恋が生き物ならば。
恋は生き物なのだ。
ある関係性に「ぽわん」と現れる、生き物。
「ロミオとジュリエット」みたいな、悲恋。
恋を発生させた人たちがどうなるか、って観点だと、「悲」だけど、恋自体はむしろピチピチしている。
恋が最も恐れているのは、恋自体の消滅である。
秘密の恋をしたことがあるだろうか。
私はある。
大学生の時に入っていたとあるサークルで、部内恋愛が禁止だった。
大学生の恋愛禁止ってきつい。好きになっちゃったらしょうがない。後輩に聞いたら、今はそういうルールなくて、何組かカップルもいるらしい。
少子化だから撤廃されたんだろうか。
彼は皮肉屋で、なんだか斜に構えたところがあった。でも、二人で話す機会があると、その斜に構えたところから少し見せる優しさにドキッとした。なんで彼が私を好きになってくれたのか、わからない。でも、付き合い始めの頃は、彼が言わないようなあまりに素直な言葉に舞い上がってしまう。
最初のうち、とても盛り上がった。毎日電話してメールもした。みんなで集まってる時、彼の動向がとても気になる。他の女子と喋ってる時、嫉妬してしまう。ちょっとした仕返しに、わざと他の男子と仲良くして嫉妬を煽ったりしてた。その度に後で拗ねたメールが来てた。でもみんな知らないんだよな、っていう一種の優越感もあった。
でも、秘密が嬉しいのは、うまく行ってる時だけだ。
すれ違いからケンカになった時。メールの頻度が徐々に少なくなっていた時、私は他の人に相談することができなかった。彼は何を考えているんだろう。メールも返してないくせに。みんなで集まってる時、楽しそうにしてる。私にも、他の女子に対するのと同じような笑顔を見せる。
苦しくなった。
このことを知ってるのは二人だけ。彼の方から消滅させちゃえば、もうなかったも同然なのである。付き合ってると思ったのは、私だけだったのだろうか。遊んでいても、元の斜に構えた彼であることが不安を誘う。
最初の頃にもらった言葉、場面だけを繋ぎ合わせて生きていた。
彼からのメール受信音だけ、違うメロディーにしていて、そのメロディーが聞こえると、飛び上がりそうになってしまう。そのメロディーも、半日おき、1日おき、3日おき…になっていた。その度に苦しくなった。
そして、改めて彼から別れを告げられた。初めての失恋。6ヶ月付き合って、その後3ヶ月立ち直れなかった。失恋はすごい。全ての失恋ソングが自分に刺さる。「First Love」が刺さる。「あなたのキスを数えましょう」も刺さる。
その時、思ったのだ。
「ロミオとジュリエット」は、本当に悲劇なのか。
むしろ、最期まで相手のことを思えて、幸せなのではないか。
恋自体がなくなってしまうことの方が、苦しいのではないか。
恋は、生き物だ。
恋自体が生きて、人を生かして、殺す。
人は恋をした時、恋という生き物に取り憑かれて行動する。
その後、私は人生で何回かこいつに取り憑かれる、そして消滅させる。
こいつに取り憑かれたまま結婚して、なんとか落ち着いたようだ。
もうこんな思いはしたくないものだ。
ってこんな明け方に、#なんのはなしですか
もう一回寝る。
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