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おもちゅあ無線とは ― 技術的背景と法規的根拠


はじめに

市民ラジオ(CB無線)は高価になりつつありますが、「27MHz帯を使って遊びたい」というニーズは根強くあります。
そこで注目されるのが、微弱無線局ワイヤレスマイク規格を活用した「おもちゅあ無線」です。
これは「おもちゃ(omocha)」と「アマチュア(amateur)」を組み合わせた造語で、ホビー用無線機を使ってアマチュア無線ごっこを楽しむ活動を指します。


法規と許容される出力

微弱無線局(電波法施行規則 第6条第1項第1号)

  • 規定値:3 m 離れた点で 500 µV/m 以下

出力換算式(ダイポールアンテナ想定):


ここで

  • P = 空中線電力 [W]

  • E = 電界強度 [V/m]

  • r = 距離 [m]

  • G = アンテナ利得(ダイポールの場合 ≈ 1.64)

計算例:
E = 500 × 10⁻⁶ V/m, r = 3 m, G ≈ 1.64
→ P ≈ 4.6 × 10⁻⁸ W = 46 nW (0.000046 mW)

通常は 数十〜百メートル程度が通信限界となります。


ワイヤレスマイク(昭和32年郵政省告示第708号

  • 規定値:500 m 離れた点で 200 µV/m 以下

同じ式で計算すると:
E = 200 × 10⁻⁶ V/m, r = 500 m, G ≈ 1.64
→ P ≈ 2.0 × 10⁻⁴ W = 0.2 mW

これは微弱無線の 約4000倍強力 で、数百m〜数km の通信が可能になります。


利用可能な周波数帯

  • 27.12 MHz ± 162.72 kHz(約300 kHz 幅)

  • 40.68 MHz ± 120.34 kHz(約240 kHz 幅)

特徴:

  • AM / FM 両方式を利用可能。

  • 「チャンネル」ではなく「バンド」で定義されているため柔軟。

  • 他のCB局との干渉の可能性もある。


受信電力と距離の関係

距離減衰は自由空間損失(FSPL)の式で計算できます。

例:27 MHz, 1 km の場合 → FSPL ≈ 71 dB

送信電力 0.2 mW、ダイポールアンテナ同士の場合、受信電力は以下のように変化します。

  • 27 MHz 帯の方が波長が長く損失が少ない → 有利

  • 40 MHz 帯は距離が伸びるとやや不利

  • 一般的な受信限界(-90 dBm)を下回るのは数km先


機材と運用方法

  • 玩具トランシーバー(ガントラ)、ラジコン用プロポを改造して利用可能。

  • ラジコン機器は(財)日本ラジコン電波安全協会の自主規格に準拠 → 技適不要。

  • 音声変調を加えることで「交信ごっこ」が可能。

  • 法律上は「ワイヤレスマイク」として扱われるため、「交信」ではなく「混信」を楽しむのが建前。


まとめ

  • おもちゅあ無線は「微弱無線」および「ワイヤレスマイク規格」を活用した合法的なライセンスフリー通信。

  • 出力は最大 0.2 mW 程度だが、数kmの交信が理論的に可能。

  • 技術的にみても、アンテナや受信機の工夫によって「おもちゃ無線」が実用的な交信ツールになり得る。


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