平成元年生まれの私、「あの頃」の刑事に恋する。
最近、私をとらえて離さないコンテンツがある。
それは、「架空名作劇場 人情刑事 呉村安太郎」だ。
テレ東「架空名作劇場「人情刑事 呉村安太郎」」
— TVer新着 (@TVer_info) August 7, 2025
【予告】8月11日(月)24時30分 ~ 放送予定#TVer #呉村安太郎 @Filmest_TXhttps://t.co/7FYXaoZtxe
平成元年生まれの私は、画像を見た瞬間に確信した。
これは間違いなく「あの頃」の刑事ドラマの空気だ。
しかも、それを「昔あったドラマの再放送」という体裁で、完全なる架空作品として仕立て上げている。
実は、私はこの大胆な発想に、以前から心を掴まれていた。
フィルムエストが制作する【友近サスペンス劇場】を見ていたのである。
画質の粗さから漂うノイズ感、全体を覆うレトロな空気──まさに「あの頃のサスペンス劇場」そのものだ。
そこに友近さんとモグライダー芝さんが加わることで、虚構は一気にリアルへと変わる。友近さんの安定感ある演技力はもちろんだが、何より芝さんの「絶妙にそれっぽい」存在感に心を奪われた。再生を止められないほど、印象に残る映像だった。
(下記、フィルムエスト主宰のにしいさんがメイキングの記事をあげてくださっている)
そして、「あの頃」の第二弾がこの「架空名作劇場 人情刑事 呉村安太郎」である。概要は以下のようなものだ。
番組概要
テレ東×フィルムエスト企画! 映像も芝居も90年代にしか見えないが、描かれるのは令和の日本ーーー そんな〝存在しない名作〟を勝手に作ってお届けする「架空名作劇場」シリーズ。 今回お送りするのは、1990年代に社会的なブームを巻き起こした?人情で事件を解決する往年の刑事ドラマ「人情刑事 呉村安太郎」。 主人公の呉村安太郎を演じたのが、昭和を代表する名優・加賀美勲(平子祐希)。呉村が通う高級バーのママ・大森真由美を演じたのが往年の大女優・三篠慶子(友近)。 人情刑事“呉さん”が今、蘇る! 第1夜「殺人フードデリバリー!団地妻の秘密」 第2夜「闇バイトが殺される!復讐のニセ老婆」 2025年8月11日・18日月曜深夜24時30分放送!
呉村安太郎を演じる俳優、加賀美勲、を演じるのがアルコ&ピースの平子祐希さん。高級バーのママ、大森真由美を演じる女優、三篠慶子、を演じるのが友近さん…
ややこしいわ!
しかし、それが芸の細かさにつながっている。
私は最初、加賀美勲さんと三篠慶子さんのお二人の囲み取材を見た。
「この二人、六本木の夜に消えたらしい…?」そんなゴシップめいた疑惑をめぐり、記者たちが二人を取り囲んでいた。
このフォント!!
妙に丸っこくてチープなマジック風フォント!!
このフォントを見ただけで平成初期だと分かってしまうから不思議だ。
そして、「ねんごろ」な二人に何があったか聞き込む取材。しかし、責め立てる感じはなく、完全に好奇心で聞いており、二人も聞かれてまんざらでもないという様子だ。三篠慶子さんも「皆さんのご想像にお任せしますわ!」という余裕たっぷりの様子。今、こんな発言をしたら世間に許されることはないだろう…と思うと、ちょっとこのおおらかさがうらやましくなってしまう。
そして現れたのが「共演者キラー」と呼ばれる加賀美勲さん。はにかんだ笑顔に、思わず胸を撃ち抜かれてしまった。色気と優しさを兼ね備えた、大人の余裕。
加賀美勲さんを演じているのはアルコ&ピースの平子祐希さん。私は芸人さんに詳しくないけれど、『ロンハー』で「結婚したい芸人」として同性からの票が集まっていたのを思い出す。なるほど、平子さん自身が惹きつける人なんだなと思った。
でもやっぱり私が一番惹かれたのは、役としての“加賀美勲”。子どもの頃、テレビに映る俳優さんを見て「名前も知らないけど素敵だな」と思ったあの感覚。それを令和の今になってもう一度味わわせてくれたのが、加賀美勲さんだった。
私は、加賀美勲さんが演じる「呉村安太郎」を応援しようと決めた。今、第二話までTverで配信している。
第二夜見た!「あの頃」の雰囲気が完全再現されていながら、「闇バイト」や「おばあさんはグミを食べない」のツッコミどころもあって、ああ...今それやっちゃだめ...と、あの頃はよかった...の間で揺れた。呉さん大好き❣️
— 亜麻布みゆ|言の葉みゆフィーユ (@amanumiyu) August 18, 2025
架空名作劇場「人情刑事 呉村安太郎」#TVer https://t.co/sASjdgQBGV
呉村安太郎は、加賀美勲とはまた別だ。完全に「人情刑事 呉村安太郎」として存在している。つまり平子さんは、“平子祐希”を消し、さらに“加賀美勲”を通じて“呉村安太郎”に二重に入り込んでいるのだ。その技術も驚くべきことだが、何より魅力的なのは「呉さん(!)」としてのたたずまいである。
妻を亡くし、娘と二人暮らし。その哀愁と、どこか枯れた雰囲気。真由美ママの前で見せるリラックスした空気感。どれを取っても、カッコよさがにじみ出ている。
「人情刑事 呉村安太郎」は、話自体も面白い。時代設定は平成初期なのに、扱うのは「闇バイト」や「フードデリバリー」など令和の話題だ。
しかも、当時と今の価値観の違いを際立たせてくる。
「妙だな、専業主婦がフードデリバリーを頼むだろうか?」
「妙だな、おばあさんがグミを食べるだろうか?」
──そのたびに「当時の価値観をそのまま反映しています」というテロップが表示され、思わず声を上げて笑ってしまう。
他にもタバコを職場でスパスパ吸っていたり、人情ビンタをしたり…
完全に「ああ…今はそれやっちゃだめ…!」と顔を覆いたくなってしまう。
それなのに、どこか懐かしくて愛おしく感じてしまう。
なぜか? それは呉さんが徹底して“人情派”だからだろう。「闇バイトが起こる社会そのものが悪いんじゃないのか?」と真剣に語ったり、取り調べ中の容疑者の代わりに自らフードデリバリーを引き受けてしまったり…。どこまでも人の心に寄り添おうとする姿に、胸を打たれるのだ。
平成元年生まれの私は、母と一緒にこういうドラマを見ていた気がする。母はお茶をすすりながら画面を眺め、ほんのひととき家事や子育てから解放されていたのだろう。
そんな母の背中を見ながら、私は「刑事さん、かっこいい」と思っていた。でも当時の私にとって、それを口にするのは照れくさかった。しかも相手は渋いおじさん俳優。言ったら笑われてしまう気がして、飲み込んでいた。
令和の今、架空の名作を通じてあの時間を思い出す。
そしてようやく胸を張って言えるのだ。
「呉村安太郎(=加賀美勲=平子祐希)、かっこいいよね!」
読んでいただきありがとうございました。
私が最近好きな「架空名作劇場」について書かせていただきました!
ご興味持っていただいたら嬉しいです。
引き続き、よろしくお願いします。
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・お笑い芸人さんだとウエストランドが好きです
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