否定的反応をされること)に注意を傾けず、感覚運動的体験に意識を向ける練習をしました。そして、身体を萎縮させずに、批判を受けたときでも文字通り「背すじを伸ばしている(stand- ing still)」ことを訓練しました。
萎縮した姿勢は、ミーガンの自己イメージを損ない、また、かつてのトラウマ的な関係と現在の関係を異なるものとして正しく区別する能力にも影響を与えるでしょう。しかしながら、批判に向き合ったときに「背すじを伸ばしている」ことを思い出すように促されれば、ミーガンの身体と理性は互いに調和し、現在のリアリティーとも一致するものとなるでしょう。
つまり、萎縮した姿勢というのは、
幼少期の虐待などによって身についた
「防御姿勢の遺物」であり、
その姿勢には、
・無力感
・恥
・恐怖
そんな否定的な自己観念が
身体レベルで結びついている、ということ。
これは私自身にもしっかり当てはまりました。
私は40年以上、猫背で生きてきました。
その姿勢のまま生きてきたことで、
身体レベルで否定的な自己観念を
ずっと維持してしまっていたのだと思います。
だからこそ、背筋を伸ばし胸を張ることで
猫背と結びついていた
否定的自己イメージの“カップリング”がほどけ、
それに伴って
胸の痛みという形で表れていたトラウマ反応も
軽減したのではないか。
そんな自己分析をしています。
ソマティック・マーカーの視点から
ここでおさえておきたいのが、
神経科学者アントニオ・ダマシオの
「ソマティック・マーカー仮説」です。
ざっくり言うと、
私たちの「選択」や「判断」には、
頭で考える理屈だけでなく、
身体感覚として刻まれた感情の痕跡(マーカー)
に大きく左右される、という理論。
たとえば、
危険な経験をした人は、似た状況に遭遇すると、
・胸が締めつけられる
・胃が痛む
そんな身体反応が起こる。
すると脳はその身体感覚をヒントに、
「これは危険かもしれない」
「また傷つくかもしれない」
と判断し、避けようとする。
つまり、
身体の反応が「判断材料」として働いている
ということ。
私の場合も同じで、
猫背という“萎縮した姿勢”そのものが
・無力感
・恥
・恐怖
といったソマティック・マーカーを呼び起こし、
胸の痛みが現れていたのかも知れません。
ここで大事なのは、
姿勢そのものが悪いわけではないということ。
猫背という、
トラウマで身についた防御姿勢が
不安や痛みを作り出し、
そのループが続いていたかも知れない
という点です。
そして、逆を言うと、
姿勢を変えると、
呼び出される“身体記憶”も変わる
ということ。
背すじを伸ばし、胸を開くことで
「私は大丈夫だ」という感覚が
少しずつ身体に刻まれていく。
その新しいマーカーが働き始め、
胸の痛みが弱まったのではないか。
そんなふうに考えています。
身体から心へ
この体験を通じて私は、改めて
「身体へのアプローチって大事」と痛感しました。
心だけを変えようとしてもなかなか難しい。
でも、身体から心へアプローチする道もある。
ということで、
春日さんのように胸を張っていきましょう!!

告知
1月の
「あがっていい!お話練習会」の開催案内です。
◆開催日時:1/12(祝)14:00〜16:30
1/25(日)14:00〜16:30
◆場所 :大阪梅田
参加希望の方は、
以下のサイトよりご応募くださいね!
