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nekonosara
あの頃へ#毎週ショートショートnote【幼馴染はじめました】
「もう俺のこともわからないんだ」
ぼんやりと外を眺める母の横顔を見ながら父は力なくそう言った。
「お父さん、昔のことを色々話してみたらどう?今はわからないかもしれないけどさ。ほら、二人は幼馴染でずっと二人一緒だったんでしょう?きっと覚えてることもあるんじゃないかな」
あまりに辛そうな父に娘の小枝子はそう言ってしまった。なんの確証もない残酷な意見だったとすぐに小枝子は胸が痛む。
「そうだな」はたと気づいたように父は母の視線の前にでる。
「りえちゃん。俺だよ、幼稚園からずっと一緒の達彦だよ」
作り笑顔の父を見て小枝子は胸が熱くなる。
「え…ああ、たっちゃん? ああ、たっちゃん!」
母の顔に生気が蘇る。
「わかるか? わかるのか?」
父は精一杯の笑顔で母の顔を触ろうとした。
「やめて!」
「ごめんよ、りえちゃん。触らないから」
「あんたが私の体目当てなのはわかってるんだからね!」
小枝子は聞いてはいけない父母の会話に泣くに泣けなくなってしまった。
(本文410文字 字下げ空白除く)
暑くて死ぬ…… もうあかん。無理……
