花火、海、夜空。彼と過ごした夏を、思い出してしまう夜に
花火や夜風に、彼と過ごした去年の夏を思い出してしまうあなたへ。
* * *
昼間、電車で浴衣姿の女性を見かけた。
今年の花火は、誰とも行く予定がない。
コンビニでアイスを選ぶだけなのに、
去年、彼とどれにするか迷ったことを思い出す。
夏の空気が、記憶を少しだけ濃くさせる。
夜の風。
夕方の空。
祭りのざわめき。
浴衣姿のカップル。
冷えたペットボトルの結露。
もう終わったはずの時間が、ふいに戻ってくる。
少しさみしく、胸が苦しくなる。
* * *
季節がときどき記憶ごと人を連れてくる
夏がさみしいのは、予定が空いているからだけじゃない。
本当は、
「誰と過ごそう」じゃなくて、
「去年は彼と一緒にいた」が先に来てしまうからかもしれない。
それは、海とか、花火とか、旅行とか
特別なことだけじゃ無いかもしれな。
「暑いから外で過ごすのは止めよう」と言って、
部屋の中で二人で過ごした、
エアコンでひんやりとした部屋の空気感かもしれないし
19時になっても明るい夕方の雰囲気。
夏には「誰かと過ごした記憶」が残りやすい。
季節が巡ってくると
そのとき一緒にいた人まで、
少し遅れて心の中に戻ってきてしまう。
それは、意志が弱いからでも、
前に進めていないからでもない。
季節が、記憶を連れてくることがあるだけ。
* * *
思い出すことと、戻りたいことは、いつも同じじゃない
思い出してしまうと、
「まだ引きずってるんだな」とか、
「やっぱり忘れられてないんだ」とか、
すぐに意味をつけたくなる夜がある。
でも、夏に思い出す気持ちは、
必ずしも「戻りたい」だけじゃない。
あの頃の空気が好きだったのかもしれない。
隣に誰かがいる感じが恋しいのかもしれない。
あの夏の自分の方が、少し笑えていたのかもしれない。
思い出すことと、戻りたいことは、
いつも同じじゃない。
* * *
さみしい夜に、答えを急がなくていい
すぐに、
未練がましいとか、
執着してるとか、
やっぱり元の関係に戻れたらとか、
答えを貼らなくていい。
夏の陽気さと、エネルギーにおされて
無理な決断をしたり、
心を錯覚させる必要はない。
昼は平気だったのに、
夜になると急に胸がすうっと空くことがある。
みんながどこかに出かけているように見えて、
自分だけが取り残されたような気がすることもある。
でも、そういう夜は、ちゃんとある。
あなただけじゃない。
* * *
今夜できることを、2つだけ
ひとつ目:今日はさみしいのは夏のせいだ、と思ってみる
今夜は、無理に気持ちを整理しなくていい。
「忘れなきゃ」とも、
「やっぱり戻りたい」とも、
急いで決めなくていい。無理な覚悟は必要無い。涙をながす必要も無い。
ただ、
季節が、記憶を連れてきただけかもしれない。
そう思ってみる。
それだけでも、
自分を責める強さが少しだけやわらぐことがある。
ふたつ目:SNSを少し閉じて、冷たい飲み物をひとつ用意する
できれば今夜は、
SNSを少し閉じて、
冷たい飲み物をひとつ用意。
今の自分が落ち着けるものの近くにいてほしい。
音楽でもいい。
読み返したくなる本でもいい。
静かな部屋でもいい。
大きく立ち直らなくていい。
前向きになろうとしなくていい。
冷たい飲み物を飲んで、喉元をすっきりさせたら、
今夜はきっと少し静かに越えられる、それで十分。
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季節に思い出を連れ戻されることはある。
それは、弱さじゃない。
ちゃんと、その時間を生きていた証拠でもある。
もし今夜、去年の夏を思い出してさみしくなっているなら、
その気持ちを、無理に追い出さなくていい。
開けない夜は、ない。
今夜も、ここまで読んでくれて、ありがとう。
― ラブカレイド
