悩みや不安、つらさを解き放つ「解釈モデル」という考え方
「何がつらいのか、うまく言葉にできない」
「原因も、今の状態も、これからどうなるかも、全部ごちゃごちゃ」
「考えているはずなのに、同じところをぐるぐるしている気がする」
「何をどうすれば良くなるのかわからない」
長い人生ですから、
そんな状態に陥ることは、ままあります。
そして、
「答えが出せない」
「何をすれば良いのかわからない」
というところに陥ります。
でもそれは、
あなたの考え方が足りないからでも、弱いからでもありません。
多くの場合、
「答えが出ない」のではなく、
整理できていない
ことがほとんどです。
そこで今日は、
悩みや不安、つらさをいったん並べ直すための考え方、
「解釈モデル」を紹介します。
医療現場で使われているものですが、
一般の方でも、自分で使うことが出来ますよ。
解釈モデルって、むずかしいもの?
「解釈モデル」って、
名前は少し硬いですが、やっていることはとてもシンプルです。
解釈モデルとは、
「今の自分の状態を、自分はどう理解しているか」
その全体像のことです。
もう少し噛み砕くと、
何がきっかけだったと思っているか
今、何が一番困っているか
この先、どうなる?と不安に思っているか
こうした 頭の中にある“自分なりのストーリー” を指します。
人は誰でも、無意識のうちに
「過去 → 現在 → 未来」をつなげて考えています。
ただ、つらいときほど
そのストーリーが絡まって、見えなくなりやすいんですね。
それを整理するためのフレームです。
病院の問診は「整理」を手伝っている
たとえば、
病気になった時、体調が悪くなった時に、
病院に行くと、まず問診をしますよね。
診察室に入って、すぐに
「では、手術します」
「歯を抜きますから口を開けて」
「この薬出しておきますから食後に飲んで」
と、
いきなり「治療」の話にはなりません。
いきなり
「どうすれば良いか?」
の答えは出ないワケです。
まずは、
「いつからですか?」
「きっかけはありましたか?」
「今、どんなことで困っていますか?」
と、問診から始まります。
これらは、単に症状をチェックしているだけではありません。
患者さんの頭の中にある“自分で思っている見立て”を、
一緒に整理している
そういう側面もあるんですね。
医師はそれをもとに、
「今、何が起きていて」
「どこまで心配する必要があり」
「何から手をつけるか」
を考えていきます。
この構造を
仕事の悩み、人間関係、心の不調など
人生の悩み全般にも、そのまま使っちゃえばよいわけです。
バラバラなままだと、人は苦しい
つらいときの頭の中は、こんな感じになりがちです。
なぜこうなったのか分からない
今の状態がどれくらい深刻なのかも分からない
この先ずっと続く気がして怖い
でも何をすればいいのかも分からない
これらが全部一緒くたになっている。
だから余計に苦しい。
大事なのは、
すぐに答えを出すことではありません。
病気の治療法と同じで、
「どうすれば良いか?」
という解決法を探す前に、
まずは、
「原因」
「今」
「これから」
「対処」
をいったん分けて並べること。
それだけで、心の圧迫感はかなり下がります。
自分を整理するための5つの視点
解釈モデルを、セルフケアとして使うときは
次の5つの質問に沿って考えてみてください。
① なぜ起きたと思う?
「これが原因かも」と思っていることは何ですか?
正しいかどうかは気にしなくて大丈夫です。
② なぜ“今”つらい?
前からあった問題でも、
「今」しんどくなった理由は何でしょうか。
環境の変化、積み重なった疲れ、引き金になった出来事など。
これまでは、それほどつらくなかったことが、
「今になって」つらさが増している理由はなんでしょうか?
③ 今、何が起きている?
生活や心身に、どんな影響が出ていますか?
眠り、集中力、気力、人付き合いなど。
病気で言えば「症状」ですね。
④ この先どうなる気がしている?
このままだと、どうなると想像していますか?
ここには、不安の正体が隠れています。
それが「予想通りになるか」とか、
「単なる考え過ぎか」とかは考えなくても良いです。
⑤ どうなったら「少し楽」?
完璧なゴールじゃなくて構いません。
「これくらいなら耐えられる」「ここまで戻れたら」
そんな着地点を思い浮かべてみましょう。
正しく書こうとしなくていい
この作業で一番大事なのは、
ちゃんと考えようとしないこと。
事実と違っていてもいい。
矛盾していてもいい。
途中で分からなくなってもいい。
「今の自分は、こう思っているんだな」
それを確認するだけで十分です。
解釈モデルは、
自分を評価したり、裁いたりするための道具ではありません。
迷子になっている自分を、いったん現在地に戻すための地図です。
大まかな「地図」が出来てくると、
自分の「現在地」も見えてきますし、
これまで「通ってきた道のり」も見えます。
そして、
「行きたい目的地」も見えてくるわけです。
抜け出すための第一歩は「整理」
整理できると、こんな変化が起きます。
問題を少し離れたところから見られる
「今すぐ考えなくていいこと」が分かる
人に相談するとき、話しやすくなる
つらさの正体は、
出来事そのものよりも
整理されていない状態にあることが、本当に多いのです。
最後に
答えを出そうとしなくていいんです。
前向きになろうともしなくていい。
まずは、
自分がどんな物語の中にいると思っているのか
それを並べてみましょう。
それだけで、
次の一歩は、自然と見えてきます。
しんどいときほど、急がずに
「地図」を確認する。
この「解釈モデル」を、
自分を守るための道具として使ってみてください。
悩み、不安、つらさを整理するための
解釈モデル・ワークシート
※ 正解を書こうとしなくてOK
※ 途中で止まってもOK
※ 空欄があってもOK
目的は「治すこと」ではなく、今の自分の状態を把握することです。
STEP0|書く前の準備(とても大事)
まず、紙かメモアプリを用意してください。
深呼吸を一つして、次の一文を心の中で確認します。
「これは答えを出す作業ではなく、整理する作業」
では、始めましょう。
① 原因:なぜ起きたと思っているか?
質問
この問題は、なぜ起きたと自分では思っていますか?
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