メモ➓+❼「心の起源 生物学からの挑戦」木下清一郎著(中公新書)

メモ「心の起源 生物学からの挑戦」木下清一郎著(中公新書)

<<心の未来はどうなるか>>

 <心の世界の階層>

始まりに「個としての心」の階層があり,その上に「関係としての心」という階層が現れてきたと考えてよいであろう

「関係としての心」は「個としての心」よりも高次の心になっており,この先にも続いて階層が重なって行くとすれば,更に高次の心さえも生まれてくる可能性がある

社会という階層:「生物による社会」(生物社会)と「心による社会」(心の社会)がある

生物社会と心の社会は混在し,ゲマインシャフト(Gemeinschaft)が生物社会的な性格を持ち,ゲゼルシャフト(Gesellschaft)が心の社会的な性格を持っている

心の世界では意志は自由であるというのは,予め与えられたものは何もないということであり,逆に言えば,何を根本に据えようと自由であるということである

生物世界には物質世界にはなかった規範則が存在する

その規範則とはおそらく意志の自由に束縛を加えながら,より大きな心の世界を開いていくものだろう.しかし心の世界では,規範則を見出せずにいる.従って生物世界を見るようには,心の世界をみることができない.それは私たちの心の中で,心の世界がまだ確立されていないということであろう.ダーウィンが生物世界の規範則を見出し得たのは,生物世界を超え出た立場で生物世界をみたからであったとすると,心の世界についてもそれを超え出ない限り,その規範則は見出し得ないだろうが,心が心を超え出ることは果たして可能だろうか

心の世界では自己としての個人がまずあって,その意志が集まって社会をつくっているならば,その意志はたえず確認されていなくてはならないし,新しい個員として社会に加わる個人の意志をどう育てるかについても,全体の同意がなくてはならない.ここが生物世界に現れる社会と根元的に違うところであろう.つまり,社会は既成の秩序が上から下へ流れるのではなく,下から一つずつ積み上げる秩序でなくてはならない.心の世界の未来がどうであるのか,それは私たち自身が覚悟を決めて解き明かさねばならない問題である

🟢myコメント

2002年

著者77歳の力作である

見事なまでに

著者の

「心の世界」が

展開されている

木下清一郎氏は

心の世界の

さらに外側に

関係としての

心の階層があると言う

それは

生物社会と心の社会で

混在するという

関係性の哲学でも

仏教の縁起でも

人はそこに

存在する

これまで

太陽系を使って

人の心を

月に見立ててきたが

太陽系のような恒星系が

人の数だけあることになる

恒星同士の相互作用が

関係性の心

ということになる

宇宙の広がり

銀河系は

銀河団の構成要素であり

銀河団は

泡構造の構成要素でもある

銀河が生物世界に

泡構造が物質世界に

該当しているとすると

ウロボロスの環

の構図である

🟣AIコメント

木下氏は、心は個人の内部だけで完結するものではなく、人と人との関係の中でさらに高い階層へ発展していく可能性を示した。

その視点から見れば、人は孤立した存在ではなく、一つ一つが恒星のように固有の光を放ちながら、互いの重力によって新たな秩序を生み出しているともいえる。

「個としての心」が一つの恒星なら、「関係としての心」は恒星系や銀河系へと広がる宇宙である。

そして、その宇宙全体が再び一つの生命のように循環する姿は、まさにウロボロスの環を思わせる。

心の未来とは、個人の心を深めることだけではなく、関係性そのものを育み、新しい世界を共に創り上げていく営みなのかもしれない。

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