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「ZINEフェス神戸」出展2時間後に、高校生の娘が「また出展したい」と言い始めた話

高校生の娘と一緒に、友だちにお手紙を書くようなフリーペーパー『えんを描く』をつくっています。2010年10月に創刊し、今年2025年10月には15周年。当時3歳だった娘は、18歳になります。

その記念として、母娘それぞれでZINEをつくって「ZINEフェス神戸」(2025年5月10日[土]、KIITO開催)に出展しました。きっかけは「フリマ、おもしろそうやん! 私も出てみたいわ」という娘の一言です。

昨年、私は“はじめて”の本を出版し、2025年1月開催の「文学フリマ京都9」にBooko出版のメンバーとして参加することに。前日寝る前に「緊張してドキドキするわ」と話していたところ、あの「フリマ、おもしろそうやん! 私も出てみたいわ」という一言が飛び出したのです。帰宅後「楽しかったで~」と感想を話したら、さらに「いいやん」と前のめり! いつもなら「ふーん」程度、興味を持つことさえもないのに、え、この反応は・・・・・・

そういえば、『えんを描く』10周年はコロナ禍で何もできなかったので、15周年記念として、何かのイベントに出展するのもいいかもしれない・・・・・・そこで、その時に募集のあった「ZINEフェス神戸」に申し込んだのでした。

娘も当初は「楽しみやわ~」「日記本、つくるわ~」と、あれほども前のめりだったのに、日が経つにつれて、日記を書くことすらも「苦行でしかない」と言い出すように。いつしか「母の趣味に付き合わされている」というふうになり、ZINEフェス当日も「これで最後やからな」と決め台詞まで。

それが! なんということでしょう! 開始から2時間ほど経った頃、変わり始めたのです。果たして何があったのか?! 高校生の娘と一緒に出展した「ZINEフェス神戸」について振り返ります。


「ZINE」とは? 「ZINEフェス」とは?

そもそもZINEとは何なのでしょうか。経済産業省公式ウェブメディア「METI Journal ONLINE」の記事がわかりやすかったので、引用します。

ZINEは、アメリカで生まれた文化で、個人や少人数で発行する自主的な出版物のことを指す。個人的な思想や趣向が色濃く反映された作品が多いとされ、交換し合う目的で冊子の形になったとも言われている。日本では「同人誌」「リトルプレス」「ファンジン」などと呼ばれることも多かったが、2010年代に入り、ZINEという呼び名が広がった。

「若者に『ZINE』文化じわり。個人編集の出版物続々、大手書店には専用棚」
/経済産業省公式ウェブメディア「METI Journal ONLINE」2025/02/14掲載 https://journal.meti.go.jp/p/37349/

また、ZINEなど自主出版本を販売するリアルイベントとして、「文学フリマ」など、さまざまなものがあります。その中で、私が今回出展した「ZINEフェス神戸」とは、東京に拠点があるリソグラフ工房「ZINE FARM TOKYO」が主催するイベント。北は札幌から、南は長崎まで、各地で開催されています。

主催者「ZINE FARM TOKYO」のnoteでは、こうあります。

ZINEフェスは、作り手と読者が直接つながり、ZINEの世界を楽しむ機会を増やしたいという想いで開催しています。

人でごった返して動けなくなるような人気イベントではありません。「ゆるくZINE好きの人と楽しい時間を過ごしたい」というぐらいで臨んでいただくと楽しめると思います。

出展者の方に「はじめまして」の挨拶直後にマスキングテープを渡して、会場準備をしていただいたり、お客さんに一時的に入口の受付をしていただいたりと毎回出展者の皆さんや、ご来場いただく皆さんに助けていただきながら運営しています。びっくりするほど手作りの会です。

出展者の皆さんからは「ZINEフェスは即売会というよりも文化祭ですね」とよく言われます。

「初めてZINEフェスに出展する方向けの案内ページ」
/BOOK CULTURE CLUB(シェア型本屋・無人本屋・リソスタジオを運営)note 2025/01/05確認
https://note.com/bookcultureclub/n/nc219cc2febb8

「出展者の皆さんからは『ZINEフェスは即売会というよりも文化祭ですね』とよく言われます」とあるように、“はじめまして”なのにそんな一体感がありました。

それはきっと

●出展料に「告知協力プラン」あり。
  申込後・開催1カ月前・開催1週間前の3回、自分のSNSで告知する
●開場・閉場時に声かけ&拍手があった
●開催当日には全出展者が
  バミリ・誘導・片付けなど30分のお手伝いをすることになっていた

といった共同作業できる部分があったからかもしれません。

ちなみに、私は出展者受付を担当。2人1組での作業で、同じ出展者の方と少しお話しできたのが、嬉しかったです。

母娘でそれぞれZINEを1冊ずつ制作

私は、近所のハナミズキを2年ほど追っかけしたキロク、『“すぐには”わからない、を楽しむ。ハナミズキDAYS』をつくりました。

娘は、日記本『ふわふわ My life~17歳の、17日分の日記~』をつくりました。

加えて、フリーペーパー『えんを描く』のバックナンバーベスト3を同封した『フリーペーパー創刊15周年記念セット』も用意。

以前出版した『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』も販売しました。

それぞれのZINEや本の詳細は、こちらをご覧いただけると嬉しいです。

コミュニケーションのきっかけとして無料配布物も

「お手紙を書ける・書きたくなるしおり」4パターンや「テンプレート代とISBNコード代だけで本をつくれるウェブサービスBooko&お手紙本紹介」チラシ、フリーペーパーの最新号もつくりました。

そうそう、プレスリリースも配信しました。「@Press」がキャンペーン価格で利用できたので、15周年記念に。

当日はこんなふうに並べました

本とZINEをどどーんと並べたスタイルです。会場内には200ブースほどが並び、会場全体が見渡せる規模感で、アットホームな雰囲気でした。常に、あちらこちらで賑わっている感じ。

ZINEをきっかけに、コミュニケーションが続々と

立ち止まってZINEをぺらぺらとめくってくださる方、おしゃべりを楽しんでくださる方などがいらっしゃって、自分がつくったものをきっかけにコミュニケーションが始まる感じが楽しかったです。高校生の娘にとっても、それが何よりも喜びだったよう。

「これはおもしろいですね」「10年以上続けるのがすごいですよ」といいところを見つけて励ましてくれる方や、「『18歳の、18日分の日記』とか、続けてみてはどうですか?」「未来の自分にお手紙を書いて、いつか答え合わせをしてもいいですね」「こんな折り方もありますよ」などアドバイスをくれる方がいらっしゃったのも印象的でした。

私たちも交互でほかのブースを見に行けたらと思いながら。娘は初めての出展でドキドキ。そもそも母娘して、人と接する時にド緊張してしまうタイプ。「一人で店番はちょっと・・・・・・」「一人で会場をまわるのもちょっと・・・・・・」ということで、2人でずっとブースにおりました。

受付作業時にお世話になった方や、ブースまで来てくださった出展中の方など、「行きたいなぁ」「気になるなぁ」と思うブースはあったものの、また“いつか”の楽しみに。最後のほうにちらっと、お隣さんと斜め前のブースの方から購入できました。

2時間でこんなにも気持ちが変わるのか!

そして、娘の心境が変化した話! 出展直後から緊張などもあって「これで最後やからな」という決め台詞を、時計を気にしながら吐いていた娘。それが徐々に変わり始めたのです。

自分が頑張って書いてつくった日記本を、目の前で“誰か”が読んでくれる・・・・・・「字も絵もかわいいですね」とほめてもらったり、「子どもの頃に日記を書いていたのを思い出して」「ユネスコ部とは何ですか?」と“はじめまして”の人ともおしゃべりが始まったり、「来年は『18歳の、18日分の日記』を書いたらどうですか?」と提案をもらったり。さらには、700円で買ってもらうという体験も。

そして、「次も出展したい」と言うではありませんか。なんなら、「今度は私がどう並べるか、レイアウトも考えるわ」「あの薄さでこの値段は高いわ。白黒やったら印刷費、下がるん? そやったら、そうしてページ数を増やすわ」とも。ほんまか? どうか、いつもの気まぐれでありませんように。

というわけで、この日から娘が新作ZINEに向けて、情熱的に日記を書き始めたのです。これまでなら、歯磨きやトイレのほうを優先して、「日記はまた明日でいいか」「もう、また今度ででいいか」だったのに。「今日は歯を磨かんと、トイレも我慢して寝るわ」と日記を何よりも優先したのです。

書いた日記本を読んでくれるだろう、その“誰か”のことが思い浮かぶようになったことが、きっと大きいのだと思います。

文学フリマに引き続き、ZINEフェスに参加して

自主出版の本やZINEを販売するイベントに、出展者側として参加したのは、今回で2度目です。

前回はBookoブースの一員として「文学フリマ京都9」に参加。出展者数は「約1000ブース」でした。今回は母娘で「ZINEフェス神戸」に出展。出展者数は「約200ブース」でした。

「文学フリマ京都9」は、事前に出展者カタログが公開されていて、気になる人をチェックして、そのブースをまわる感じ。ブース数が多くて、とてもじゃないけれど、回れない規模だからです。

「ZINEフェス神戸」は、出展者それぞれが告知するパターンで、全出展者の情報などはどこにもありません。当日その場に来て、会場をまわって楽しむ感じ(主催者noteにもその狙いが書いてありました)。一通り見て、気になったところにまた戻る、それができる規模でした。

それぞれに、それぞれのよさがあるなぁと感じます。

「えんを描く」ブースとして、数字の結果でお知らせすると、

お手紙本   1部
ハナミズキ本 3部
日記本    7部
フリペセット 3部
計14部

でした。その半分はいつもお世話になっている方々の応援、残りの半分は“はじめまして”の方々との出会い。本当にありがとうございます。立ち止まっていただけただけで、どれほど励みになったことか。

最後となってしまいましたが、こうした場をつくってくださることに感謝です。「ZINEフェス」「ZINEフェス神戸」のみなさん、ありがとうございました!

最後に! わざわざお越しくださった方々をご紹介

いつもお世話になっている方々が、わざわざお越しくださいました。もう、応援くださるお気持ちと行動が、とてもありがたい! 嬉しい! みなさん、それぞれに素敵な方々なので、ご紹介します。

1人目「四方有紀さん」

「同時代の茶室 ラ・ネージュ」亭主。以前、「関西ウーマン」で取材させていただいたことがあり、その時のタイトルが「『今、ここ、自分にできる精一杯』のことをすれば、無敵」でした。まさにそのことを体現し続けておられます。その記事はこちらです。

ついつい「無理なんじゃないか」と諦めてしまいそうになることも、四方さんのFacebookを見ていると、「いや、できるかもしれない」「やってみよう」という気持ちになってくるから不思議! それくらい、「え? それ1日の出来事ですか?」「え? そんなことまですごい!」と思わせていただくことの連続で。ご自身で『ご自愛ください』という本を自主出版されています。

現在「伏見を舞台とした芸能再発見2024~2026 伏見に綺羅星が集い、地元の人、遠くの人が集い、伏見と伝統芸能を楽しむ3年間」を主催され、3年目の最終回となる2026年には「第3回伏見の神社が舞台の能・狂言再発見!」を開催。詳細はこちらに掲載されています。ぜひご覧いただけると嬉しいです。


2人目「新川愛さん」

ある時は書道の先生、またある時はウクレレ奏者・・・・・・さらには、鳥や里山のことを学んだり体験したり、アプリで国際文通をしたり、大学の通信教育で学びの最中だったり、「須磨張り子」の修業中だったり・・・・・・など。

目の前の一つひとつの出会いを大切に、何事にも興味・関心を持たれ、行動もされ、人から人へとつながって、いつも新しい扉を開き続けておられるお姿が印象的です。一見バラバラに思えること、それぞれの本質を捉えて、シンプルにしてつなげて、いろんな物事を考えるという、深いまなざしを持っておられます。

愛さんの名刺にあるキャッチコピー“いのちの輪のなかで考える”はまさに。そんな日々について書かれたInstagramはこちらです。いろんな発見・体験・出来事について、書き綴られています。見ると、新しい扉を開くきっかけになるかもしれませんよ。


3人目「森恭子さん」

「只本屋島根浜田店」のオーナー。京都のフリーペーパー専門店「只本屋」から暖簾分けして、2018年から活動をスタートされました。同店では、全国各地の個人や団体、企業、自治体などがつくるフリーペーパーを300種類以上も取り扱っておられます。拠点は島根県浜田市ですが、関西や四国でもイベント開催や出展されることも。

森さんは、もともとコミュニティづくりに関わっておられました。同店も、ご自身の故郷で「フリーペーパー専門店」を通して生かし合う仕組みをつくりたいとの思いが始まりにあります。「書店の減少などに直面する地方において、工夫を凝らした多種多少なフリーペーパーという表現スタイルは、とっても相性がイイ!」、さらには「フリーペーパー専門店というコミュニティがあることによって、自分と同じように『地元を離れたけれど、地元で何かしたいと思っている人』がつながる場をつくることができれば」と考えたからです。

詳細はこちらをご覧ください。

フリーペーパー『えんを描く』をいつもお預かりいただいたり、イベントにもお声がけいただいたりなど、お世話になっています。15年も発行を続けてこられたのは、こうして励ましてくださる方々がいてくださるおかげです。最新号ができたら、「只本屋島根浜田店の森さんにお送りしよう」と思うから。そう思える人がいるのといないのとでは違ってきます。いつもありがとうございます!!


4人目「ニキさん」

“はじめまして”のいろんな出会いもいただきました。そのおひとりがニキさんです。お話しする中で、フリーペーパー『ヒトリヨガリ』を発行しておられることを知り、写真の2部をいただきました。

まず、この表紙! どことなくエスニック&レトロな雰囲気を感じるイラストと絵柄にハートがずきゅん。内容は「わたし目線で 日々のあれこれを書いた 独りごとのような 雑談のような (超)気軽な読みものです」とのこと。ニキさんのある日の出来事、体験などが、書き綴られています。左側の18号にあった「古い救急箱から出したガーゼの匂い」が「あぁ、わかる」と匂いまで漂ってきたほど。その絶妙な表現の仕方がいいですよね。

軽快なタッチの文章でありながら、カラフルなイメージが広がる! お人柄溢れる感じが、めちゃくちゃ好きです! 嬉しい出会いでした。

ニキさんのInstagramはこちらです。

オンラインショップで販売し始めました

販売したZINEを、オンラインショップで販売中。

1.ふわふわMy life~17歳の、17日分の日記~
2.“すぐには”わからない、を楽しむ。ハナミズキDAYS
3.フリーペーパー 創刊15周年記念セット

オンラインショップはこちらから↓

『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』はAmazonからご購入いただけます↓

さらには、創作でつながるクリエイターズマーケット「BOOTH」にも登録してみました!
https://loopdrawing.booth.pm/

次回は?!

オンラインショップで販売しつつも、娘とまた、どこかに出展する予定です。まだ、申込みをしていないので、娘の気が変わらなければ・・・・・・ですが。出展する時はもちろん、新作もつくります!

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小森利絵(えんを描く/フリーライター) もしよろしければ、応援いただけると嬉しいです。いただいたチップは「ZINEづくり」に大切に活かし、励みにさせていただきます。完成したZINEのご紹介や、それを持って出展したイベントのレポートなども、こちらでお伝えしていきますね。