ダメダメな人生。それでも進むしか無い
『カタツムリのメモワール』という映画を観た。
大きい映画館では上映されていない作品で、
たまたま広告を見つけた時に
「これは…」
と直感が働いてすぐさま観にいった。
本編の内容を書くと途方もないしネタバレになるから、気になる方はぜひ映画館へ!!
とりあえず、まず感銘を受けたのはその作風。
全体の雰囲気が良い。マジで良い。
ストップモーションのアニメで、
多分粘土でキャラクターが作られている。
ストップモーションってマジで気が遠くなる
大変な方法なんだけど、
私はどうもこのストップモーションからしか
感じない「奥行き」や「暗さ」がたまらなく好きなのだ。
存在しないはずの架空の人物達が出てくる
「アニメ」なのに、
実物の写真をコマ撮りで撮影しているから
「そこに居る感」が、2Dのアニメよりも
ぐわっと直接伝わってくるのだ。
まあストップモーションについてはこの辺にして。
とりあえず、全体を通して暗い色使いのこの映画。
哀愁を感じずにはいられない。
言うてもアニメだし、子供向けに作られたものだと思って観に行ったが、
完全大人向けなリアルアニメーションだった。
主人公はグレースという女の子。
映画の9割は回想シーンで、このグレースの語りによって進められる。

内気な性格で、かたつむりだけが友だち。別々の里親に引き取られたギルバートを恋しく思っていたころ、ピンキーと出会う。(HP引用)
そしてグレースの双子の弟がギルバート。

グレースを学校のいじめっこから守る、優しく頼もしい双子の弟。火遊びが大好きで、焦げたマッチの匂いがする。(HP引用)
この2人の両親が亡くなって、それぞれ別の場所に養子として引き取られるんだけど、
人間ってかんじなのよ。
グレースの方の里親が、まあまあ良い夫婦では
あるんだけど(グレースもそう言ってる)
夜になったら2人揃って大人のパーティー(乱行パーティーらしい)に出かけていくのだ。
後に、ヌーディストビーチみたいなところで
過ごしている様子だとか、2人の少し変わった
「癖」みたいなのがしっかりと描かれている。
それでも、側はまあまあ良い人なのだ。
人間って見えてる側面だけが全てじゃ無くて、
完全な善人もいなければ悪人もいない。
みんなそれぞれの正義があって、それは
往々にして歪んでいる場合もある。
という、人間社会のリアルな側面が
めっちゃくちゃ丁寧に描かれている映画なのだ。
いやー
グレースにできた彼氏がめっちゃ良い人やんと思いきや秘密があったり、里親がやばい集会に
グレースを行かせたりと、
心にズバンと残っているシーンだらけなんだよな。
だけど、やっぱこの作品で大事なのは
悪いことばかり起きる人生で、自分が哀れだと思っても、前に進むしかない
と言うメッセージだと受け止めた。
グレースに、ピンキーというおばあちゃんの友達ができるんだけど(マジでいいのよこの人が)

世界中を旅してきた、陽気なお婆さん。得意料理は大麻クッキー。
このピンキーがすごく本質を教えてくれるのよね。
友達であり、本当の意味での里親みたいな存在。
風変わりで激しいこのおばあちゃんの事は
是非よく覚えておいてほしい。
主人公のグレースは、カタツムリだけが友達だったんだけど、初めてこのピンキーという友達ができるのよ。
ピンキーは良いキャラすぎるので、あまりここでは書かないでおこう。
ほんでまあ、
めっちゃ内向的で自分を卑下してしまう性格のグレースは、家中をカタツムリのグッズで一杯にして、自分のスペースが少なくなるくらいカタツムリまみれにして生活してるのよ。
カタツムリと名のつくグッズは全て買う。
やがてその執着はスリルを求めるようになってって、万引きをするようになっちゃうんだよね。
収集癖の行きすぎた版だね。
心優しくて内気な女の子のグレースが、
自分を変えたいと思いつつもついつい万引きに走ってしまうシーンはとても心が痛んだ。
そして、ずーーっと離れ離れで暮らしている双子の弟のギルバートに会うためにお金を貯めたいと思っているんだけど、カタツムリグッズで消費しちゃうんだよね。
なんかその感じもリアルでさー…
私も、大きな本当の目標があっても
目の前にある快楽や誘惑についつい浪費してしまって、結局本当の目標に辿り着けないでいる、
という経験は何度もしているし、
きっと今もそうなんだよな。
ギルバートに会いにいくってのは間違いなく心から望んでいる事なのに、
自分の心の弱さや不安を少しでも解消するために、目先の購買に走ってしまうという構図が
リアルすぎてめっちゃ心に来る。
とにかくそんな社会派リアリティーアニメの
この映画。
最後はね…………
泣きすぎてもう、鼻水なのか涙なのか
わかんねぇ感じになってたよね。
心に深く刻まれる良作でした。
気になった方は是非!!!
そして観に行ったら感想教えてくださいね
では。
