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igaki_toshie
鬼と福を分かつもの(#毎週ショートショートnote)
人間の、悪運を司る「鬼」と、良運を司る「福」がいた。
鬼と福は仲睦まじく暮らしていた。
あの日、までは。
「あの日」がやってきた。
人間たちは、「あの日」が来ると、「鬼は外、福は内!」と言いながら、豆をシャッシャッと投げた。
豆をシャッシャッと投げる音は、鬼を苦しめた。
「悪いが、出ていかなければならないようだ。」
「でも…あなたが出ていったら…人間が…」
「仕方あるまい、人間がそう望んでいるのなら。」
鬼は、外に出ていった。
人間は、良運と悪運を交互に経験していたが、その日以降、良運の者は良運続き、悪運の者は悪運続きになった。
「二度あることは、三度ある」という言葉が流行った。
福は、鬼のことを思いつつ孤独に過ごしていた。
1年経ち、また「あの日」が来た。
豆をシャッシャッと投げる音に、福は違和感を覚えた。
「産まれる…?」
知らないうちに、鬼の子をみごもっていたのだ。
福は、苦しみながら、出産した。
産まれた子は、鬼そっくりだった。
人間は、悪運と良運、また交互に経験するようになった。
「禍福は糾える縄の如し」という言葉が流行った。
(了)458文字
田原かに(たはらにか)さんの「 #毎週ショートショート」に参加しています。今回のお題は「 #節分胎教」でした。
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