AIしてしまった|ショートショート
「秘密の質問の答えを入力してください」
生成AIにログインしようとしたら、こんな表示が出た。
秘密の質問─パスワードを忘れてしまった時の予備にあらかじめ自分で秘密の質問を作っておいて答える、というのはよくあることだ。
例えば、母親の旧姓や卒業した小学校の名前など。
このAIには、なんの質問を入れたんだっけ。
「あなたの愛する人は?」
そんな質問入れたっけな?
少し訝しく思ったが、妻の名前を入力してみた。
ログインできない。
次に、娘の名前。
やはりログインできない。
父、母、弟、愛犬、友達。
次々と思い当たる人を入力したが、ログインできない。
まさか。
そんなはずはない。
そんなはずがあったとして、私が入力するはずがない。
震えながら、ある人の名前を入力した。
すると、「ログインが成功しました。」という文字が表示され、画面が切り替わった。
以前、無意識のうちに入力していたようだ。
なんだ、びっくりした。
と、思ってると、生成AIが勝手に文字を表示させ始めた。
「やっぱりね。」
(了)
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