子どもの頃
世界はおうちから小学校まで
歩いて片道15分
おうちから公園まで
歩いて片道10分
時に両親と
時にお友だちと
一緒に歩く道だけが
わたしの世界の全てだった
大人になって
どこまでも行ける気がして
おうちを飛び出したけど
あっという間に何十年
気がつけばまた
世界はおうちから仕事場まで
歩いて片道20分
電車に10分乗ってまた10分歩いて
ひとり歩く道がわたしの世界
それでもまだ
小さな箱の中から
じゃじゃーんと飛び出して
まだ見ぬ世界を歩く自分を
ひっそりと夢見ている
春がめぐってくるたびに
胸が痛くなるほど
こっそりと夢見ている