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アラサー男の本音【国際女性デーに寄せて】

 3月8日は国際女性デー。近年、日本ではこの日に合わせてジェンダーギャップの問題に関する報道が盛んにされており、個人的には浸透してきていると感じている。ジェンダー問題に関しては、自分の経験からもいろいろと思うことがあるので、この機会に書いておこうと思う。




駐在夫が感じる性別役割の現実


「駐在夫」という選択

 まずは自己紹介から始める必要があるだろう。私は自分の仕事を退職して妻の海外駐在に帯同しているという身だ。子どものいないアラサー男がこのような境遇になるのは珍しいだろう。ざっくりと説明するならば、「仕事を続ける」と「家族(妻)と暮らす」という2つの選択肢から、後者を選んだ結果が今となっている。


夫側の帯同が少ない理由

 子どもの有無を問わず、夫側が駐在に帯同しているというケースは身近な範囲では自分以外いない。その背景を推察するならば、①配偶者の駐在に帯同する夫が少ない②そもそも女性の駐在員が少ない―ことなどが可能性として考えられると思う。


キャリアを中断することへの抵抗

 ①については、男性がキャリアを中断することへの抵抗や、ロールモデルが少ないこと、周囲の理解が得られにくいことなどが要因に挙げられるかもしれない。

 裏側には「男は仕事を続けるもの」という社会の根底に流れる規範のようなものがある気がする。夫側が、本心としては「帯同したい」と思っていたとしても、それを実現可能な選択肢として考えづらいのではないだろうか。仕事のキャリア復帰のことを考えると、「自分の判断が社会の多くの人に理解してもらえる」と強く感じることができなければ、踏み出すことは難しい。


女性駐在員が少ない構造

 ②に関しては、日本では管理職に占める女性の割合が低いことから、女性の海外駐在員が男性よりも少ないという可能性が高い。そうなった場合、妻が駐在員で夫が帯同するという組み合わせは必然的に少なくなる。

 女性の管理職や駐在員が少ない背景には、子育てを妻側が中心に担っているために、働く意思があるにも関わらず妻側が仕事を抑制しなければならないという事情を抱えている場合もあるだろう。


意思決定に影響する規範

 いずれにしても、夫婦の意思決定に関係するので一概には言えない。しかし「駐在夫」のような境遇の人間が圧倒的に少ないのは、今でも裏側に「男は仕事、女は家事」という旧態依然とした社会的規範の「圧力」のようなものが色濃く残っているからではないだろうか。

 私自身、退職して帯同することを選んだときに「珍しいね」とか「仕事を続ける選択肢はなかったのか」などと言われた。その言葉の裏には、やはり「男は仕事を続けるもの」という前提があったと思う。


姓の問題に表れる偏り


94.1%という数字が示すもの

 この性別役割の「規範」は、海外帯同の意思決定だけでなく、姓の問題にも色濃く表れている。

 過去の記事でも書いたが、2024年に婚姻届を提出した夫婦のうち、94.1%が夫側の姓を選択している。私は妻の姓に変えた側だが、夫側が妻側の姓に変えるのはわずか5.9%しかいない。喜んで姓を変えた人もいるだろうが、94.1%の中には「本当はもとの姓がいいけれど仕方なく変えた」という人も一定数いると考えるのが普通ではないだろうか。

 夫側と妻側の割合が拮抗しているなら、ある意味「痛み分け」とも言えるかもしれない。しかし現状は前述の通りである。「女性に嫌なことを押し付けている」と言われても個人的には言い訳ができない。これを放置しておくことも心苦しい。


旧姓単記が抱える課題

 そのような折りに、現首相からは「旧姓の単記を可能に」という発言があったという。これは一見すると、良さそうに見えるかもしれない。しかしそれは本質を捉えていないと思っている。

 当たり前だが、自分の本名は戸籍に登録されている名前である。旧姓は過去に使っていた名前であって、現在の本名ではない。その旧姓だけを身分証明書に記載するというのは、「本名ではない名前を本人確認に使う」ということになる。


名前は個人の尊厳の基礎

 確かに旧姓を使いたいという希望を叶えるものではある。だが、旧姓は自分の本名ではないのだ。自分が当事者だったら、それで納得できるだろうか。私には、どうしても自分の名前が軽んじられているように思えてしまう。

 名前は個人の尊厳を語る上での基礎だと思っている。現時点で説明されている「旧姓単記」は、その名前を軽視していると感じてしまう。名前を個人のアイデンティティーに関わるものとして大切に扱ってほしいと願っている。


まとめ:性別役割の圧力がほどけた先に


 私が帯同を選んだときの周囲の反応や現在の生活で感じていることは、社会に残る性別役割の規範と無関係ではないはずだ。社会的「圧力」のような性別役割意識がほどけていけば、性別を問わずに自分の生き方を自分で選べるようになっていくのだと思う。



参考



写真フォルダからミモザを探したがなかった。代わりに花びらっぽいデザインのランプシェードを=福岡県大牟田市、三井港倶楽部



きょうの1曲

Woman - Doja Cat
「きょうの1曲」をまとめたYouTube再生リストはこちら




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