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【完璧“すぎる”前日譚】マッドマックス:フュリオサ ネタバレあり感想&徹底考察

どうもTJです
今回は日本でもカルト的人気を誇った「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の前日譚である「マッドマックス:フュリオサ」についてネタバレありでレビューしていく

前作から9年の時を経たのは必然だったと思わされるほどの完成度の高さ
「怒りのデスロード」からの変更点やキリスト教との関係についても触れながら考察していくので、どうか最後までお付き合い願いたい

あらすじ・キャスト

世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。

映画.comより引用

監督:ジョージ・ミラー
主演:アニャ・テイラー・ジョイ
その他:クリス・ヘムワーズ、トム・バークなど

※TJメモ
フュリオサ役はシャーリー・セロンに変わってアニャ・テイラー=ジョイが担当
2020年公開の「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」でも主演を務めたアニャだが、その時の監督エドガー・ライトがジョージ・ミラーに本作の主演を推薦したのだそう

https://m.imdb.com/title/tt12037194/mediaviewer/rm2519956737/?ref_=ttmi_mi_all_10

フュリオサの人物像

まずは前作からの共通点と相違点に着目したい
共通しているのは、MADすぎる世界観
荒廃した地球で、僅かな資源を奪い合う狂気が充満した世界は、観客を9年越しにスクリーンに磔にする

前作からの相違点としては登場人物(フュリオサ)の人物像が見えることだ
「怒りのデスロード」はいわば“行って帰ってくる”だけの映画であり2時間ノンストップでアクションの応酬が続く
この構成は、終始ジェットコースター的な映画体験をさせてくれる一方で、あまり登場人物の内面が感じられないという難点も残していた

https://moviewalker.jp/mv80772/gallery/

今作はその点、2時間半かけてじっくりとフュリオサの半生を描くのでその分感情を乗せやすい
また、前作では余白として残されていた「なぜフュリオサは故郷である緑の楽園を目指すのか」という動機が、今作では完全に補完されている

つまり、今作は前作の大ヒットにあやかろうとして無理やり作ったものではない
むしろ、今作が作られることは必然であり、「怒りのデスロード」と合わせてセットの、相互補完的に作用する完璧な前日譚となっている

悪役の存在感

今作で新たに登場するディメンタス将軍もその相互補完的な作用に一役買っている
ディメンタス将軍は持ち前のカリスマ性でバイク集団たちを統率
イモータン・ジョー相手にしても引かずに交渉するなど、辣腕ぶりを発揮する一方でイモータン・ジョーほどの宗教性は持ち合わせていない
とても人間味を感じるキャラクターであり、今作の宿敵でもある

彼を小物的な存在として描くことで、イモータン・ジョーの凄さが逆説的に証明され、前作の復讐劇のカタルシスも増幅される
キャラ的にも立ち位置的にもこのディメンタス将軍の存在感は大きい

https://moviewalker.jp/mv80772/gallery/
なぜか赤くなるディメンタス/https://www.imdb.com/title/tt12037194/mediaindex/

また、ディメンタス将軍vsイモータン・ジョーでも印象的なシーンがあったので紹介したい
ディモンタス将軍が最初にイモータン・ジョーの砦に乗り込んだ際、彼は民衆に資源の再分配を約束する
「彼は搾取している、民衆が従うから彼の蛮行がまかり通る」という主張は適切だ
しかしイモータン・ジョーはそれを宗教の力で捩じ伏せる
民衆を統治するのは政策よりも宗教ということを巧みにスクリーン上に表出させたジョージ・ミラーの手腕が光るシーンであった

聖書を再構築

そろそろ、重要な問いに入っていきたい
前作から引き続くリブート版「マッドマックス」とは結局何なのか
個人的には、聖書の再構築だと考察する

まず、今作はフュリオサが「緑の地」で果実をもぎ取るシーンから始まる
これは、旧約聖書で描かれるエデン園で、人間が禁断の実を食べて知恵を得ることのオマージュだ

https://www.imdb.com/title/tt12037194/mediaindex/

人間は禁断の実を食べ(=知識を得)たことで苦難の道を歩むことになるが、フュリオサも同様に苦難の道を歩む
さらに、フュリオサの母がディメンタスに磔にされるのはまさしくイエス・キリストの受難を想起させる  

ここもイエスキリストを想起させるカット

ここまで見てきた通り、「マッドマックス:フュリオサ」と聖書は密接に関係している
しかしリブート版「マッドマックス」の狙いは聖書をなぞるのではなく、あくまで“再”構築することだ
これは、聖書の内包する男性優位性を解体するという意味も持つ
聖書では最初の人間はアダム(男性)とされ、その後にアダムを助ける存在としてイブ(女性)が生まれる
イエス・キリストも男性であり、聖書の記述によってヨーロッパなどでは男女格差が是認されてきた

しかしマッドマックス:フュリオサに出てくる主人公はもちろん女性であり、敵であるディメンタス将軍、イモータン・ジョーの家臣はほぼ全員が男性だ
フュリオサの逆襲はこの男性優位社会への反逆でもあり、最終的には前作怒りのデスロードで家父長制のシンボルイモータン・ジョーを倒す
この一連の流れこそが、まさしく聖書の再構築のプロセスとなるわけだ

総評

TJ的評価は⭐︎4.5/5
前作ほどのスピード感はないものの、フュリオサの人物像に焦点を当て、前作から相互補完的に働くという前日譚においての最適解を叩き出した
アクションのメリハリやマッドマックスの世界観は前作から少しも損なわれておらず、79歳ながらここまでバイタリティのある作品を作り上げたジョージ・ミラーはやはりMAD


ということでいかがだっただろうか
今後も新作、旧作問わずレビューしていく予定なのでスキ、フォロー、コメント等など良かったら是非
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では!

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TJ 見返りは何もありませんが、結構助かります。

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