彼のSNSを見たあと、息が苦しくなる夜
ふぅーっと、ちいさなため息をした。
親指が勝手に、また彼のSNSを開いてしまっている。
もう見ないほうがいいと、
自分でもわかっていたのに。
ストーリーズ。
新しい投稿。
何も増えていないプロフィール画面。
見えるものにも、
見えないものにも、
苦しくなってしまう夜。
* * *
彼のSNSを見たあと、
息が苦しくなることがある。
胸のあたりが、きゅっと絞られるような感じ。
何も起きていないのに、
何かが終わった気がしてしまう。
楽しそうな写真があれば、
そこに自分がいないことが見えてしまう。
何も更新されていなければ、
「今、何をしているんだろう」
「誰と過ごしているんだろう」
「私のことを思い出してくれる瞬間はあるのだろうか」
そんな想像が勝手にふくらんで、
また苦しくなる。
見えているものにも、見えていないものにも、
心が引っぱられていく。
* * *
見たくないのに、見たい。
見たい気がしたのに、
見たあとでまた苦しくなる。
そんな自分を、責めなくていい。
彼のことがまだ気になる。
もう終わったはずなのに、知りたくなってしまう。
急になかったことにできたら、
どんなに楽だろう。
でも、できないから苦しい。
つながりがなくなったあとも、
どこかで彼とのつながりを感じたくなる夜。
彼のSNSを見てしまうのは、
弱いからじゃない。
まだ心のどこかが、
あの関係の続きを探しているからかもしれない。
* * *
今夜、少しだけ心を軽くするために、
できることを、2つだけ置いておくよ。
すぐに見なくなるためじゃなくていい。
今夜、自分を少し守るためのもの。
ひとつ目。
「何に苦しくなったのか」を、声に出してみる。
彼のSNSを見て、
「今、私は何に苦しくなったんだろう」
と、自分に聞いてみる。
新しい投稿。
更新がないこと。
知らない時間。
自分のいない世界。
知らない人の気配。
まだ気になる自分。
うまく言葉にならなくても大丈夫。
「見たこと」ではなく、
「何に心が揺れたのか」を、
小さく声に出してみる。
それだけでも、
彼の画面に向いていた気持ちが、
少しずつ自分のほうへ戻ってくることがある。
ふたつ目。
SNSアプリを、いつもの場所から少しだけ遠ざける。
つい開いてしまうSNSアプリを、
ホーム画面のいつもの場所から、
少しだけ移動させてみる。
指が無意識に向かう道を、
ちょっとだけ変えてみる。
それだけでも、
見てしまうまでの速さが、ほんの少しゆるむことがある。
大きく変えなくていい。
今夜の自分ができるサイズで、十分。
彼に向いてしまう気持ちを、
すぐに変えられなくてもいい。
でも、つい開いてしまうものを
ほんの少し遠ざけるだけで、
夜の苦しさが、少しだけやわらぐことがある。
それだけでも、今夜は十分。
* * *
この苦しさとどう付き合っていくかを、
もう少しゆっくり見ていくためのワークも、いま準備中です。
気になったら、また来てください。
彼のSNSを見てしまった夜も、ちゃんとあなたの夜。
今夜も、ここまで読んでくれて、ありがとう。
― ラブカレイド
