【令和8年予備試験・短答】自己採点182点―法律75%を取った「全問解かない」戦略と合格点予想

令和8年司法試験予備試験の短答式試験が終わりました。
まずは、解答速報を基にした自己採点の結果です。
令和8年の予備試験の短答式試験の問題はこちらから
自己採点結果
令和8年予備試験・短答式
憲法:17点/行政法:25点
民法:20点/商法:22点/民事訴訟法:23点
刑法:26点/刑事訴訟法:25点
一般教養:24点
法律科目:158/210点(75.2%)
総合得点:182/270点(67.4%)
Xで昨年の短答式試験を通過した方々の投稿を見ると、おおむね同程度の点数を取っている方が多いようです。今年は、法律科目が全体として易化傾向にあり、一般教養も比較的取り組みやすい問題が多かったと感じました。
今年の合格点は昨年より上がり、168~170点程度になるのではないかと予想しています。感覚としては、170点に届くか、届かないかという水準です。
以下、前日の移動から試験終了までを振り返ります。
試験前日――那覇から福岡へ
自宅を出て、那覇空港へ向かいました。3連休の初日ということもあり、空港は観光客であふれ返っていました。
最近リニューアルされた「ラウンジ華」に立ち寄ると、思っていた以上に快適でした。そこで1時間ほど、ankiアプリを使って最後の確認をしました。飛行機を眺めながら勉強するのは、不思議と気持ちがよいものです。
その後、飛行機で那覇空港から福岡空港へ。福岡のよいところは、空港から福岡市地下鉄で博多まで10分程度で移動できることです。本数も多く、とても便利です。
事前に天気を調べたところ、福岡は沖縄よりも暑いとの予報でしたが、実際に到着すると本当に暑い。沖縄の方が風がある分、むしろ涼しく感じるほどでした。
ホテルに到着した後は、少し勉強をして夕食を取り、早めに就寝しました。睡眠時間は約9時間です。
短答式試験では、最後に一般教養が待っています。そこで体力を残せるかどうかによって、一般教養の得点が6点程度は変わり得ると考えています。そのため、前日は勉強時間を増やすことよりも、十分に眠ることを最優先にしました。
試験当日の朝――福岡工業大学へ
当日は、博多駅からJR九州鹿児島本線に乗り、福岡工業大学へ向かいました。午前7時30分ごろに会場へ到着。
福岡工業大学附属高校の芝生のグラウンドが、とてもきれいでした。「こういう環境でサッカーやスポーツができる子どもたちは恵まれているな」と思いながら、試験会場へ向かいました。
途中で加藤ゼミナールの配布資料を受け取りました。中身はウェットティッシュ。夏の本試験では、確かにありがたい配布物です。
試験会場は福岡工業大学のA棟でした。私は年に1回、予備試験のために同大学を訪れていますが、キャンパスは年々きれいになっている印象があります。
到着時点ではまだ建物内に入れませんでしたが、午前8時5分ごろから入場できるようになりました。確か昨年は、午前8時30分ごろまで会場に入れなかった記憶があります。
夏の暑い時期に受験生を屋外で長時間待たせるよりも、早めに冷房の効いた建物内へ案内する方がよいと思います。受験生が外に密集し、熱中症などの体調不良者が出れば、それはそれで大きな問題です。今回の柔軟な対応は、とてもよかったと感じました。
試験開始前(午前8時ごろ~8時30分ごろ)
試験開始前は、民法の連帯債務・連帯債権を確認しました。
私は旧法の時代から民法を勉強しているため、債権法改正によって変わったこの分野を特に苦手としています。試験室に入った後は、表形式で整理した直前まとめ集を読み返しました。
実は今年、短答直前期に最も力を入れた科目の一つが商法でした。一般的には、民法・民事訴訟法・会社法については、基礎的な部分を確実に押さえる戦略が有効だと思います。ただ、今年は肢別本を使い、短答特有のひっかけまで意識して対策しました。
民事系(午前9時45分~11時15分)
民法
まず民法から解き始めました。感覚としては、昨年よりやや易しく、比較的簡単に肢を切れる問題が多かったと思います。
一方で、第7問の肢ウ、第9問、第10問では迷いました。結果的には、いずれも間違えていました。
第9問の類似問題は、辰已法律研究所か伊藤塾の直前模試で見た記憶があります。解説まで読んでいたにもかかわらず、本番では間違えてしまいました。
第12問では、肢イと肢エで迷いました。
肢エについては、注文者に帰責事由があるにもかかわらず、請負人の利益を注文者へ返還させるのは道理に合わないように感じました。一方、肢イについては、起算点は「仕事を完成した時」ではなく「契約不適合を発見した時」ではないかと考え、直感的には正解肢ではないと思いました。
それでも肢エの方に強い違和感があり、最終的には肢エを切って、肢イを正解肢としました。しかし、7月20日時点のLEC解答速報では肢エが正解とされています。肢エの知識は、私にとって初見でした。
このように迷いながら、民法には30分強を使いました。
商法
次に、直前期に重点的に対策した商法へ進みました。問題自体は比較的すいすい解けましたが、第16問、第19問、第20問、第21問を落としてしまいました。いずれも取れそうな問題であり、しかも重点的に対策した分野だったため、悔しさが残ります。
一方、第28問と第29問は、ほとんど知らない知識でした。それでも、感覚と常識を頼りに解答を選びました。同じように判断した受験生も多かったのではないかと思います。
結果的に、第28問から第30問までは全問正解でした。
対策した分野では思うように得点できず、対策していない分野では運にも助けられる。その結果、商法は22/30点となりました。商法には約25分を使いました。
民事訴訟法
最後に民事訴訟法へ進みました。
第31問から始まりますが、問題文はそれなりに長めです。全体を見ると、第31問、第32問、第34問、第36問など、読むのに時間がかかりそうな問題が並んでいました。
そこで、これらの長文問題はいったん飛ばし、知識だけで解ける問題から先に処理しました。その後、残った時間で長文問題に戻るという順番です。
民事訴訟法には20分強を使い、最後は残った時間で全体を見直しました。
公法系(正午~午後1時)
問題全体をざっと見たところ、行政法は比較的解きやすそうに感じました。
私は短答式試験の直前期に、商法と並んで行政法にも力を入れていました。これまで短答の点数を振り返ると、商法と行政法の得点が伸び悩んでいました。点数を安定させるには、この2科目の底上げが必要だと考えていたためです。
行政法
そのため、公法系は第13問の行政法から解き始めました。
第14問の肢イでは迷いました。普通に考えると○を付けたくなる肢です。資料を公表するかどうかは裁量だと思いましたが、解答速報によると、そうではないようです。
第23問の肢ウにも、私は普通に○を付けました。しかし、LECとアガルートの解答速報では、いずれも×とされています。
第24問では、デジタル庁がどこに置かれている機関なのか迷いました。
デジタル庁は内閣府や経済産業省の外局ではなく、デジタル庁設置法に基づき、内閣に置かれる機関です。
職場の同僚が「デジ田交付金(デジタル田園都市国家構想交付金)」という言葉をよく使っていたため、その印象に引っ張られ、経済産業省の外局ではないかと考えてしまいました。その結果、誤った判断をしました。
行政法は約15分で解き終えました。
憲法
その後、憲法へ移りました。憲法は、いつもどおりの感覚で解答しました。
第9問については、7月20日午前6時時点で、LECとアガルートの解答が分かれていました。憲法は毎年のように予備校間で解答が割れる問題が出るため、「今年もそういう問題があったか」という感覚です。
憲法には約20分を使い、公法系2科目を解き終えた時点で残りは約25分。その時間を使って、じっくり見直しをしました。
昼休み(午後1時~2時)
昼食を取った後は、20分ほど仮眠しました。
朝が早かったため、仮眠を取らなければ午後までもたないと考えたからです。前日の十分な睡眠と昼休みの短い仮眠は、午後の刑事系と一般教養に向けた大切な準備でした。
刑事系(午後2時15分~3時15分)
まず問題全体を見渡しました。刑法は、昨年ほどの「悪質さ」は感じませんでした。
第3問、第5問、第7問、第9問、第11問など、右側のページにある問題は、思考に時間がかかりそうでした。そこで、それらはいったん後回しにし、単純な知識で解ける問題から先に処理しました。
刑法のうち、知識だけで解ける問題を約13分で解答し、刑事訴訟法へ進みました。
刑事訴訟法は第14問から解き始めました。第25問は思考型の3点問題で、しかも個数問題です。時間をかければ選択肢を絞れそうでしたが、ここでも時間がかかると判断して飛ばしました。
刑事訴訟法を一通り終えた時点で、残りは約23分でした。
その後、刑法の第3問、第9問、第11問に戻りました。残り5分となったところで、第5問と第7問のどちらを解くか迷い、第7問を選びましたが、最後は時間切れになりました。そのため、第5問、第7問、第25問は、実質的に解答できないまま終わりました。
それでも自己採点では、刑法・刑事訴訟法ともに8割を超えました。
この結果から、刑事系では「できる問題から先に解く」という戦略で、十分に合格点を確保できると改めて感じました。
結局のところ、まず知識で解ける問題を確実に取る。そして、本番では**「解かない問題を決める」**ことが重要です。
全問を解こうとしない。これが刑事系では特に大切だと思います。
一般教養(午後4時~5時30分)
一般教養は、本試験でどこまで粘れるかによって得点が変わる科目です。そのため、最後まで捨てずに全力で取り組みました。
私は社会科学より自然科学の方が得意なので、まずは生物などの問題から解き始めました。比較的手応えがあり、ロースクールタイムズの解答速報を基にした自己採点では24/60点でした。
例年と同程度の点数で、ひとまず安心しました。一般教養については、結局のところ、毎年おおむね自分の平均的な得点に収束するのかもしれません。
試験を終えて――今年の合格点予想
全体として、法律科目は昨年より易化した印象があります。一般教養も、昨年と同程度か、やや取り組みやすかったように感じました。
以上を踏まえると、令和8年予備試験短答式試験の合格点は、168~170点になると予想します。もちろん、これは解答速報とX上の自己採点報告、そして私自身の体感に基づく暫定的な予想です。正式な正答と合格点が発表されるまでは分かりません。
今回の試験で、あらためて実感したことがあります。
それは、短答式試験では、すべての問題を正面から解こうとしないことです。
知識で解ける問題を先に確実に取り、時間のかかる問題は後回しにする。そして、必要であれば解かない問題を決める。その判断が、限られた時間の中で合格点を確保するために最も重要なのだと思います。
